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80超えで愛人4人の生涯現役エロじいさん
歳を取れば人間、いい感じで枯れてきて、いわゆる余生って段階に突入するというイメージがある。しかし、あくまでそれはイメージにすぎないのでは。
強烈な欲望を持つ人間は、年老いてもなお、心にギラギラしたものを秘めているのではないか。
今回から始まる当連載は、そんな元気なスケベじいさんを探しだし話を聞くのが主旨である。

さて、ここにひとりの老人がいる。安田義章。
性風俗研究家として膨大な浮世絵コレクションを持ち、その世界では知る人ぞ知る人物だ。しかし、ぼくが聞きたいのはもうひとつの顔である、今なお愛人を数人を持ち、頼まれればAVにも出演するエ口じじいとしての安田さんだ。

秘蔵ビデオの通販などでその存在を知ってはいたが、本当に現役なのか。だとしたら、いったい何が男をそこまで駆り立てるのか。
聞きたい。その生きざま、経験、心境をつぶさに聞いてみたい。
珍しく東京に雪が積もった日、ぼくと担当オガタは約束の時間に遅れて駅からタクシーで安田邸に向かった。周囲はたんぼだらけ。典型的な田舎の風景だ。

家に上がるとすでにお茶と羊葵が用意されている。すすめられるままコタツに足を突っ込み、簡単に主旨を説明する。親戚の家に遊びにきたような、などんだ雰囲気のなか、もじもじしているぼくにジレたように安田さんが口火を切った。
○え-と、そこにビデオをセットして。すぐ見れますから。見たほうが早いから。わかるでしよ、ビデオ差し込んで、そうそうそう。
(オガタがビデオを再生。画面に中生,女性と男の絡みシーンが映し出される)
●これ、安田さんですか?
○そうそう私。
オガタ若いですね、足とかの筋肉が。
ところで、さきほどお宅に電話したとき出られた女性の方なんですが。

女房です。
私、3人目なんですよ。最初の玄房とは昭和に結婚したんだけど、次女を産んでから死にましてね。2番目は、これおもしろい話なんですが、信州の温泉で旅館をやってる知り合いがいまして、これの姪っこがれ、ひとりでいるもんだから「どうだ」って言われて。
でも、金はあるし、なんか事情があるだろうと聞いたら「あるよ」と。足が悪いんだと。でもまあこっちもいろんな意味で不自由な時期でしたからね、会いに行ったんですよ。で、もらうことになりましてね。
それはいつ?
女房が5月に死んで、その年の。それで結婚して水上温泉ですか、行ったんですよ。ところが、(人差し指を突き出し)これが入らない。子供のときに事故で足をやられて、骨盤までいっちゃったらしいんですね。まあそれは気の毒だけれど、指が入らないようでは。
3人目は?
○翌年。私、なんか、よく道楽者だと言われるけど違うんですよ。
最初が死別でしよ。つぎが指入らない。それでいまの女房とその後ずっとでしょう。
個人的にはバカやってますけど、家庭的には問題起こしてないから。
●ハハハハ。
○それ、大事じゃないですか。外ではいろいろやるけど、家庭は家庭でね、しっかりしないと。鰯分けて考えるということですか。
○(問いを無視し)一昨年ですか、胆石で入院しましてね私。
で、いまつきあってる女性が病院まで見舞いにきてくれたんですよ。そのとき6人部屋の一番奥のベッドだったんだけど、乗つかってきましたよ、ハハハ。
○好きでね。だいたい入れたまま2時間ぐらいはやってるからね。
●え、病院でそんなに。
○ホテルですよ。それがこのビデオ。
奥さん公認なんですか?
○(キッパリと)とんでもない。したら大変ですよ。だって、ビデオが家にゴロゴロしてたらわかるんじや…。
○いや、これは見せてないの。女は機械に弱いから自分ではまず見ないです。
それはどうかなあ。
○カメラは固定でね。これは去年の年末に撮ったやつ。色が統麗でしょ
自分で撮ったビデオは何本あるんですか。
○声の録音テープはいっぱいあるけどね。ビデオはね、そりゃ女の人は嫌がりますよ。でも、そこは押しの一手でいけばね。

しかしいったい、どこで女性と知り合われるんですか
○それはちょっと。いろいろあるんで。
教えてくださいよ
○この女性とは2年そこそこですが、回数で122回いってます。
●ハハ回数まできっちり。
○私じゃない。相手の手帳に書いてあるっていうんだよね。
おいくつの方でしょう。
○45、かな。今日も会えないかって電話かかってきたんですよ。
あ、123回目の。それは失礼しました。
○いやいや、はは。飽きるからね、それでカメラまわすんですよ。
どれくらいのペースで会われてるんですか。
○週に1回。あと、ほかにもつきあっている人がいるんでね。いまは3人。
3人
○あとのは時々だから。疲れるときもありますよ。あなたなんか若いからいくらでもだるみけど。
私はだいたいホテルに行くと6時間ぐらいはいますよ。そのうち2時間は挿入してますね。会うときはどっかの大きなスーパーの駐車場で待ち合わせして。誰が見てるかわからないからね、気を使います。
あとの2名は、おいくつぐらいなんでしょう。
○50代ですね。ひとりはもう15年になるかな。私はつきあいが長いから。宝石関係の商売をしている
人の奥さんでね。暮れにほら、やる予定だったんだけど向こうの都合で会えなくなって。

