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友達の目を気にしないから・・・
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ネットで、金曜日夜8時からの新宿開催に申し込むと、業者から店の地図と参加人数のメールが届いた。男性9人に女性8人。いいバランスだ。当日、10分前に会場の居酒屋についた。細長いテーブル席がひとつあり、参加者17人が男女関係なく自由に座る形式らしい。まだ誰も来てないので、とりあえず端から2番目の席に着く。
開始時刻が近づくにつれ、続々と参加者がやってきて、俺の周囲もじょじょに埋まっていった。両隣は、藤木直人風の若者と、代半ばのハゲのおっさん。そして我ら3人の向かいに座る女性陣は、堂真理子アナ似(20代)、ガリガリさん(20代)、一青窈似(30代)の3人。自然とこの6人のメンバーで、テーブル隅っこ部門の合コンがスタートした。どことなく軽いノリの藤木が、会話をリードしていく。「みんな今回はどういうきっかけで参加したの〜?」俺もそれはちょっと知りたかった。男はともかく、女はどうしてディフェンダーのいないこんな危険な合コンなんぞにやってきたのか。最初に口を開いた堂真理子ちゃんは、休日は家にいるばかりだったので飲み相手が欲しく、今回1人で参加したとのこと。
続く2人も、まあ同じような理由だった。この東京には友達のいない女性がわりといるようだ。
たいして盛り上がらない6人での会話はすぐにほころび、それぞれ1対1でのトークへと移行した。元々、全員、知り合いが誰もいないのだからこうなるのは必然だ。口説く側としてはありがたい。 俺の狙いはやはり堂真理子ちゃんだ(便宜上、以降は真理子ちゃんと呼ぶ)。
「真理子ちゃん、モテるでしょ。男女問わず」
「えー全然!なんでそう思ったんですか?」
「そんなのスタイルいいし声かわいいからに決まってんじゃん」そこに、ハゲオヤジと話が噛み合わないのか、ガリガリさんが割り込んできた。
「うん、絶対モテそう〜!」あんたはいらないの!
普通の合コンならば調和を合わせて3人の会話にせざるをえないが、ここは無視して真理子ちゃんに集中する。
「真理子ちゃんって絶対2人で飲みに行ったら楽しいタイプだよね」
「そうそう!    私会社帰りとか飲みたいんけど全然飲めてないんですよ〜!    職場の飲み会、年に2回しかないし」
よしよし、真理子ちゃんもガリガリさんを無視してるぞ。一人参加はやっぱりいいなぁ。
会の終盤では我ら6人だけでな く、他のメンバーたちもみんな1 対1の会話に移行していた。合コ ンにありがちな1対2、2対2の ような組み合わせはどこにもない。
そろそろテレクラで鍛えたトークを武器に、本格的な口説きに入ろう。
真理子ちゃんがトイレに立ったのをすかさず追いかける。
「おっ、飲んでる〜?」
「うん、飲んでる飲んでる〜!」
「だよね〜ビールぐびぐびいってるもんね〜!」
肩をポンと叩いたついでに一歩近づく。口からかすかにアルコールの香りが漂う。
「今日は真理子ちゃんと出会えて良かったよ」「どういうことですか?」
「かわいいからに決まってんじゃん」
「またまた〜」
そのとき目の前を、あのハゲオッサンが通った。一瞬、こちらをチラ見して、無言で通り過ぎていく。
これまた一人合コンならではのシーンだ。普通だったら、「お前らなにしてんだよ〜」的なジャマが入る場面なのに。ありがたや。
「このあと2人で飲み直そうよ。もっと話したいからさ」
「じゃあその時の流れで〜!」うん、好反応だ。
会はいよいよ終了時刻となり、ドリンクのラストオーダーが終わったあたりでメンバーがポツポツと帰り出した。終わりの挨拶も一本締めもなく、いつ抜け出してもO Kなわけだ。そしたら真理子ちゃん、オレらも2人で飲み直しますかね。
「そろそろ出よっか」
「うん。あっ、コート取ってください」
その様子を見ていたガリガリさ んは、挨拶もせずに消えていった。しつこいようだが、これも1人合 コンならではだ。
普通の合コンでは、たいていブスリーダーが、
「ちょっと〜。このコは今日は私と帰るんだからね〜」
とか言って引っ張っていくものだけど、ガリガリさん、あなた他人だもんね、止めるわけがないよね。
真理子ちゃんと手を握り、洋風居酒屋に入った。席は隣り合わせだ。
「いやーホントに今日参加してよかったよ」
「うん、楽しかった〜」
テーブルの下で、すっと太もも を密着させる。…足が逃げない。 ならばそのまま腰に手を回して…。
「…」
彼女が黙った。展開が早い。うん、いけるシグナルだ。身体を引き寄  せてグラスを持ったままキスをす  る。あら、これも拒否らないし。
しばらくイチャイチャし、店員さんに写真なんぞを撮ってもらいながら、恋人気分で30分。ではペッティングも済んだことだしそろそろ行こうか。
「じゃあ出ようか」
「え、もう出るの?」
出ますとも。そして入れますとも。たまにはテレクラ嬢じゃない子とエッチしたいんだもん。
