誹謗中傷が増えた時代の被害妄想からの自己防衛方法

動物園

陰でそう呼ぶ肴護師がいるほど、精神病院が騒ぐ

これまで全自殺者の2割が精神病患者というのが定説だったが、近年では9割が何らかの精神障害を起こしてるいとの研究報告もある

（最も多いのがうつで、統合失調症→精神分裂病→アルコール依存症→老人性精神病の順）。キャリア15年のベテラン医が、患者を死なせた体験を明かす（医師と患者のブライバシー保護のため、地域や名前は秘します。）

私が精神科医になったのは、人の生き死にに関わりたくないからなんですよ。外科や内科と違い、心の病で〈死）に直面することは減多にないだろう、と。甘かった。勤め始めたその年、いきなり自分の患者を死なせてしまいました、山中さん（仮名）は、16才になったばかりの、高1年の女の子でした。

育ち盛りのはずが、高校に入学してから2カ月も経たず体重が5キロ近くも減り、ふさぎ込むことが多くなった娘を心配した母観に連れられてきた。

本人は眠れないっていってましたね

高校って、子供から大人へ成長する途中で、体と心のバランスが崩れがちなんですよ。

自分の体への違和感も加わって、不安感や強迫観念を持ったりするわけです、美紀さんの場合は、家では親のいうことを聞く良い子、学校では学級委員としてクラスをまとめなくちゃいけないっていう、プレッシャーが強かった

軽いうつ摘と診断して、抗不安剤と睡眠薬を処方しました。元々、うつ病になるタイブは責任感の強い真面目な人が多いんですよ

だから美紀さんも隔週ごとにきちんと病院に通ってきた

最初は重かった彼女も、だんだんしゃべるようになってきて、私は回復にあると安心してたんです。文化祭に、クラスでやる劇の衣装係を任されたって、嬉しそうに話してました

それが最後でした。

「美紀さんは、先生の患者さんでしょうか。実は昨夜、飛び降り自殺を図りまして」

ある夜、警察から緊急の電話が人りました

母親によると、やっと作りあげた衣装を自分でロッカーにし舞ったことを忘れ、誰かに隠されたと勘違いしたらしいんです

「それも被害妄想なんですが、学校を休んだ彼女にクラスメートが、あなたが来なきゃ始まんないんだから早く来てね」って見舞いの電話をかけてきたら、その言葉に反応してしまった。

〈私のせいでみんなに迷惑かけちゃってごめんなさい〉

札に走り書きを残して近所のスーパーの屋上から身を投げたんです

自分が間違っていたのではないか。彼女のサインを見逃していたのではないか。私が彼女を殺したんじゃないか

躯け出しの私は悩みましたよ。

精神科医を辞めようとまで思いつめました。

けど、先輩に言われたんです。精神科医が患者を救えると思うのは倣慢だって。ほら、映画やドラマには、患者と話し込むカウン七ラーがよく出てきますよね。

精神科医っていうと、あのイメージがあるみたいなんですが、それって海外の話なんですよ

ー人の患者にかけられる時は10-20分ほとでしかない（治療は薬、原因究明はカウンセリング）と言いますが、実際のとこ、日本の精神科医の仕事って薬を処方することだけなんですよ。うつ病の人には、大なり小なり自殺傾向があるから、確実に死なさないためには、人院させて四六時、見張っているしか方法はないわけです。

大学生の聡くん（仮名）も、似たようなケースでした。

一流とは言わないまでも、名の知れた4大に通っていた彼が私のとことに来たのは大学4年の冬です。就雑が決まらなくて眠れないとのことでした。社会学を専攻しているりしく、自分の病気について「うつ病でしょう。大して身体症状が出てないから軽度ですよ」なんて分析してみせたり、本当に病気かって疑いたくなるくらいでした

彼とは診察というより維談のような形で話をしてましたが、結局、その年は浪人を決めて大学を留年したんですね。就職課に日参して会社訪問にも精を出してるようでしたが、ちょうど就職氷河期なんて言われてる時期で、その年も思ったように内定がもらえなかったんです。

年の瀬に会ったときは、気長にやりたい仕事を探しますなんて言ってたのに、正月、同級生と飲んだ帰り、発作的に高速道路にかかる架僑から飛び降りた。