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時代の波に押されて確実に厳しさを増しているテレクラ

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あいかわらず駅前には、10年前で時間が止まったかのようにギャル男やギャルがドヤ顔で歩いているが、テレクラの置かれた状況は、時代の波に押されて確実に厳しさを増している。でも負けるなよ、がんばれテレクラ!
…と、これだけエールを送ったんだから、今日くらいはマトモな女を差し向けてほしいところだけど、テレクラちゃんは厳しいお人だからなあ。どうなることやら。
「だぁら、わりいれえあいない?」
入店して15分、エロDVDをぼんやり眺めていたところで、不意にコールが鳴った。
「わりいれえあいない?」
 意味不明のことばが飛んでくる。なんだ?
「え、何ですか?」
「だぁら、わりいれえあいない?」
「あの、ちょっと聞き取りにくいんですけど。すいませんが、ゆっくり話してもらえます?」
「だぁら、わーりーいーりえーあーえーなーい?」
 凄まじい滑舌の悪さだが、もしかして「ワリキリで会えない?」って言ってるのか?
「ワリキリですか? はいはい、大丈夫ですよ」
「はは、いーねー。じゃ、いちごーれんてーあけどいい?」「はい?」
「だぁら、いちごーれんてーあけどいいかって!」
 滑舌が悪いだけでなくしゃべるスピードもかなり早い。ちょっとハードル高すぎないか?
「すいません。もう少しゆっくりでお願いします」
「んもう! だぁら、いちごーじぇんていらけどいいか、とぅってんの!」
 ふむ、今度はなんとなくわかったぞ。「だから、イチゴー前提だけどいいかっつってんの!」だな。
「イチゴーで大丈夫ですよ。ちなみにいまどちらにいます?」
「ちばき!」
「えっとー、千葉駅ですか?」
「うん」
この後、通常の3倍ほどの時間をかけて聞き出したところによると、彼女は
38才の既婚者で、体形はやせ形、顔は榎本加奈子似だという。
意思疎通はかなり困難なものの、彼女の申告が本当ならアタリと言っていいのでは?
「じゃあ、待ち合わせは15分後に駅前の交番にしましょうか」
「うん。そっいのうくそうはどんなお?」
3回ほど言い直させて、ようやく、俺の服装がどういうものか尋ねていることがわかった。
「黒の長袖シャツに白の帽子かぶってます」
「おっひー。わぁしは、しろんあーじあんとますふだはら」
 最初の「オッケー。私は…」から以下の部分は解読できなかったが、こっちの服装は伝えてあるし、とりあえず待ち合わせ場所に行けば何とかなるだろう。にしても、ずっとこの調子じゃ先が思いやられるなぁ。
リアルに舌足らずだとは
 交番前で待つことしばし、向こうの方から茶髪のマスク女が近づいてきた。白いカーディガンを羽織っている。あれか?
 こちらから声をかけてみる。
「あのー、待ち合わせの…?」
「そうえす」
 うん、間違いない。この人だ。あらためて彼女の容姿をチェックしてみた。顔の下半分がマスクで隠れているため断言はできないが、パッチリした目元だけ見ればブスという印象はない。榎本加奈子は言い過ぎにしても、まあまあいいんじゃね?
 懸念すべきはむしろ、滑舌の悪さにもかかわらず、平気で早口で話したり、マスクをつけてくる彼女の了見だ。電話の段階でもどこか短気なところが見え隠れしていたし、キャラクターに難がある可能性は十分ある。まだまだ油断は禁物だ。
 ふと彼女が声を発した。
