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なんだか雪とか降ってません?冬っぽい冬ですよ。
寒さに負けず、体調を整えて生きていきましょう!
どうも町田足土です。今月も高田馬場のルノアールで編集長と打ち合わせ中です。ガラスの向こうは北風が冷たそうです。
「先月の町田のセックスを俺が見るっていう記事。読者の反応よかったわ。またチャレンジしてもいいかもしれんな」
そう、みなさん先月の連載は読みましたか? ボクがアポった女の子とエンコーセックスするところを編集長がニヤニヤしながら見るという企画です。そこでボクは謎のプレッシャーのため、ティンコが勃たないという事態に。
「はぁ、勃ちが悪かったのは本当に悔しいですけどね。自分でもあんな情けないことになるとは思っていなくて」
「まぁ、そういうこともあるわ。でも町田、働きすぎなんとちゃうか?たまにはリフレッシュせなあかんぞ」
おや、鬼とも言われる佐藤編集長が優しいことを言い出しましたよ。どうしたんでしょう。もうすぐ死ぬのかな?
「そうや、最近裏モノでは、『月に一度のお楽しみデイ』っちゅう漫画を掲載しとるんやが、アレ、かなり評判いいんよ」
「あー、やってますよね。『2万円持って、見知らぬ街を楽しむ』とか『ひとりラブホで抜きまくる』とか」
「町田も、ああいうのをやってみたらどうや? けっこういいリフレッシュになるらしいぞ」
「たしかに。あの『見知らぬ街に行く』ってやつ、楽しそうだなって思ったんですよね」
「ほう。町田やったらどこの街に行きたいんや?」
行きたい街。そうなると間違いなく〝荻窪〟だろう。見知らぬ街ではない。ボクが22歳から28歳までの6年間住んでいた、青春時代が詰まった街なのです。
「20年くらい前ってことか。で、最近は荻窪には行ったんか?」
「ええ、半年前くらいに駅周辺にある『なごみの湯』っていうスパに行きましたね。でも、なつかしい場所とかに寄ったわけじゃないので、久しぶりに街を歩いたりしたいんですよね」
「ええやないか。行ってきたらええよ。……いや、待てよ。だったら今回のテーマは『町田のお楽しみデイ』はどうや? 懐かしい街に行って、たっぷり楽しんできたらええやん。荻窪には有名なピンサロもあることやし。羽もチンコも伸ばしてこいよ」
おぉ! そんなバカな! いつも鬼畜な命令ばっかりする編集長が、そんな嬉しいテーマを企画してくれるなんて! でも大丈夫ですか?ボクが単に1日楽しむだけで成立するんでしょうか?
「大丈夫やろ。ダウンタウンの松本人志が地元の尼崎を歩いて、当時の店とか回ったら十分オモロイし、街ロケ番組としても成立するし」
「まぁ、松本人志なら成立しますけど、ボク、一介のライターの町田なんですけど?」
「何を言ってんねや。数ヶ月前の号から、この連載の町田の名前の横に〝セックスの天才〟って書いておいたんや。笑いの天才・松本人志と並んでも違和感はないよ」
 違和感あるだろ!!! でも、編集長が「成立する」って言うなら、成立しなくてもボクの責任じゃありません。今回はたっぷりと『お楽しみデイ』、楽しんじゃいましょう!
 井伏鱒二と太宰治が愛した街、荻窪。 1月末。昼の11 時。荻窪駅北口に到着。天気がいい。北口は、『タウンセブン』と『ルミネ』というふたつの駅ビルが密接している。
「荻窪には、ルミネがあるんやな」
「まぁ、そうなんですけどね。なんで佐藤さんも荻窪にいるんですか?」
「ええやろ。町田の思い出の街をふたりでめぐるんや。考えてみぃ、松本人志が尼崎をぶらつく番組で、ひとりで歩くか? 陣内智則とか、ちょうどええ感じの芸人とかと街ロケするやろ。もしくは浜田と一緒やろ、そりゃ」
 もう言ってる意味がわかりません。今回って「町田のお楽しみデイ」ですよね? 佐藤さんがいると十分に羽が伸ばせないんですけど……。
「別に気にせんでええよ。隣にお地蔵さんがいるとでも思ってくれよ」
 そう言ってニヤリと笑う編集長。どこまでもついてくるお地蔵さんか。怖いな。
「荻窪かほとんど来たことないなぁ。まずは昼飯やろ。どこで食べようか?思い出の店に行こうや」
「思い出の店ってなると、北口のCoCo壱番屋ですね。間違いなく」
「ココイチって、あのチェーン店のカレー屋の? よりによってココイチかい」
たしかに、思い出の店がチェーン店系のカレー屋はショボく聞こえるかもしれない。しかしボクにとってココイチは特別な店なのです。
18歳で東京に来たボクがたまたま入ったココイチ。しかし、その美味さ、トッピングの種類、元気でにこやかな店員。そのすべてに一発でヤラれてしまったのです。それからというもの、一週間に7回以上食べに行くというココイチ生活を送っていました。昔は「1300グラム30分以内に食べたら無料」というキャンペーンもやっていて、26歳のときにクリアしたのも荻窪北口店だったのです。
「それに、ナンパで引っ掛けて、家に連れ込んでセックスした次の朝は必ずココイチに連れて行ってました。彼女たちはボクのことを『あのココイチの人』って覚えてるはずですよ」
「はー、ある意味、イチローよりも早く朝カレーを有名にしたんやな」
「まぁそういうことになりますかね。そこの店は2階もあって。いつも座ってた席があるんですよ」
そんな話をしながら、駅から徒歩2分のココイチに向かう。そうそう、懐かしいな。有名ラーメン店
『春木屋』を過ぎて……あれ? どこだ? 通り過ぎちゃった? 少し戻る。が、見当たらない? え?