う〜ん、やっぱり知り合うきっかけが聞きたいですねえ。
○わからない?そんなことないでしょう。この女と寝たいという気持ちがあれば相手の気持ちも察しがつくでしょう。そうしたらバンかけてね。
●バンかけ?
○そりゃときには、あまり知らない人でもバンかけするってことはあるけども、相手を見ていればだいたい外さないですよ。
●バンかけってのは、つまりナンパですね。
○ナンパというより、なんていうか、口説くわけだよ。そうすれば、たいていまとまるね。まとまるって、どんなふうにですか。キメ言葉とかありますか。
○私ら年寄りだから遠回しな言い方はしないですよ。「不自由してるんじゃないの」とかね。未亡人なんか不自由してるのがあたりまえだから。それで失敗したこと1回もないね。いまもひとり目を付けてるのがいますよ。私の場合、だいたいこういう人だって相手がうわさを聞いてることが多いから、口説くまでもないことも多いですけどね。あと3Pとか乱交とか誘われることが多いもんでね。あ、ちょっと待っててください。
(席を立ちビデオを取りに行く。引き返すとオガタにパッケージを渡し、再生を指示)
○これ、レズやってみたいって友だちの奥さんがいうもんだから、私の彼女を連れて京都まで行って撮ってきたんです。レズやってるうちに引き込まれちゃってね。
というと、この男性は?
○私。撮影しているのが神主さん。
●こういうことは昔からやってるんですか。
○いや、頼まれて好奇心でやるだけであまり好きなほうでは。昭和年代ですか、新幹線が開通して間もない頃は、名古屋でトイレの盗撮をさんざんやりましたけどね。3千枚以上の写真を撮ったですよ。
(小学卒業後に丁稚でいった文房具屋の奥さんのトイレ音を聞いてたまらなく興奮したという伏線
があるらしい)

それ、犯罪つすよ
○(感慨深げに)シャッタースピード秒でね。じっとしているから簡単だと思ワだろうけど、けつこう尻が動くもんですよ。あの撮影はむずかしい。金もかかったね。家の1軒は建つくらい。

いきなりのビデオ鑑賞で幕開けた安田さんとの会話、少なくても週1ペースでホテルに行くタフネスぶり、好きモノぶりに唖然である。しかも、いまつきあっている女性が4人もいながら家庭は平和だという。見事だ。
不思議なのは、相手が若いこと。失礼ながら、ふつうなら、高齢の安田さんをセックスの対象だとは考えないのではないか。なぜ、そんなにうまく行くのか。何かコツがありそうだ。そう思ったぼくの
質問は、自然とそっちの方向に集中したのだが、安田さんの答は
「そんなもの、相手の態度で可能性があるかどうかわかる」とニベもない。どうやら理屈で説明できるものではないようだ。
だいいち、ぼくはまだ、なぜこの人が並外れた性への欲望を持つに至ったかについて何も知らない。
そこらの老人と、どこがどう違うのかを知るには、長い人生を振り返る必要があるだろう。

童貞を失ったのはいつですか?
○それはね、そう、童貞とかいうのをどう考えるかで違ってくるんだけれども。いちおう18才のころ
に経験はあるけれど、18のときってのはなんとなくオモチャにされたようなもんでね。自分の意思で
したとなると20才のときです。

え、オモチャというのはどういうことですか。
○それは工場で働いていて、8時間交代制でしょ当時。その合間に年上の女性にイタズラみたいなこ
とされたとか、そういうもんでね。
自分の意志とは関係がないわけです。で、その後、軍隊に行横浜の工場で働いていたときにケンカをしましてね。止めに入った現場の女班長が、私の家に来ないかというので行って、2泊3日。
自分はご亭主が兵隊に行って寂しかったんだと思うけど、とことん、全然ヒマなくやられたですね。
オガタハハハ、ヒマなく。年上にモテるタイプだったんですかね。
○さあ、それはわからない。写真持ってきましょうか。
●(写真を見ながら)美青年ですよ、モテそうだ。
○私は奥手だと思いますよ。自分から積極的にやりだしたのは所帯を持ってからです。

赤線とかは?
○(やや憤慨して)あれ、嫌い。気持ちのつながりがないからね。
私はずっとそうです。ただやるだけのセックスは味気なくてね。そういうところへは一度もいつたこ
とないですよ。私を単なるエロじじいだと思う人がいますが、それは非常に心外なことでね、そうい
う誤解だけはしてもらいたくないですね。

はあ。わかりました。
○で、本郷の軍隊に入隊して旭川で訓練を受け、すぐに中国に行ったんです。女つけは全然なかった。
みんなは従箪慰安婦の世話になったりしていたけど、さっきも話したとおり、ああいうのは嫌だからいかなかった。

