
橋の両側には、オッサンの姿もチラホラ見受けられた。欄干にもたれてタバコを吸ったり、仲間とヒソヒソ話し合ったり。エンコー娘を物色しているのは明らかだ。
しかし、橋の上には先ほど俺が話し最初にに話しがけた娘はえらい生意気な女だった
太めのギャルとOL風が2人いるだけ。どちらも20代前半に見えるが、ルックスはバッとしない。
選択肢の少なさはいかんともしがたく、オッサン連中もどうしたもんかと困惑気味である。
とはいえ、このまま待ち続けたところで、いい女が現れる保証もない。
ここらでいっちょ、遊んどくか。うーん、俺的にはデブギャルよりOL風だな。
「あのさ、遊べる?」
ターゲットに歩み寄り、交渉スタート
ダメ元でダンピングを試みたところ、最初ホ別2万円と提示された金額は、あつさりホ込み1万5千円まで下がった。
休憩料金を抜きにすれば、プレイ代は実質ー万ちょいである。彼女に案内されるまま、目の前のホテルへ。慌ただしくシャワーを浴びたところで、すぐに行為が始まった。自ら進んで生尺してくれた点は、まあ、評価してやろう。
しかし、ベッドの上では完全なマグ口状態、おまけに俺がなかなかイカないとみるや、高速手コキで強引にイカせようとするって、どうよ。痛いだけだっつーの。どうにか射精はできたけど、こんなに残念で切ないセックスは久しぶりだ。
「いつも何時くらいからあそこに立ってるの?」
帰り支度を始めながら、それとな<聞いてみた。
「うーん、昼の2時くらいかな」
「そんな早くから?」
「セックスするのに時間なんて関係ないでしょ。今日もあなたですでに6人目だし」
仮に俺以外の客から2万円取っていれば、この時点で11万の稼ぎ。ショバ代の5千円を引いても10万5千円の儲けになる。今どき、ソープ嬢だって1日にこれだけ稼ぐのは難しいだろう。
以前は本物のOLだったといっ彼女、なんでも多額の借金を抱えているとかで、その返済のためにエンコーを始めたらしい。
風俗経験はなく、橋に立てば客が取れると友人に教えられたそうだ。にしても、売春のアドバイスをしてくれる友だちってどんな。
エンコー橋の上には、先日より明らかに多くの女が並んでいる。
ヒイ、フウ、ミ・-…計6人。思わず、口元が緩んでしまう光景である。ウロウロと橋を3往復したところで、相手は決まった。ピタッとしたTシャツにデニムのミニスカートを履いた黒髪の女のコ。歳は20才そこそこで、推定Gカップのふくらみがたまらん。
「ねえねえ、遊べる?」
「別にいいですけど、いくらぐらいなら払えます?」
受け身な言い回しに何となくスキを感じ、いきなり相場より1万円安い、ホ込みー万5千円を提示する。…あ、やっぱりダメ?じゃホ別の1・5は?
「うーん、じゃそれでいいです」
正直、もう少し粘ればホ込1・5でもいけそうな雰囲気もあったが、無理は禁物だ。交渉が決裂し、他の男に取6れてしまっては忍びない。ひとまずラブホで一戦交えた後、2人で缶ビールを飲む。彼女、今日はもうこれで営業を終え、横浜の自宅に帰るのだという。にしても、なぜこんなカワイイ子がェンコーなんか。それも立ちんぼだなんて。
「別に、お金が欲しいだけですよ。買い物とかケータイ代とかいろいろ出費がかさむから」
もともとは都内の風俗店で働いていたのだが、店が摘発されたのをキッカケにここでエンコーするようになったという。
出動回数は多くて週2程度。それでも稼ぎは風俗時代より多く、月50万を下回ることがない。彼女が知っているだけでも、バイト目的でやってくる現役風俗嬢が何人かいるそうだ。出会い系もたまに使うけど、やっぱここに立つ方がずっと手っ取り早いんですよね。
「メールのやり取りってどうも邪魔臭いっていうか。それに相手の顔が見えるぶん、怖い思いをすることもないし」
「でもさ、みんななんで他の場所じゃなく、わざわざこの橋でエンコーやるのかね?」
「えー、何でですかね?でも外人さんの娼婦はけっこう昔からいたみたいだし、それ見て、なんとなく日本人の女のコも集まるようになったんじゃないかな。少なくともここに立っていれば、かなり稼げるのは確かですし」
午後9時。ホテルを出た後、立ちんぼ橋に戻った俺は、目の前に広がる光景に「あっ」と声を上げた。また2人、新しい女のコが増えていたのだ。橋の上に日本人の立ちんぼギャルがわんさか。そんなギャグのような状況が実現するのは、遠い将来のことではないかも知れない。それをよろこぶべきか、憂うべきかはさておいて
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