手をつなぎ、駅とは逆の方向のホテル街へ歩き出すと、真理子ちゃんが立ち止まった。
「えっどこ行くの?」
「うーん、ホテルとか」
「えーやだやだ!    帰るし」
「いや、大丈夫大丈夫」
「違う違う、明日早いんだって!」
「大丈夫だよ」
その場で5分ほど大丈夫攻撃を繰り出してみたが、彼女の強い意志は崩れなかった。
今回の一人合コン、結果だけ見れば失敗だけれど、システムは非常にオイシイと言えると思う。コミュニケーション能力に自信のある人はぜひ参加を。
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日を改め、続いて参加したのは1人参加限定の街コンだ。街コンは本来2人組で参加するのが基本なので、必ず最後の最後で、女を一人に「引きはがす」必要が生じる。しかしここは全員が最初から一人きり。ありがたいシステムだ。なお今回の街コン、開催店舗は一店のみ。スタートから終わりまで店内をぐるぐるして女と絡む流れになるだろう。会場である青山の瀟洒なイタリアンレストランでは、60人以上の男女がひしめき合っていた。年齢層は20代前半から40代越えのオバサンまで幅広い。司会者によって今日のシステムが説明された。最初は話す相手が決まっているが、一定の時間経過後は自由にそれぞれ話しかけて飲み食いしてくださいという流れだそうな。
「それでは、まずは向かい合った方同士でカンパイして下さい! それではカンパーイ!」
俺の向かいは、ロングの黒髪に少し地味目な茶色のカーディガン。背が小さいところも含めて全体的に好みの女性だ。図書館司書のようなカンジというか。
 「どうもこんにちは、鈴木です」
「あ、渡辺です」
「今日はどちらから?」
「大田区のほうです」
なんだろうこのカンジ、どっかで経験があるぞ。なんだっけ。そうだ、これってお見合いパーティと同じだ。街コンっていうより、アルコール付きのお見合いパーティみたいなもんか。
「街コンって参加したことあるの?」
「いや、興味はあるんですけど、一緒に行けるコがあんまり見つからなくて」
だから一人で来てみたと。街コンならテレビでもよくやってるしお気軽だろうと。でも実態はお見合いパーティ(のようなもの)だったと。
彼女、ぼんやりしてるし危なそうだなぁ。
再度司会者の声が聞こえてきた。
「それでは、これより移動タイムとなりますので、男性の方はご移動ねがいます」
お見合いパーティのフリータイムみたいにどんどんアタックしていけばいいわけだ。そういうことならお任せあれ。移動を開始してすぐに、明るめの服装をしたギャル風2人とおっさん1人が話す姿が目に入った。
「あれ?お2人さん友達?」
背の大きい方が答える。
「いや、いま友達になったんですよ〜」
「そうそう、ウチらたまたま住んでるとこが同じで〜」
背が小さい方が同意する。「こんな偶然あるの〜」みたいなカンジで。
ふーん、友達ね。そんなもの、 さっさと引きはがそうか。数分前 まであなたら他人だったわけだし。大きいギャルをおっさんに押しつけ、小さい方の袖を引っ張る。
「いま飲んでるの、どんなお酒?」
「これシャンディガフです」
「奇遇だね!同じの飲んでるじゃん!」
「え、それさっきビールって言ってませんでした?」
「違うよ、ほら。飲んでみな」ぐびぐび。
「ウソ!    これビールじゃん!」
「友達」のことなど気にもかけず、小さいギャルがオレと盛り上がる。引きはがしなんて楽勝中の楽勝だ。
何人もの女性とラインの交換を 繰り返すうちに、終了時間になっ てしまった。せっかくのアルコール入りお見合いパーティで、収穫が ラインだけではさみしすぎる。ど こかに酔った女はいないものか…。いたぞ。小柳ゆき似のあの子、 けっこう酔っ払ってるし。なのに 男たちは遠巻きに見てるだけだし。レッツゴー!
ゆきちゃんの腰に手をまわし、先ほどヤフーニュースで得た情報を元に提案する。
「一緒に楽天優勝のお祝いしようよ!」
「いいね〜!」
今日初めて話すのに反応良好!秒速でタクシーを止め、そのまま渋谷を目指す。
「いやー祝勝会だね〜!」
「うん、今日めっちゃ楽し〜!」手をつなぎながら入ったホテル街ど真ん中のダイニングバーでも、
彼女は終始ご機嫌で、オレの腰に手を回したまま赤ワインを2杯飲み干した。では、そろそろラブホで優勝パーティを始めますか!
店を出て、手をつないでホテルに向かう。
「言っとくけど、ラブホは行かないからね」
「まぁまぁ」
「えー行かないって」
「え、だって今日めっちゃ楽しくて一緒にいたいと思ってるんだけど、それっておかしい考え?」
「そんなことないけど…」
無言になった一瞬をとらえ、身体を引き寄せて、耳をペロペロと舐めあげる。ついでにセーターの中に手を入れて乳の感触も確認しておく。コリコリ。はい、おとなしくなりました。
ゆきちゃんの下着は、上下お揃いの派手ハデ水色だった。1人参加の街コンだけど、帰りは2人になるって覚悟してたのね。
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