「わぁし、おのえんわらんない。ほえる、しっえる?」
 最後のくだりはなんとなく「ホテル知ってる?」と聞き取れた。てことは前半部分はたぶん、「私、この辺わかんない」だろう。
「俺、ホテルの場所知ってますよ。行きましょうか」
 過去にもこの連載で千葉に来たことはあるので、ホテル街の方向は記憶に残っている。俺が先導する形で歩き出した矢先、うしろにいた彼女が謎の音声を出した。
「ふあ、はう〜〜」
 なんて言ったんだ? まったく聞き取れなかったんだけど。
「え、何ですか? もう1回言ってもらえます?」
「はあ? あうび、しららえ!」
 アクビしただけ? くそ、なんてまぎらわしいんだ!いや、というかこの人、そもそもなんでこんなしゃべり方なんだろう。いつもこんな調子なら、日常生活もかなり不便だろうに。
「あの、ちょっと聞いてもいいです? なんていうか、かなり滑舌が悪いように思うんですけど、いつもそうなんですか?」
 失礼を承知で尋ねる。彼女はうつむいて、ポツリと答えた。
「むはひ、だんえ、しらをはんふんいったお」
 耳に神経を集中させたところ、むかしガンで舌を半分切ったの、と理解できた。まさか、リアルな意味で舌足らずだったとは…。
物心つく前に両親に捨てられて…
 病気の話題で暗くなるのかと思いきや、ホテルで約束のイチゴーを支払うと、舌足らずさんは機嫌よく「う〜う〜」と鼻歌を唄いながらマスクを取った。全貌が明らかになった顔の評価は60点。テレクラ女にしては、やはりマシな部類かと思われる。
 ソファに腰かけた彼女がおもむろにスマホを取り出した。俺のことなどそっちのけでゲームを始めている。このタイミングでこの行動。なかなかの自由人のようだ。
 ゲームに熱中する背中に声をかける。
「そういや結婚してるって話ですけど、主婦なんですか」
「いあ、しろのしれうよ(いや、仕事してるよ)」
「へえ、ちなみにどんな?」
「おうようえーだお(工場系だよ)」
 なるほど、接客業でないのなら、この滑舌の悪さでもさほど支障はないのかも。
 バンバン会話をしてもこちらが疲れるだけなので、しばらく放置しておいたのだが、舌足らずさんは一向にゲームを止めようとしない。いい加減、じれてきた。
「あの、そろそろシャワーに入りませんか?」彼女がスマホ画面から視線を上げた。
「わぁしのいんせえ、あわっえうのよね」
「え?」
 だいぶ彼女の言葉はわかりかけてきたつもりだったが、少しでも気を抜くと途端に理解できなくなる。
「だぁら、わぁしのいんせえ、あわっえうお!」
 私の人生、変わってるの、と言ったらしい。
「わぁし、こいらっらお(私、孤児だったの)」
 何でも物心つく前に実の両親に捨てられたらしく、施設にいた16才のとき、養子縁組をした中年夫婦にもらわれたのだという。
「れお、あんえんあしえ、いふにひゃうまんのしゃっりいんせうわさえれえ、にえらえたお(でも何年かして、義父に100万の借金背負わされて逃げられたの)」
 高校卒業後、舌足らずさんはいくつもバイトをかけもちし、数年後、なんとか借金を完済したものの、義理の両親とはいまだに音信不通のままだそうな。
「えも、うらんえはないえおね
(でも恨んではないけどね)」
 舌ガンの件といい、たしかに壮絶な人生ではある。ところで、彼女の生い立ちを理解するために、ここまですでに30分以上の時間を費やしている。マジでいい加減、プレイを始めたいんだけど…。
「そろそろシャワーしません?」
「うん」
 しかし、ゲームを止める様子はまったくない。5分後、ふたたび促してみた。
「ね、もういいでしょ? シャワーしません?」
