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ふらりと入ったスナックでこんな出会いがあったときは
日を置かず2度目に来店してもやることは同じだ
変化球を放つのは3回目の来店時で
鬼の笑顔に魅に了されるのは女の本能なのだろう
4度目の来店ではあえて低いテンションで臨み油断していた気持ちに少し不安を植え付けてやる
今までさんざん揺さぶりまくってきた感情がここでついに発火するのだ
スナックのチーママのエッチ体験談
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●チーママなんですね。
○友達が経営してるお店で働かせてもらってるだけですよ。
●チーママって儲かります?
○まあ、ほどほどじゃないですか(笑)。
●裏モノJAPANって知ってます?
○ん……すいません。
●(中身をバラバラと見せて)どう思いました?
○おもしろそうですよね。
●どんな雑誌読むんですか?
○『anan』かな。
●休日はどこで遊ぶの?
○あんまり出歩かないんですよ。
●家でゲームするとか。彼氏は?
○います。ひとり。
●営みの方は週に何回ほど?
○1〜2回くらい。
●少ないですね。
○少ないですねえ。
●やや不満ですか。
○不満ですね〜。
●一番最近のエッチは?
○おとといです。
●初体験はおいくつですか?
○遅いんですよ。高2の冬。
●お相手は?
○バイト先の先輩の従兄弟。
●なんじやそりや。
陰のある男にスナックや水商売の女はほれやすいのか
スナックのママは、陰のある男に弱いように思われる。彼女ら自身にやや不幸の匂いがあるからだ。オトコに疲れ、空虚な人間関係に疲れ、流れながれて水商売へ。そんな彼女らはどこか事情ありげな陰のある男に、自分と同じものを感じ取って心を許すのか。

場末のスナックではたらく女は、陰のある男に弱いように思われる。彼女ら自身にやや不幸の匂いがあるからだ。オトコに疲れ、空虚な人間関係に疲れ、流れながれて水商売へ。そんな彼女らは真っ当なサラリーマンなんぞに惚れやしない。どこか事情ありげな陰のある男に、自分と同じものを感じ取って心を許すのだ。そこをピンポイントで狙います。オレの設定は、ヤクザに追われてたまたまスナックに逃げ込んだ男。言葉少なに酒を飲みつづければ、そろそろ閉店となったころママさんは言うだろう。
「あんた、行くとこないんだったら、うちのアパートで飲み直す?」これだ。さぁママよ、どうする?

土曜、深夜0時。ジャンパー姿で高倉健さん風にキメたオレは、都内の場末街にやってきた。仲間は撮影役のAと、俺を追っているヤクザ役のB。今回はAを除く2人で芝居をうつ。まずAがスナック店内に入りビデオをセット。しばらくしてからオレが息を切らしながら駆け込み、ママさんに言う。「ちょっとトイレ貸してくれる?変な男が追いかけてきたら、いないって言ってくれるかな」
トイレに入ったところで、ヤクザBが登場し、ママさんに尋ねる。「今、ひょろっとしたニイちゃん、入ってこなかったか?」
ここでママさんがかくまってくれれば、ヤクザはしりぞき、トイレから出てきた俺は意味ありげにカウンターで飲み続ける。あとは閉店を待つだけだ。
「な、すごい陰のある男でしょ」「これはお互い、演技力がいりますね」「よし、行くぞ」
昭和のニオイのするスナックが並ぶ一帯で、まず撮影者が一軒の店へ。そして数分後、主役の登場だ。走って、走って、おおげさにドアを開ける。「いらっしゃい、おにーさん」
ママさんの声を受けながら、ずかずかと中へ。
「ねーさん、ビール。便所は?」「そっちだよ」「ちょっとかくまってもらっていいかな。ヘンな連中が来たら、いないって言ってくれませんか」
「ヘンなの来るの?」ママは表情をコワばらせながらうなずいた。便所に入り、ドアをちょっとだけ開けて様子をうかががっていると、まもなくヤクザが登場した。
「さっきここにひょろっとしたオトコ入って来なかった?」さぁママよ、どうする?「来てないよ」最初の関門は突破した。「もう行ったよ」ママさんが便所のドア越しに声をかけてきた。よろしい。完全にこちら側の人間になってくれている。カウンターでビールを一杯飲み干し、さらにもう一芝居。「…くそっ、あいつら!」「どうしたの。さっきの、変な男だったね」「…ええ」
「気をつけんといかんよ、このへんはヤクザ多いから」「ええ、自分、女に手を出す連中は許せないっすから」健さん風の抑えたトーンでぼそっとつぶやく。うふふ、どうよこのセリフ、深読みしてちょうだいよ(※以降、オレのセリフはすべて高倉健さんをイメージして読んでください)。ママさんが2本目のビールをあけた。
「あなた、どこから来たの?」「土佐です。事情があってこっちに……」「仕事は?」「いろいろやってきましたが、今はふらふらするばっかりです」「じゃあ仕事、紹介してあげようか?」
えっ!?彼女はいきなり携帯で誰かに連絡し始めた。「お客さんに建築関係の人がいるからね」「いや、自分は大丈夫なんで」「あなた困ってそうだし紹介してあげるよ」
誰かとしゃべっている。はいはい待ってます、とかなんとか言ってるし。
「そのお客さん、今からうちに来るとこだったみたい。もうすぐ着くって」
ややこしいことになってしまったぞ。面倒見のいい土建屋オヤジとかに、あれこれ事情を聞かれても厄介だな。この店はあきらめよう。

