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チャットツールと言えばLINEの独壇場だが、出会い系で使うならカカオトーク、という人はい。普段から使っているLINEで何かトラブルになったとき、プロフ写真や名前を変えたりIDを消したりするのは面倒だけど、カカオならいいか、と考えるんだろう。だからか、ネット上にはカカオトーク専用のID交換掲示板が大量に出てくる。俺の作戦は、「カカオ、既婚者」のキーワードで引っかかった掲示板に片っ端からプロフィールとIDを書き込み、ひたすら人妻たちからの連絡を待つというものだ。『大阪在住、42才の既婚者です。妻とはレスの状態が続いているけど、子供もいるし離婚する気はありません。でもたまには異性の方とドキドキしたい。もし同じように感じている方がいましたら連絡待っています。メールでお話しましょう』
 反応は多くても2カ月に1回ぐらいだろうか。『こんばんは。書き込み見ました。ウチもレスです』などと短いメールがカカオに飛んでくる。一旦メールのやり取りが始まると、しばらく相手の愚痴が続くのでそれに共感してあげれば、電話での会話を挟んでから、「会いましょう」という流れになる。恐らくだが、こちらの書いた『離婚する気がない』という一言が安心感を与えているんじゃないかと思う。
昼間のファミレスに行くと、暇そうな主婦グループがペチャクチャしゃべりながらランチしてる姿をよーく見かける。どうしたらあういう人妻たちとお近づきになれるんだ?
 うってつけのツールが「IRORI」だ。共通の趣味を持った者同士がオフ会をするためのアプリで、出会いやグルメ、アウトドア、アートなど各ジャンル毎に分けられた大量のグループの中から、自分の好きなものを選んで参加すればいいだけ。既存のグループに参加する方法と、自分がグループを作りオフ会を企画する2つの方法があるが、圧倒的に後者の方が人妻を落とせる確率は高い。
「平日ランチ」をキーワードにグループを作成してメンバーを募り、ある程度人数が集まったらオフ会を開てみよう。昼間のランチ会に来るメンバーは半数以上が主婦。主催者だけにメンバー全員と話すチャンスが作れるし、意気投合する女性も1人や2人は必ず現れるものだ。このサイトは文字どおり、露骨に不倫相手を探す主旨のものだ。男女ともに募集書き込みをしてメールを待ったり、めぼしい書き込みにアプローチする使いかたとなる。
 こんないかにもなサイト名だからか、とにかくライバルの数は多い。適当にプロフィールを書いて「秘密の関係になれる人を探してます」などと載せてもまず人妻から連絡はこない。そこでオレがあみだした“待ち”カキコミがこれだ。〈名古屋に住んでいる営業マンです。仕事の都合で週に1回ほど東京出張があります。素直になっていいますが、このサイトを覗いたのは恋愛がしたいと考えたからです。僕の東京出張の際に都合が合えば会っていただき、食事などを楽しめる精神的な恋人になっていただける人を探しています〉これをサイト内の関東地方に載せる。ポイントは地方の人間を装っていることだ。
 なぜか。オレの想像した人妻の心理だが、近場の人間と遊ぶよりは地方から来てる男のほうがより割り切った関係でいられると判断してくれるのだろう。もしかしたらそのぐらい離れていたほうが自制が効くとも思っているのかもしれない。このカキコミに変えて返信率はぐんとあがった。実際は都内に住んでるので適当に話を合わせつつ、2週間に1回会う不倫妻を2人抱えている。
オレが入ってる主な“昼オフ”コミュニティは上記だが、他にもミクシーのコミュニティ検索欄に『地域名+ランチ』と入力すれば各地域のものが出てくる。どれも昼間に会って食事して仲良くなりましょうってなものだ。そしてやはりというか、この手のオフ会にやってくるのは人妻が多い。たとえば前に行った『平日激安イタリアンランチオフ♪』は参加者が6人で、オレ以外5人が女性だ。それぞれ初対面同士の人妻だった。作戦としては単純なのだが、このコミュニティのオフ会になるべく参加して顔見知りになっていくことがセックスへの近道だといえる。3回参加したらほぼ間違いなく前に会ったことのある人妻がいるので、世間話をしながらなるべく彼女と接触を持つようにする。地域を聞いて、「ヨメさんのことでいろいろグチりたいからライン交換しようよ」と連絡先交換だ。
 ラインのやりとりを続けながら、2,3日後に「明日ヒマ? カラオケランチ付き合ってよ」と呼び出す。できればその場でお酒を飲ませたいが、断られてもそこは構わない。歌をうたう女のそばに座り、タッチを繰り返していくことで向こうもその気になってくるものだ。狙う女はできればダンナとうまくいってないみたいなコトを言うヤツのほうがいい。そういうのはほぼ間違いなくセックスレスなので、オレみたいなスケベ男のアプローチにころっと落ちてくれる。
カカオトークでのナンパの仕方

老舗の掲示板だけあって、人は多いが業者も多くまぎれている。
そんな忌まわしい連中を判別するには、募集文面をチェックするだけでいい。業者のヤツらは、ほぼ同じ募集文面を地域だけ変えて投稿していることが多いのだ。
〈仕事で東京に来てて遊べる人探してます☆〉
〈仕事で浜松に来てるから誰か遊ぼ~☆〉
 なんでこんなわかりやすいことをするのかさっぱりだが、もちろんこういうのは排除していく。まず自分の地域で女を探し、これはと思う子がいたら、今度は全国で検索。
似たような書き込みがなければ、迷わずコンタクトをとればいい。

