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【概略・全文は上記記事をお読みください】
文婆春秋4月号に興味深い記事を見つけた。作家・佐野員一のルポ下層社会である。
何でも、東京都足立区には、生活保護下の家庭が1万1千世帯もあり、区内の全小中生が学用品の購入や給食費などで就学援助を受けているという。要は足立区が都内でもっとも貧しいエリアというわけなのだが、俺が興味を持ったのは、記事に出てくる足立区のテレクラ事情のクダリである。以下、文中に登場するエンコー主婦のセリフを読んでほしい。
〈ダンナが定職につかないから仕方ないのよ・平日はだいたい援交の稼ぎに出ているかな。援交代はイチゴー。(中略)ほら、足立区の援交の相場って安いじゃない。結構有名なんだよ。足立区の女は安いって。横浜あたりから電車賃払ってくるサラリーマンもいるよ。援交している女性?都営住宅に住む奥さんが多いみたい〉この主婦が日ごろ使っているのは、区内・竹の塚にあるテレクラ。文面からすれば、エンコー希望の人妻からひっきりなしに電話がかかってくるようだ。
東京の下層社会にあるテレクラとそこに群がる生活苦の人妻。実に香ばしい組合わせではないか。
ただでさえテレクラ女はブス、ブタ揃い。でも、ここにはそれ以上の女どもが手ぐすね引いて待っているのだろう。いや、意外に結構イケてるヤンママ風が多いのもかもしれん。どうだ、この連中を相手に、エンコー代を値切ってみたら。相手は金が欲しくてたまらない貧困オンナ。ここは弱みにつけ込もうではないか。ターゲットは生活苦に悩む主婦か子持ちの離婚者のみ。単なる小遣い欲しさで股をオッピロゲる小娘は無視でよかろう。都内北部に位置する足立区の町並みは独特だ。3万2千戸の都営住宅、109校の小中学校が点在し、町のどこを歩いても、両種の建物にぶち当たる。その古びれたコンクリートの造形物が立ち並ぶ光景は、良くも悪くも、昭和の香りを醸し出している。俺がその足立区を南北に走る東武伊勢崎線に乗り、竹の塚駅へ降り立ったのは4月上旬、平日の午前10時のことだ。駅東口から、寂れた商店街を歩くこと3分。目的の『R』竹の塚店にたどり着く。事前に調べたところ、地元のテレクラはここだけ。記事で紹介されていた店に間違いないだろう。
「いらっしゃいませ」
小汚いビルの2階にある店のドアを開けると、眠たげな店員が顔を向けた。バツと見はどこにでもあるテレクラ。3時間分の3千円を受付で支払う。鳴りはまずまずだった。入店2時間で7本、冷やかしはゼロ。かなりの良店のようだ。もっとも、人妻からのコールは2本だけで、いずれも値引きを申し出た途端、ガチャ切りされてしまった。足立区の奥さんたち、想像以上に手強い。コール無しの時間が続いた午後1時前、脈のありそうな女とつながった。バッイチ子持ちである。『どんな人探してんの?』『すぐ会える人がいい。いま竹の塚の駅前にいるんだけどホ別の2でどうかな?』
いや、ホ込みの1で。そう切り出したいところだが、またガチャ切りされちゃタマらない。ここは慎重にいこう。『ホ込み1、5でどう?』
『フロントに一戻して」「じゃ、1.7は?」『バカじゃないの』
結局こちらが押し切られ、ホ込み2で交渉成立。しやーない。5分後、店から徒歩1分のラブホ前に現れたのは、野沢直子がクシャミを我慢しているような顔面の持ち主だった。コロコロ肥え太った体に、真ピンクのジャケット。激萎えだ。ホテルに入り、野沢と共にバスルームヘ・服を脱いでいるそのとき、鼻腔が得体の知れぬ臭いをキャッチした。な、なんだ暇
「ごめん、足が臭いでしよ?アタシのスニーカー古いのよ」
オマエかよ-でも、古いのはスニーカーだけではない。ピンクのジャケットにも、スカートにもホッレやシミが目立つ。相当長く着込まなければこうはならない。あんた、いったいどんな生活を?
さりげなく聞けば、5年前にダンナと離婚して以来、西新井(足立区)の実家で、小6になる娘と実父との3人暮らし。週4日スーパーでレジを打つ傍ら、時々テレクラを利用しているという。午後2 時半、コンビニで昼食のサンドィッチと牛乳を買い込み、再びテレクラへ戻った。コールの方は
20、30分に一度のペースで鳴るものの、冷やかしや自称20代前半の女ばかり。
人妻からはなかなかかかってこない。
『ワリキリなんだけど』
4時、酒焼けのしわがれた声の女からコールがあった。自称31才。駅前の公衆電話にいるという。
『俺、人妻が好きなんだよね』『アタシ既婚者だよ。子供も2人いるし。会ぅ?』
『俺あんま持ち合わせなくて。ホ込み1、5でどう?』『わかった』
お、簡単に落ちたぞ。こりや、会ってからもう1回交渉の余地ありだな。待ち合わせのラブホ前に立っていたのは、こぎれいな服を着た女だった。細い足、適度にくびれた腰。顔もそこそこだし、隔たりも感じられない。いわゆるテレ上ってやつか。服を脱いでも、女の裸は見事だった。小振りな乳房はピンと上を向き、ヒップもウェストもキュッと引き締まっている。先ほど会った野沢と同じ種の生き物に思えない。もしかして足立区民じやないんじやない?