「どこにあるんや? ツブレたんか?」
そんなバカな!? でも、ない。無くなってる!!? スマホで確認してみると、2016年の1月に閉店してるじゃない! マジ???
「まぁ、無くなったもんはしゃあないやろ。でも、荻窪の南口にも店舗があるやん。そっちに行こうや」
 マジか……。なんだよ、南口店なんて。住んでた当時、そんな店無かったよ! 思い出がなければココイチはどこで食べても一緒じゃんか! スタートから縁起悪いな! 一応、南口店でチーズぶたしゃぶカレーを食べました。普通に美味しかったですけども。
「ここに、当時、よく来たカフェがあったんですよ。ケーキが美味しくてね。よく来てたんです」
ここは、ルミネの2階にあるカフェ・アフタヌーンティー。上品そうなおばさまたちが微笑みながらティータイム中です。
「はー。で、そのときの店とは、今は違うんや?」
「ですね。まさかの2軒連続で潰れてるとは思いませんでした」
 イチゴのケーキをコーヒーで流し込みながらがっくりとするボク。時計の針はまだ12時。カレーのあとにケーキにコーヒー。こういう余裕のある時間を過ごしてること自体、とても素敵だと思うんですけども、20代を過ごした思い出の街は、すっかり変わってしまっていて、ちょっとショックです。
「まぁ、仕方ないやろ。20年というのは、そういう時間やで。その頃の町田と今の町田だって、もう全然違うわけやから。まさか、当時の町田もエンコーのカリスマになってるとは思わんやろな。FC2でハメ撮り動画を売って、巨万の富を手に入れてるなんてな。そういや、最近はどうなんや? 新作とか売っとんのか?」
「そうですね。先日、記念すべき100本目の子をリリースしましたよ。顔射したあとで、しょんべんシャワーで洗顔したんですけど」
「コーヒーのおかわり、おまたせいたしました」
 突然、ウエイトレスがコーヒーをテーブルに置く。固まるおっさんふたり。ジロリとボクらを一瞥して去っていく店員。
「……町田、お前、高田馬場のルノアールやないんやから。こういう高級な店でなんちゅうことを言うてくれてんねん」
「……今の、ボクが悪いんですか……? 話を振ってきたのは佐藤さんですよ」
「いや、それにしてもしょんべんシャワーはないやろ。高田馬場のルノアールならともかく」
「高田馬場のルノアールでもダメなんですよ。本当は」
「そんなことより、次はどうするんや? 荻窪のチェックポイントを回ろうや」
 なんか、日頃の疲れを癒す『お楽しみデイ』というよりも、荻窪スタンプラリーみたいになってきています。まぁ、いいんだけど。
「さっき、南口に行ったときに見た『ナックファイブ』に行こうかなって思います。やっぱり荻窪といえばナックでしょ」
「都内でもナンバー1の呼び声高いピンサロやな。混んでる時は、ビルの外階段に列ができるらしい
からな。町田が荻窪に住んどるとき、よく来てたんか?」
「んー、そうですね。っていうか、ナックファイブは裏モノ編集部にいた平林さんに教えてもらったんですよ」
「あ〜〜、たしかにその頃、平林が『ナックファイブがすごい!』って言うてたわ」
「当時、けっこう行きましたね。さっき店前に『13時から整理券を配る』って立て看板が出てたので、そろそろ行こうかなって」
「ええやないか。いろんな店が潰れとるけどナックファイブだけは一生懸命頑張ってるって。エエ話やな」 2杯目のコーヒーを飲み干してカフェを出る。再び南口へ。駅から徒歩2分の場所にあるナックファイブの前には、もう数人の客が並んでいます。あれ、もうチケット配っちゃってるのかな? 客たちの近くにスーツの店員らしき人に聞いてみます。
「あの、チケットって、もう配り出してますか?」
「このビルのエレベータ前から、外階段を登るように並んでお待ちください。そこにある看板に書いてあります。ちゃんと読んでください」
 ……なにコイツ? 感じ悪い!!そんな接客してたら、ナックファイブも先がないぞ! お前の前に働いてた過去の店員が積み重ねてきた信頼をお前如きが潰してどうすんだ! あ〜〜、胸クソ悪いな! 外階段には、すでに4人ほどが並んでいる。その最後尾に並んでいると、先程の店員が「5」と書かれたカードを渡してきた。 待つこと10分。受付に入ると、先程の胸クソ店員が立っていた。
「指名はございますか?」
「あ〜〜、じゃあこのAちゃんで」 手元のパソコンで確認する店員。
「Aちゃんは、15時のご案内になります」
 マジか。先に並んでいた客に取られちゃったのか? それにしても2時間待ちって?