ようやく舌足らずさんが立ち上がった。後頭部をポリポリと掻きながらふて腐れたように言う。
「わあっらよ、ううれえなー(わかったよ、うるさいなあ)」あれ? 何か感じ悪くなってない?なんで俺のせいになってんの?
 浴室の入口付近で舌足らずさんが服を脱ぎはじめた。38才という歳相応の皮膚のたるみはあるものの、小ぶりの乳にはまだハリがあり、腹もぜんぜん出ていない。抱き心地は悪くなさそうだ。胸に手を伸ばす。
「形のいいオッパイだね」
 ひと揉みふた揉みしたところで、手をふり払われた。
「やめえ(やめて)」
 もしかしてなんか怒ってる?浴室に入っても彼女は無言のままシャワーを浴び、俺を残してさっさと出ていってしまった。部屋に戻った。彼女はベッドの上で裸のままスマホゲームをしている。だからなんでこのタイミングでゲームするんだよ。
「そろそろやろうよ。フェラしてもらっていい?」
 返ってきたのは露骨なため息とやる気のないセリフだ。
「はあ、しょうらいー(はあ、超ダリー)」
 ふてくされた様子でフェラを始めたものの(ちなみに、舌が半分でもフェラの感触はしっかりとあった)、こんな雰囲気では勃つものも勃たない。さすがにカチンときた。
「なんか怒ってます?」
「えふに(別に)」
「でも、ホテルに入ってから急に態度変わりましたよね」
「だぁらえふにおろっえらいひ
(だから別に怒ってないし)」
「いやいや、完全に怒ってるでしょそれ」
 フェラを中断し、舌足らずさんがこちらを見た。
「あんらうはいのあないいららあうふいなっえ(なんか昔の話したらウツになって)」
 悲しい生い立ちを俺に語ったことで陰鬱な気分になり、やる気がなくなったらしい。てか、ちょっと待ってくれ。生い立ちの話は、そっちが勝手に言いだしたことなんですけど。なのに、なんで俺のせいみたいになってんの?
「ははは、やはい、そのらお!」
 もうフェラはあきらめた。AVを観ながら自分で勃起させ、8分勃ちになったところで、いそいそとゴムをつけて挿入する。
 しかし、彼女のアソコは珍しいほどのユルマンだった。必死に腰を動かせど、エアーセックスしてるような案配で、チンコは少しも気持ちよくならない。
 加えて、ウンともスンとも言わないマグロっぷり。もうこうなると中折れは必至で、やがて縮こまったチンコがポロリと膣からぬけ落ちる感覚が。何が何でも射精したかった俺は、提案した。
「あの、マンコを見せてもらっていいすかね?」
「は?」
「いや、実は俺、セックスじゃイケないタチでさ。いつも最後はマンコをオカズにしながら自分でシコってんだよね」
 この期におよんでも、正直にユルマンだから中折れしたとは言えない、自分の小心ぶりが情けない限りだ。仰向けの態勢で、シラケた表情の舌足らずさんが足を開いた。その間に正座し、のぞき込むように顔をマンコに近づける。
 そのままシコシコやりだすと、笑い声があがった。
「ははは、ない、そのらお。ばらみらい(ナニ、その顔。バカみたい)。ははは」
 マンコを凝視してオナる俺の顔がよほどおかしいらしい。無視して右手のピストン運動を続けるも、笑い声は止まない。
「はは、やはいっえ、そのらお(ヤバいって、その顔)」
 ああ、結構クリトリスでかいな。やらしい〜。
「くくく、そのらおっ。ははは」
 ビラビラもいいねえ。
「はは、らお! やはい! あっはっはっ」
 彼女に笑顔が戻ったのは何よりだが、「そのらお」という妙な音感の言葉を繰り返し耳にするうち、せっかく膨らみかけたチンコは、また徐々に固さを失っていくのであった。