かなり強い意思がないとできないでしょうね、それは。ぼくだったら少々嫌でも行ってしまいそうです。
○でもね、順番待ちしてひとりⅧ分かそこらで、乗つかって、出すだけですよ。とてもじゃないけど、私はそんな気にならなかったです。鋤すでに確固たるポリシーがあったんですね。となると、つぎの女性は。
○負傷しましてね。ですか、手柵弾でやられて、左肩の肉をもがれてしまって、天津の陸軍病院に入院したんですよ。そこの陸軍看護婦と…

え、負傷で入院した先の看護婦ですか。
○若いときはガマンがきかないからね。触られるとすぐに…。
ちよ、ちょっとすいません。不思議だなあ、なぜ触られるんです?
○それは、便を取るときなんかあそこが大きくなってしまったりするんですよ。すると看護婦が、全
員ってわけじゃないけど、あそこを触って手で処理してくれたりするんです。
●いくらなんでも、それは…
○いや、あります。こっそりだけど、この子は可哀想だと心が動けばそれはね。
●でもそれは安田さんだけではないと。あくまでサービスであると。なのに、安田さんはその先までいっちゃつたってことですね。
○(他人事のように)好きモノなんだろうねえ。Nさんていって30才になるかならないか。
●いやいや、それは全然レベルが違う話ですよね。安田さん、バンかけ、したでしよ?
○なんか言ったんでしょうねえ。
覚えてませんそれは。
やっぱり才能なのかなぁ。そんなことが簡単にできるとはどうしても思えないですよ。
○そんなことないよ。けつこう、やってるのいたよ。だって、近くなって軍の病院にいて男に囲まれてれば、そういうことにもなる。
●バレたら大変なことじゃないですか。
○そう。だからトイレ入ってやってたんだよ。いまみたいなトイレじゃないから(身ぶりを交え説明
に入る)。こう、入ってくでしよ。そうすっと、こっちに(個室が)
並んでて、あっちが一段低くなってる。で、こっちに入って便器のところに私が腰掛けて、女が乗る
んです。ズロース脱げばいいんだから、すぐにできる。
●いつ誰が入ってくるかわからない。けど、そこまでしてもやりたかった、と。
○…うん。

ぼくには想像もできない体験を積み、安田さんは帰国する。アメリカと開戦する直前のことだ。
肩が悪いため、以後は戦地に行くことなく終戦。世の中には平和が戻り、いつの間にか安田さんの好色魂には火がついていた。
本人はそのことと戦争は関係がないと言うが、「工場の班長との2泊3日」「看護婦との密会」で会得した男女のあうんの呼吸は、以後の人生に少なからぬ影響を及ぼしていると思う。あくまで想像
だが、それは〃人妻は落ちる″という手応えではないだろうか。

そしてそれは戦後、ますます強くなってゆく。安田さんは実家の稼業である家具屋を継ぐことになるのだが、同時江昭和を代表する性科学者と知り合うのである。知人を通じてではあったとしても、稼業そっちのけで高橋邸に通いつめたというから、きっちりハマッたのだろう。これで、人生の方向がガチッと決まった。
戦時中から写真に凝っていた安田さんは専属カメラマンのようなかたちでセックス資料の撮影をしていたのだが、余録もたっぷりあった。性の相談にくる女性たちには手を出さなかったため、そばにいた安田さんはモテモテだったのだ。勝手に女性がアプローチしてくる状況。恵まれているよなあ。
こうして人妻たちとの性の遍歴を重ね、やがてライフワークともいうべき江戸浮世絵の研究に足を
踏み入れることになる。以後、数十年。浮世絵については思い残すことがないと語る安田氏は人妻た
ちとのつきあい、AV出演などに生きがいを見出し若く見える。

○高橋さんから紹介されたなかには、女子大の先生もいましたよ。あるときに私がいたずらで教室に忍び込んで、教壇の机のところに隠れていたんですよ。そうしたら授業が始まってね、触りたい放題
やってたら、生徒がいなくなってから、「これ以上触られると滝になります」って。うまいこと言いましたね。
確かに。
○モメごともありました。四万温泉で置屋をやってるところの娘とできちゃって、朝一番の汽車で通い詰めるほどだったんだけど、その娘にほれたテキ屋の親分がでてきましてね。
どうなったんですか。
○会ってきちんと話しましたよ。
私の方が長いつきあいだが、私は家庭もあるし、結婚はできないので、彼女がいいというなら別れますと筋を通しました。そしたら相手は「わかった、それでも結婚する」と。その親分とはいまも付き
合いがありますよ。

なかなか腹が据わってますね。
○私は逃げませんから。でも、その娘には産ませてますけど。私、子供ふたり産ませてるんだよね、
外に。

何人になりましょう。
○……最初の家内が2人、いまのが3人だから、7人か。
それでも、あくなき探求は続くんですねせん
教えられたことは「ホレても追いかけるな」、「(秘密を握っても)金をゆするな」「性病に気をつけろ」ということです。
好きなことを追求したい、でも家庭を壊したくはない。ね、これを両立させるためには絶対に必要なことですよ。
至言です。
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