怪しんで聞いたところ、彼女、普段は地元. 足立区のスナックで働いているそぅだ。ダンナは小さな
塗装屋を経営しているものの、暮らし向きは決して楽ではない。が、だからといってヵツヵツでもないらしい。当然、生活保護は受けていない。
「テレクラは、ちょっとお小遣いが欲しくなったときに利用してるかな。といっても年に3 回くらいのもんだけど」
正常位でハメた後、女に自販機のローターをねだられた。自宅にあるのが壊れたので、新しいのが欲しいという。買ってやる代りにエンコー代をホ込み1で再交渉したところ、
「いいよ。また機会あったら遊ぼぅね」
通常のテレクラ企画なら間違いなく当たりだろう。だが、本ルポの実験材料としては、残念ながらハズレだ。
アタシん家で3Pしない?
原稿の都合上、最低あと1人は会いたいところだが、そろそろ夕飯の支度、ダンナの帰宅が始まる時間帯だ。運が良くても次のコールが最後。悪ければもう打ち止めである。
願ってもない電話を取ったのは、店に戻ってエンコー娘のコールを何本かかわした後のことだ。妙に声が暗い。『どんな人探しての?』『3Pでワリキリなんだけど』
思わず声を上げた。もう1人の相方も同じく29才。金額は2人で3.5欲しいという。もちろんホ別で、だ。
『29才ってことは、すでに結婚してる?』
「私はしてるけど、もう1人のコはまだ独身」
ビッグチャンスではある。が、ちょっと高くね?2人で2万でどうでしよ?
「は?金ないの?切るよ」「待った待った。でも本当に3万5千はキッイよ」
それは高い、いやそれは安いと交渉を続けた結果、2人でホ込み3で落ち着いた。で、待ち合わせはどこにする?「あのさ、アタシん家来ない?」「は?」
『だから、アタシん家で3Pしない?ラブホ代浮くし』
自宅は竹の塚駅から途中、ケータイで誘導してやるからすぐ出てこいと女は言う。もしかして、こいつら業者か?見ず知らずの、しかもテレクラで知り合った男を自宅に招き入れるなど、どう考えてもおかしい。怪しすぎだ。俺は相手の申し出を飲んだ。断ったところで、別の人妻のコールを取れる保障はない。行ったれ。夜の竹の塚は、まるで地方の小都市のようだ。足立区随一の繁華街とは名ばかり、ネオンは乏しく、街灯も少ない。そんな薄暗い町中を俺は右へ左へと歩き続けた。まだ見ぬ、未
知の極楽に想いを馳せれば、自然、口元も緩む。目の前に大きな駐車場が見えてきた。ここまで来たら、女へ電話することになっている。
『いま駐車場の前なんだけど』
『早かったね。あ、いるいる。右側見てみて』
言われるまま首を回すと、2階建のコーポが視界に飛び込んできた。角部屋の窓に、手を振る人影が見える。『わかったでしよ?ドアのカギ開けとくから上がってきて」8畳一間のワンルーム。その部屋の中央には空き缶や菓子パンのカラ袋がどっさり盛り上げられた小型テーブルがあり、それを挟むように2匹の奇怪な生物が鎮座ましましていた。「結構寒かつたでしょう。まあ、座りなよ」
あぐらをかいた鳩山がくいつとアゴをしやくる。どうやらテレクラで話した相手はコイッで、部屋の主でもあるらしい。こやつらが業者ではなく、ここが正真正銘他人の家だということは、床に散乱
している衣服やゴミ、そして、画用紙が壁に貼られていることからしても明らかだ。
小汚い冷蔵庫の上に、鳩山とハンサム男とのツーショット写真が飾ってある。誰だ?
「それ、アタシのダンナ。男前っしよ。無職のくせに」
え、これダンナ?ウソ?てか、こんなとこにいていいのか俺。ダンナが帰ってきたらヤバすぎじゃん。「平気、さっき電話あったから」
ここまで、沈黙を続けていたひろしがようやく口を開けた。
「あと2時間は帰ってこないよね、真美ちゃん」
「うん。ど-せまた酔っぱらってんだよ、あのバカ」
「2人はどういう関係なの?」「え、ファミレスのバイトで知り合ったんだけど」
バイト仲間がなんで3P仲間になるのかわからんが、すでにコンビ結成から1年。その間、ファミレスバイトを続けながら数十人のテレクラ野郎を家に招いたらしい。ぎこちない会話がしばらく続いた後、やおら鳩山とひろしが立ち上がった。セックスタイム。プレイはロフトで行うらしい。
まず鳩山、次にひろし、そして俺の順でハシゴを伝う。上りきるとへすでに2人は服を脱ぎ始めていた。無惨な光景だった。右のひろしは、Aカップの胸からジェリービーンズのような細長〜い乳首が飛び出ており、腕には無数のリストカット跡が。一方、左の鳩山は吹き出物だらけの三段腹、黒ずんだ乳輪を揺らしている。
さらに悲惨なのは鳩山のマンコだ。ヨーグルトのような白い恥垢が大量に顔を出し、アナルにはティッシュのカスがこびり付いているではないか。ありえん!とりあえず、ひろしにフェラをさせてみた。が、案の定、チンコその不潔な体、なんとかならんのか。萎えたまま一向に形状を変えようとしない。ムリだ。さすがの俺でも勃たん。と、ここで鳩山の携帯が鳴った。ダンナかららしい。もういいだろぅ。このまま帰
っちまおぅ。無言でジェスチャー送り、忌々しい現場を後にする俺の背中に、鳩山のバヵでかい声が響いた。いつ帰ってくんだょ。冷蔵畢のヤキソバ食っちまうぞ。
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