





ターゲットはホームセンターの店員さんだ。郊外でコツコツ仕事をする彼女たちが出会う相手は、くたびれたオジサンオバサンや家族連ればかり。熱烈なラブレターをもらったことなど一度もないに違いない。
さて、いったい何番の子がやってくるのだろう。俺の希望は1番か2番なのだが。待合わせ場所にいたのは、なんと2番のコだ! か、可愛い。しかも、胸の谷間がざっくり開いてるし! 「友達なら」とか言いつつ、けっこう気合い入ってるじゃないの!
今日の計画は、いきなりカラオケ作戦だ。居酒屋でだらだらするより、最初から個室のほうが手っ取り早いし。
「食事ができてカラオケも歌えるとこ予約したんだけど、そこでもいい?」
「私、歌ヘタなんで…」
「歌わなくていいよ。落ち着いて食事できるってだけだから」
「はい、じゃあ」
最初の関門は突破。カラオケに入り、お酒を頼んだところで、あれやこれや探ってみることに。「今日も仕事だったんですか?」「そうです。休みは不定期なので」
「お店に男性の店員とかいるんですか?」
「基本的に一人なんですよ(笑)」
たった一人で仕事してるのか。そりゃ手紙にも反応しちゃいますよね。
「お客さんに手紙とかもらったことないの?」
「ないですないです(笑)ビックリしました」
この笑顔。やっぱり手書きの手紙って、女心をドキッとさせるものなのかも。お酒が入り、なんとなくいい雰囲気になってきた。近づいても逃げないし。なので、さらに距離を縮めるために1つ提言を。「ねえ、敬語やめない?」「え、うん。そうしよう」
そしてまたニコッ。いいね、この子、笑顔がほんとに可愛いわ。
「俺、最近手相に凝ってるんだけど、ちょっと見せてくれないかな?」「あ、うん」
「ああ、結構生命線しっかりしてるねー。あ、今年運命的な出会いがあるかもよ?」
「えー、ホントですか?」手や指を触りまくっても、まったく避けようとしない。よし、このままキスしちゃおうかな。何気なく顔を接近させて…。
「うふふ…彼氏いるからダメですよ」
うっ! そうだったのか。だから「友達として」とわざわざ書いてたんだな。
「彼氏と仲はいいんだ?」「まあいいんだけど、夜の仕事してるからなかなか会えなくて」
そうだろ、そうだろ。100%充実してたら手紙男なんか無視するはずだもんな。なんとか隙を見つけ出してやる。
「家の方向、同じだしさ、この後、俺の地元駅でもう一杯飲もうか?」
「はい、いいですよ」
カラオケを出て、試しに手を繋いでみる。
「えっ」「友達でも手ぐらいつなぐでしょ」「う〜ん…」
しぶしぶだが了承を得た。よしよし、ここから崩してやる。恋人のように手をつないだまま電車に乗り、地元駅に。近くの飲み屋にソッコー入る。
「何飲もうか…」「じゃあグレープフルーツサワーで…」
ここでソフトドリンクでも頼まれたら今日はあきらめようと思ったが、彼女はサワーをどんどん飲みほしていく。もらったかも!再び手をつないで店を出たところで、軽くキスしてみた。「んっ…」1秒ほど唇が触れたところで、舌を入れてみる。
「ダメだよ」離されてしまった。だが懲りずにもう一回。
「んん…」レロレロと舌がからんできた。
勢いに乗じて、服の上から胸を触る。
「ダメだよ、人が通るよ…」「じゃあ…ウチ来ない?」
「それは彼氏がいるから…ごめん」
ガクッ!この後30分に渡り、
「来なよ来なよ」「ムリムリ」の押し問答を続けたが、結局、押し切ることはできなかった。次のデートではばっちり決めてやる!
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