深夜1時半。2軒目に挑戦。例のごとくバタバタ入っていく。なかなか美人なママさんだ。「ねーさん、ビール。便所は…」「そっちだけど」便所に向かいながら、
「もし、自分を探しにヘンな連中が店に来たら、いないって言ってくれませんか」「ちょっと困るよ!面倒なのはやめてよ!」
かなり強い口調の声が返ってきた。「ちょっとそういうのは困るよ!」「すんません」「ちょっと、あんた待って!」
その声を無視して便所に入った。直後、入り口から物音が。「おい、今、ここに人が入ってきたと思うんだけど」こりゃ、かくまってくれないかもな。が、彼女はすんなり言った。
「誰も来てないよ」トイレから戻るとママの表情は引きつっていた。「行ったわよ」「…すんません」
「まあ、座んなさい。あんたはこっちの端っこが似合うわ」やはりスナックのママさんは、陰のある男を守りたくなる母性のようなものを持っているようだ。
「つええヤツをください。自分、酔いたいです」店内には、大ちゃんという客が一人座っていた。常連らしく、しきりとママに話しかけている。ジャマな男だ。
オレはグラスの酒を一気にあおった。「すんません、つええヤツもらえますか」「強いやつ?お酒?」「はい、つええヤツをください。自分、酔いたいです」「じゃあ、ブランデーね。あんまり飲み過ぎたらカラダによくないわよ」「ええ。だけど…」途中で口をつむぐ。わぁ、すごく意味深。どう、ママ、気になる?ダメだ。彼女はすぐ大ちゃんのほうに行ってしまう。早く帰れよ、大ちゃん。
ママが小鉢を持ってやってきた。「あんたも、食べる?」「ありがとうございます……ソラマメか、思い出すな」「どうしたの?」「いや、なんでもないっす」「そう…………」
思わせぶりな芝居にも、ママはなかなかついてこない。そうこうするうちに、大ちゃんがストレートな行動に出た。「ねえ、ママ、この前言ってた焼き肉行こうよ」「あら、そうね」「オニイさん、ごめんなさい。お店2時半までなんですよ。今日はママと焼き肉約束してるんで」なんだよこいつ、品のないヤツだな。ママもこんな朗らかな男、ほっときゃいいのに!
午前3時半。そろそろ開いているスナックがなくなってきた。あ、あそこにまだ1軒やってるぞ。レッツゴー!ドアを開く。げっ、ママさんはたぶん50過ぎじゃないか。しかも客も多いし。しゃーない、こうなりゃ進むのみだ。「ねーさん、ビール」「はいよ」「便所は?」「その向こうだよ」「あの、もし誰か来たら、いないって言ってくれませんか?」「なんだい、それ?」
問いにはこたえずに、便所に隠れる。まもなくヤクザ役がやってきた。
「すんませーん、今、若いヤツ入ってこなかった?」一瞬、店内がシーンとなった。ママさんが口を開く。来てないよ」「ホント?」「誰も来てないよ。ほら、見てごらんなさい、いないでしょ?」
しばらく後、カウンターに座っ たところで、ママさんがビールを注いできた。「かなりおかしな感じだったねえ」「…そうですか」「まあ、何があったかは聞かないけれど」
「…自分、女に手を出すやつは許せなくて」「はーん、そういうことね。そりゃあアレだねえ」
ママさんは一人で何かを納得している。
「私はね、あんたを先に入れた。あんたがどこの何者かは知らないよ。でもね。先に頼まれたものを引き受けたってことはだよ、そりゃあ守らなくちゃなんない」
「…ありがとうございます」「まあ、元気だしなよ」この人とねんごろになることに意味があるのか、さっぱりわからんようになってきたが、もうこのまま進みます!焼酎に切り替えちびちび飲み続けたところ、早朝4時を回り、客が一人ふたりと帰り、ついにママさんと二人きりになった。ママが食器を洗いながら話しかけてくる。
「あんた、家は?」「…自分、東京に出てきたばっかりで…」「ふーん、そうかい。どこから来たの?」「土佐です」「土佐かい。私は東京。生まれてからずっと東京だよ。それにしても土佐の人間がこんなとこにねえ」「ええ、自分、生き方が不器用なもんで」「そうかい。これから飲みに行くけど、一緒に来るかい」狙ったまんまの展開だ。相手がやや歳上すぎなことを除けば。

外はすでに明るくなっていた。連れられていったのは、小さな飲み屋だ。ママさんはビールを、オレは日本酒を頼み、隣に並んでちびちびと飲み始めた。目的はママの部屋、あるいはホテルへ向かうこと。それにはもっと憐れみを誘うべきだろう。何かを思い出したかのように、目をつぶって目頭を押さえる。「涙ながしていいですか」「まあまあいろいろあるね。そりゃあ、東京にもいっぱいいい人はいるよ」「はい」「あんたが何であいつらに引っかかったのかわからないけど、あんたがいいと思ってやったんなら、自信を持ちなさい」
「ありがとうございます。さっきかくまってくれたとき、自分、うれしくて」「いや、いいよいいよ」
雰囲気としては悪くない。でもこうしていつまでも飲んだところでラチが開かんぞ。さらに一芝居いっとくか。「ふぅ〜。どこで寝るかな…」「どうしたの?」「自分、宿無しですから」「あらそうなの。ねえ●●ちゃん、駅前のソファで眠れるお店、教えてあげて」従業員に話しかけている。なんだよ、ネットカフェに追いやる気かよ。こんなに陰のある男なのに泊める気ないの?相手が相手だけに最後はグダグダになってしまったが、作戦そのものは的外れじゃなかったと思う。全国のみなさん、色っぽいママさんのいるスナックで試してみてください。かくまってもらうとこまでは確実にイケますんで。

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