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ピン芸には〝ボケがぼやけてしまいがち〟という特徴があるわけだが、次のように、毎回ボケを同じセリフで挟み込むテクニックがブリッジだ。「ヒロシです。○○○○。ヒロシです。○○○○。ヒロシです」つまり、笑いどころが明確になるのだ。実際、先のライブでも、ぼやけ問題については回避できていたと思う。では、どうして全くウケなかったのか? 一番の理由はシンプルにネタが弱かったからだろう。今のオレのお笑い能力では〝あるある漫談〟は厳しいってことだ。悔しいが受け止めるしかない。ただ、他にも敗因はないだろうか? スマホを取り出し、データフォルダの中の、ライブのときのステージ映像をチェックしてみる。気になったのは、舞台上の自分の風体だ。オレの見た目って割と若いんじゃね? オッサンというよりニーちゃんでは?
 自画自賛ではない。ダメ出しだ。笑いを起こせなかったのは、風貌とネタとのミスマッチだったということもあるんじゃないだろうか。仮に舞台に立つ際、禿げ頭のカツラをかぶり、いかにもなオッサン仮装をカマしていたら、客の反応もまた違っていたかもな。 映像が進み、ネタを終えた自分が引っ込み、次の出演者の漫才コンビが現れた。 そのままスマホに目を落としていると、あれっと思った。なぜだか、舞台上の温度が1、2度上がったような印象を受けたからだ。別にそのコンビの漫才が上手だったとか、そういうのでもないのにだ。 人間の数の差か? 自分のシーンまで映像を戻してみる。一転、絵面が寒々しくなり、確信した。 なるほど。ピン芸は一人で行うだけに、見た目が寂しくなりがち、そんな特徴もあるわけだ。 考えてみれば、プロのピン芸人の中には、ヘンテコな格好でステージに立つ人間が少なくない。彼らの狙いは、一人という見た目の寂しさを紛らわせるためだったりするのかもしれない。 ふと、ネタ作りに関し、一つのアイデアが浮かんだ。 新しいネタは、まずヘンテコな仮装を決め、そこから考えていくのはどうだろう? 見た目の寂しさ問題対策ってのもあるが、これまでやったことがない作り方なので、新しい発想ができるんじゃないの? 目指すべきピン芸の方向性にも辿り着けるかも! よし、その段取りでいくことにしよう。スマホを横にやり、ノートを取り出した。 えーと、ヘンテコな仮装と言えば?  何気に思い出すのは、半年前、一時的にピン芸人になったときに作った一人コント『イタコSM』での、亀甲縛り&パンツ一丁だが、シモ系は控えるべきだよな。R─ 1はテレビ向けの大会なので、厳し目のコンプライアンスが敷かれているだろうし。 ま、先にライブのスケジュールを押さえとくか。
迎えたライブ当日、夕方。下北沢へ。
 楽屋の入り口で、受付のスタッフが、演芸用語を使ってステージの始め方について聞いてきた。「キッカケは?」
 そうだなぁ。最初から舞台にいて、照明が点くと同時にネタを始める段取りでいくか。「コントなんで、板付きで」「わかりました。イスとかテーブルとかは使います?」
 ふーん、そういうの貸してもらえるのか。お見合いパーティのコントだし、座ったほうが雰囲気が出るだろう。借りるとしよう。
 受付を済ませた後は、さっそく着替えを行い、楽屋の姿見の前に立った。
 ロングヘアーのカツラ。白いブラウス、ベージュのプリーツスカート。赤いビニールテープとタコ紐で自作したネックスレス。胸元に付けた番号札──。
 我ながら滑稽なお見合いパーティの女性参加者だ。
 今回、この仮装をすることにしたのには、2つ理由がある。一つは、女装ってのはわかりやすくバカバカしいから。もう一つは、上手く演技できそうな気がしたから。
 後者については少し言葉を補っておこうか。オレは過去、裏モノの企画で、大げさでも何でもなく
50回以上はお見合いパーティに足を運び、延べ数百人のお見パ女と対峙しているため、連中の表情やしぐさは完全にインプットしている自負があるのだ。 ただ、「アフリカ帰り」というキャラ付けについては、これと言って理由はない。当初は、これまたオレが完全に生態を把握している「売春婦」にしようと思ったのだが、コンプラの観点から却下。適当に頭に浮かんだ「アフリカ帰り」にしたという運びだ。 姿見に向かい、カツラを手でとかし、名札の位置も調整。準備が完了したところで、客席をのぞいてみる。 客は7人。いつもどおりの少なさだが、このライブは、終了後にアンケートの回収が行われるため、客の感想を確認できる。楽しみだ。 楽屋のすみで、ネタの確認を行うことしばし。オレの出番が回ってきた。 スタッフに促され、暗いステージへと向かう。イスに座り、緊張の時間を過ごす。 照明が灯った。純粋にオレの能力不足ってことになるわけで… 明るくなった客席を見渡すと、好奇な視線がガンガン飛んできているような気がした。「コント、お見合いパーティ」 頭のセリフを言い、いざ、コントへと入っていく。声のトーンを上げ、女っぽくカラダをくねらせて。どうだろう、お見合いパーティマスターのオレの演技力は。 ネタの尺は、2分半で作ってきている。もし、このライブである程度手応えを感じることができたら、ウケがイマイチだった箇所を削り、R─1の一回戦の持ち時間である2分にまとめ、大舞台用の叩き台にするつもりだ。
 が、期待する笑いはなかなか起こらず、ネタが進んでいく。あっという間に後半に突入した。
 焦るなぁ。今回は見た目とネタも合っているし。笑ってもらえないのは、純粋にオレの能力不足ってことになるわけで…。 ようやく、反応っぽいものがあったのは、自作のネックレスのボケを言ったときだった。「これ、5匹のライオンの金玉で作ったネックレスなんです」一人の客がお腹を抱えるように前屈みになった。声は出してくれないが、満面の笑顔だ。 しかし、笑いはその一人止まり。他の客へは広がっていかず、ネタは最後のボケ、求婚のダンスへ。 オレはイスから立ち上がり、雄叫びを上げた。「エンバラビラ~、アイーンナ~」 棒を縦に持って地面を突くような素振りをしながら、低く唸り続ける。「エッホ、エッホ、エッホ、エッホ」
 ステージをウロウロ歩き回る。さあどうだ? しかし結局、笑い声が聞こえてくることはなく、ネタが終了。オレは「ありがとうございます」と頭を下げ、ステージを下りた。 いやー、厳しい結果と言わざるを得ない。こりゃあ、アンケートもお寒いことになってそうですな。オレ、マジで演技力あるのかも? ひとまず楽屋で待機。ライブが終わると、すぐさまスタッフに声をかけ、回収されたアンケート用紙6枚を見せてもらった。 さて、セントゥーに対する感想は…。 1枚目「演技が上手でした」。 マジか? 2枚目「ダンスがよかったです」。 これって!? 3枚目「求愛のダンスがよかったです」。 驚いた。その後4枚目は、感想欄が空白だったものの、5枚目6 枚目は、これまたダンスを褒めてくれているのだ。オレ、マジで演技力あるのかも? ダンスを上手く踊れたことと、お見合いパーティ経験が繋がってるかはわからないけど。 何にせよこの評価は見過ごせない。笑いを起こせなかったとは言え、このネタ、もう1回ライブで試してみるくらいの価値はあるのでは。
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