「ん〜〜、じゃあBちゃんは」「……14時半からですね」
「……Cちゃんは」「16時からですね」
 なんだなんだ!? 全部ダメじゃないか。パソコンを覗き込むと、ずらっと女の子と時間待ちが並んでいる。どの子ならすぐにいけるんだよ。
「あの、どの子がすぐ行けますか?」
「こちらから、『この子がすぐ行けます』とは言えないんで。あと、モニタを見ないでくれます?」
 は〜〜〜〜〜!!!??? マジでムカつくんですけど。言葉にトゲがあるし、絶対に客をバカにしてんだろ?ナックファイブも落ちたもんだ。 結局6人目でやっと空いてる子に当たり、30分4500円(7日、9日、5日の付くナックの日値段)プラス指名料1500円の合計6千円を支払う。暗い店内、腰の高さのフラットソファ席に通されます。 久しぶりのナックファイブ。大音量の音楽が懐かしい。靴と靴下を脱いでスタンバイしていると、Rちゃん(22)が制服姿でやってきました。
「こんにちは〜〜。はじめまして、かな?」
「あ、どうも。はじめまして、だね」
 元乃木坂46の生田絵梨花をぽっちゃりさせたような感じです。胸はシャツをバイーンと盛り上げています。いいねぇ。悪くはないねぇ。
「失礼します。重くないかなぁ」
 そう言って、ボクの上に対面座位のような格好で座る。顔が近い。 チュッっと軽くキス。続けて、チュッ、チュッと繰り返し、そのままグググッと舌が入ってくる。そう、ナックファイブといえば、この深いディキスです。いいぞいいぞ。 シャツの上から揉むと、弾力のあるおっぱい。これもまた良し、だ。
「おっぱい大きいね。何カップ?」「ん〜、E」
イーッネ!!!シャツをこじ開けおっぱいをほじくり出す。キレーな乳輪じゃないの。チュバーッ!
「ん〜〜、んん……ん」
気持ちよさそうな声が漏れる。本当に感じてるかはともかく、口の中で小粒な乳首が美味しい。これだよ、これ。
「じゃあ、舐めるね?」 ズボンとパンツを脱がされ、すっかり勃ったティンコをパックリと咥え込む。唾液が多い。ジュッポジュッポといやらしい音が響きまくる。 ビンビンに勃ったティンコの根元まで咥え込むRちゃん。こちらを見ながらだ。エロい! 喉奥がクイクイとティンコを刺激してくるじゃないか。この激しさが荻窪流だ。
両手を下から入れ込み、喉奥フェラを続けるRちゃんのおっぱいを揉みまくる。たぷんとした感触がたまんないな、オイ!
「……あ、もういきそうかも」
 チラっとこちらを見たあと、ニッコリと笑いながら、首をコクコクと動かすRちゃん。次の瞬間、先ほどよりも1・5倍の速さでヘドバンを始める。
来た! いや、来るッ! あぁ、、、!!!!! ドクン、ドクン、ドクンッ!!!
腰をビクビクっと動かし、Rちゃんの顔に思いっきり押し付ける。ティンコの先が喉奥に到達しているのがわかる。くぅぅ!! 気持ち良すぎる!!