【概略・全文は上記記事をお読みください】

どうやったら簡単に女と出会えるのか。その難問を解く公式を編み出すべくスタートしたが、第3回目にして、早くも読者から厳しい意見が寄せられている。

まずは、ー回目の「占い好きの女」にしても2回目の「ハローワークの女」にしても、それぞれにキッカケ作りは違うにしろ、声をかけた後は、お茶→食事→力ラオケ→ホテルというまさにワンパターンに終始しており、なんの工夫もねーじゃねえか、という指摘である。うーん。言われてみれば実際の通りなのだが、キッカケ作りこそがナンパの最重要ポイントであるからにして僕のやり方は必ずしも……ヤメとこう。あまりに言い訳じみて、書いててムナしくなってきた。

もうーつの意見はさらに手巌しい。策を労してる割に実際は簡単にヤレてねーじゃね、えか、というものだ。毎回、食事だカラオケだと金をかけるぐらいなら、風俗に行った方が早いとまで言われてしまった。クソー、悔しくて返すことばも見つかりない。わかったよ、ヤッてやるよ。いとも簡単に落としてやろうじゃねえか。というわけで、今回、僕が選んだテーマは「テレクラ」である。

今さらテレクラとはまた読者のため息が聞こえてきそうだ。もちろん、テレクラというだけで簡単にヤルという公式が成り立つと思ってない。が、そこに『日曜の夜は寂しい』というキーワードを加味したらどうだろう。いわゆる世間で言うところの"サザエさん症候群"というヤツですな。OLや学生などが

「あーあ、明日かり仕事・学校だ・・」

などと一番憂欝になるのが日曜の夜だそうだ。そんなときついつい寂しくてテレクラにかけてしまう…というのはー人暮らしの女性にありがちな心理ではないだろうか。さらに、男側の立場からいえば、日曜の夜は客が少ないから電話も取り放題であろう、という読みも成り立つ。翌日に仕事を控えた人間が日曜の夜にのこのこテレクラにやって来るわけがないことは火を見るより明らかだ。このニつをもってすれば、楽勝なはずだ。
コンビニで買った菓子パンとコーヒー牛乳で腹を満たし、まるで飢えた狼のように集中してコールを待つ。入店10分。ー本目のコール。

「もしもし、こんはんわ」周囲のざわめき、公衆コールだ。

「2万円は欲しいんだけど」

まあ、そんなところだろう。ん、待てよ。とりあえず行って、顔だけでも見てくるか。イイ女で写真も撮らせてくれるなら損な取引じゃない。しかし、待ち合わせの横浜銀行前に立っていたのは、時代遅れのコートに身を包んだ小太りでフサイクな女だった。

オマエが2万円だとー家に鏡はあるのか鏡はー怒りを通り越してもはや吐き気さえ覚える。まったくテメーなんぞ、寒空の下で凍えろ。

惨めな気分で店に戻り、2本目のコールを取ったのが深夜2時。またしても公衆コールだ。もしかして、さっきと同じ女か。慎重に声や話ぶりを聞き分け、別人物であることを確認した後、まずは聞いてみる。

「もしかして、援助?」「えーチガウよ」女は自称、服飾メーカー勤務の25歳、どこか怪しい匂いもするが、アポらずに済ませられる余裕などあるワケもなし。僕は、喫茶マイアミにいるという弥生のもとへ、速攻で向かった。

待っていたのは、予想を遥かに上回る美人だった。神秘的な雰囲気さえ漂っている。こんな美形が深夜2時にどうして・・考えても、よくワカラン。ワ力ランときは、もうホテルに行くしかないでしょう。ところが。

「会っていきなりなんて、そんなの無理だよ」やっぱりダメか。それならばと、機嫌を取りつつカラオケに誘うも、先ほどホテルへ誘ったのがよっぽどお気に召さなかったのか、彼女は始終不機嫌なご様子。ああ、そうですか。だったら結構です。深追いはしません。バイバイ。あっさりと女に別れを止ロけ、再びテレクラに舞い戻る。

時間は2時30分。正直なところ、半分あきらめの境地にはいるが、完全に望みを捨てたわけでもない。何となく、流れは来ているような気がする。もちろん根拠はない。けど、この調子なら即アボのもうー本くらい引いてもおかしくはないように念じるのだ。2本ほどヒマ潰しコールにうっちゃった後、またもや公衆コールが来た。

「今、東急本店の前にいるんだけどさあ」違う女だ。すぐ近くじゃん

「でもねー、オジサンのほうがいいんだょ」

「ナ二言ってんだよ。俺オジサンだよ、オジサン希望ってことは、やはり援助目的か」クソー、最後までこれかよ。

「っーんまっいいか。じゃあ、マックの前で待ってるから。」

とりあえずスレた感じはない。ま、行くだけ行ってみるか。金のことを言われたら、そのときはいさぎよく散ろうじゃないか。しかし、テレクラの神様は最後の最後に僕に味方した。相手の女こそ小太りのチョイブスだったが、金の話は一切なく、会うや円山町のホテルへ直行、何とか即アポ即マンを決めることができたのであった。

★日曜夜のテレクラは入れ食い状態。今回もまた方程式が成功したとは自信を持って言えない。場所を選べば、確かに日曜の夜は、より多くのコールが回ってくる。が、ここまで無惨にテレクラが凋落していると、それ以前の問題である。公衆コールのほとんどが援助目的でしかもブス。逆に男性客は増えているという、この現状まったく、何とかならんかね。

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