他の募集アプリと少し違うのは、その名のとおり、モヤモヤしたときに相手を募集する体裁になっているところだ。そのコンセプトに忠実な子たちは、こんな
感じで募集している。
〈彼氏とケンカした~もうイヤ〉
なんとわかりやすいチャンスか。そういう子にアプローチして、相談に乗るスタンスからはじめるのがいい。
〈どうした? 話聞くよ?〉〈カレシが超ジコチューでさぁ〉
〈わかるわー。大変だよね、そういう人と付き合ってると〉
しばらく話を聞き、カカオ通話に誘う。初日は電話友達みたいな感じで終わるけど、数日続けて電話すれば、なんとか会えるでしょう。

カネがないのか、メシ友募集とか、カラオケ行ける人、みたいにリアルで会える男を探してるのが多い。俺のやり方はシンプルだけど、そういう子たちに一斉にアプローチをする。今どのへんにいるのかを確認して、「俺もちょうど近くにいるからすぐ向かえる!」とつなげて。本当に近くにいなくてもそう言ってしまえばいい。一度アポの約束さえとれてしまえば、時間が多少前後しても適当に言い訳をすればいいのだから。
女〈いま横浜駅近くのマンキツにいるよぉ〉
俺〈マジか! オレは関内だからすぐ向かうわ!〉
 本当は川崎にいたとしても、これでいい。
夜中に「誰か電話しよ~」などの募集が増える。本当にヒマな女だ。募集したての女全員に「オレもヒマだから語るべ」と送信し、繋がった子と適当な話をする。夜食を買いに行くけど何がいいかや、テレビに出てるつまらない芸人の話題など、まさにヒマつぶしだ。で、さてそろそろ寝るかってときにこうお願いするといい。「明日の朝はやいからさ、○○が起きたときに(カカオ)電話で起こしてよ」これで電話をしてくれば、女との仲は深まる。目覚まし電話のときにアポをとり、その日のうちに会ってヤレたこともある。誰であれ、まず最初の数回のやりとりまではできるだろう。
〈こんにちは〉〈どうも〉〈初めまして〉〈はい〉
問題はそこからだ。というよりも、この会話自体も問題だ。世の男性は、カカオ(ライン)独特の、意味のない会話がなかなかできない。どうしても、ごく普通の会話をしてしまう。これではアポなどとても無理だ。
〈○○ちゃんは彼氏とかいるの?〉〈えーいないよぉ〉
〈へえ、意外だな、そんなにカワイイのに〉
 こんなのはダメ。普通の会話でしかない。
 断言しよう。カカオやラインに生息する女は、杓子定規なやりとりを求めていない。あくまで男とのチャットはヒマつぶしのひとつであっ
て、なんならヒマな私を楽しませてみろ、くらいの姿勢なのだ。
 カカオ強者は、ほぼ例外なく、
『突拍子のないことを言う、つかみどころのない男』キャラを使っている。例えるならネプチューンのホリケンのような。
 以下は、某氏がアポに成功した際の会話ログの一部だ。
〈ねーねー○○(名前)~、カレシ的なヤツとかいたりいなかったりするの??〉
〈ブビョー!〉
〈どうしたwww〉
〈それ本当ブビョーだね! ビビるわマジで~〉
 雰囲気は伝わるだろう。テンションだけを高く維持した、無意味な会話だ。
 以下、また別のログから抜粋を。
〈この缶コーヒーめちゃウマ。死ねる~〉(写メと一緒に)
〈Mステで板野出てるけどアゴ整形したっぽいな〉(同上)
〈ウチのトイレットペーパー最強。ニオイも質感も最強! 押忍!!〉(同上)
脈絡なく、目に入ったものをすべて写メり、話題に取り入れていく。写真やツッコミ甲斐のある短文には、女も反応を返しやすい。イマドキの女たちはそういうコミュニケーションのとり方に違和感を感じない。軽く軽く、とにかく軽く。大切なのは「何をしゃべっているか」ではなく、「2人がしゃべり続けているという事実」なのだ。しばらく会話が進めば〈いまオレ1人酒ちう。○○は?〉
〈いまからベッドいく。○○はどうしてる?〉
など、自分はこれをしてるけどキミは? という、恋人同士が使うような文も距離を縮めるために有効だ。女の名前は呼び捨てが基本だ。そして会話の合間に(話題がなくなったときでもいい)以下のような文章をバンバン放りこんでいく。
〈うわ~、○○の雰囲気カワイイ。抱きしめたいわー〉
〈チューしよ、チュー〉〈オレの隣、空いてるけど?〉
 好意を持ってることをチャラく伝える。またもログから。
〈やべ、○○とチューしたくなってきたー、ヤバババ〉
〈いきなり何だww〉
〈ドキドキが止まらん…。ちょっとトイレで抜いてくる!! 〉
〈やめろww〉
〈じゃあ明日、横浜に1時ね。責任とってくれぃ〉
〈明日はムリっしょ~〉
 一見バカバカしいが、チャラい中にも会うことを匂わせている秀逸な流れだ。
 わかっただろうか。カカオトークでのナンパの際は、我々はいつも心の中にホリケンを飼っておかねばならないのだ。

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