 ふぃー。全身が完全脱力。一度、引っ込んで名刺を持ってきたRちゃんが「え〜〜? 大丈夫〜?」と笑う。
「めっちゃ気持ちよかったよ。久しぶりのナックファイブ、すごかったよ」
「このお店、前はいつ頃きたの?」
「20年前に荻窪に住んでてね。引っ越した後も1〜2回は来たことあったんだけど。少なくても
10年ぶりくらいだと思うよ」「えー、この店って、そんなに昔からあるの? すごいね〜」
「そうだね。今日は友人と一緒に『昔住んでいた街に行ってみよう』って企画で。でも、昔よく行ってた店はみんな潰れちゃってて」
「そうなんだ。この後はどこいくの?」
「うーん、どうしようかな。なんか最近の荻窪、おすすめある?」
「そうだなー、荻窪でご飯食べたり、遊んだりしないし……。じゃあ、どこも行くとこなかったら、またナックファイブに来てよ。私、20時までいるから」
 そうニッコリ笑うRちゃん。なんだそりゃ、とも思ったけど、この子くらいのテクと可愛さなら、もう一度来てもいいかも。そう思った次の瞬間、「でも、あの胸クソ店員の顔見たくないから、それはやめよう」と思ったのでした。な? こういうとこでお客を減らすんだぞ? 心入れ直せ、バカ店員! ナックファイブを出て、近くの喫茶店にいた編集長と合流。昔、よく歩いた道を散歩してみました。 っていうか、天気は良いものの、やっぱり1月末。寒いわ。
「……っていうか、寒すぎですよ。あの、モノは相談なんですけど、駅前にあるサウナスパ『なごみの湯』に行きません?」
「おお、思い出、あるんか?」
「思い出はないです。ボクが住んでたときは、まだ無かったので。でもほら、思い出もいいですけど、今日って『町田のお楽しみデイ』なんですよね? この際、思い出縛りとかなくてもよくないですか?」
「ん〜〜〜、まぁ、寒いしな。よし、行こう」
駅前に戻りすぐに風呂へ。冷え切った体で湯に浸る。くわぁあああ!身体中が粟立つ! 気持ちいい!
「あー、こりゃ気持ちええわ」「まだ15時ですよ。平日の明るい時間から風呂なんて贅沢ですよね」
「ここ、ええなぁ。露天もあって最高や」
「でしょ。しかもここ、サウナが3種類もあって充実してるんですよ」
「サウナはアカン。あんなん身体に悪いわ」
 そうでした。佐藤さん、サウナ否定派でした。
「本当に町田はわけわからんよなぁ。あんな熱くて辛いとこにわざわざ入って血液ドロドロにして、わざわざ不健康になるって」
「いや、そのあとで水風呂で冷ましますし、水分も充分摂りますから。大丈夫ですって。そうだ、一緒に入りましょうよ、サウナ」
「……それ、意味あるんか?」
「だって、今日はすべて取材じゃないですか。取材してるライターに編集が付き合わなくてどうするんですか?」
「いや、そんなん今日は俺、休日のつもりで来てるし。自分にとって辛いことをやっても『お楽しみデイ』にならんし」
「いやいや、今回、ボクの『お楽しみデイ』でしょ! っていうか休日オフのつもりだったの? それはひどい。これはサウナ、つきあってもらわないと」
 ブーブーと文句を言う編集長をほぼ強引にサウナに引き込む。結局、「限界になったら出るからな!」と、渋々サウナに同席してくれることに。大丈夫、一回やってみればきっと気に入りますよ。
3つのサウナの中のスチーム系サウナに入る。薄暗い中に、程よい暑さが充満しています。これこれ。ふたりで奥のスペースに腰をかける。
「ボクは毎回、1回目は8分、2回目は10分、3回目は12分って感じなんですけど、無理はしなくて良いですよ。5分とかでも」
「熱い、無理や!」
そう言ったかと思うと、いきなり立ち上がり、サウナから出ていく編集長。え??? マジで10秒くらいしか経ってないよ???? 忍耐力無さ過ぎだろ! あの人!! 結局、そのあと何度誘っても「無理や! 灼熱や!」と、サウナに近づくことはありませんでしたとさ。
 サウナと風呂で汗を流し、その後はマッサージ。たっぷりと癒されまくったあとは、『なごみの湯』のレストランで夕食。麻婆豆腐や豚の生姜焼き、カキフライといったサウナ飯がテーブルに並びます。ハイボールで乾杯です。
「いやー、荻窪自体はショボくて寂しい感じになっちゃいましたけど、風呂はよかったですね。それにご飯も美味しい」「まぁな、お楽しみデイになったようなら良かったわ。で、町田は、なんで荻窪の街から引っ越したんや?」
「……ちょっと、面倒臭い隣人がいまして」「隣人?」
「隣に住んでいたおばさんがいたんですよ。ボクは22歳とかだったんですけど、当時35歳くらいの頭のおかしい人で」「どんなふうに頭おかしかったん?」
「なんか『毎日、うるさい!』って怒っていて。最初は郵便受けに『静かにしてください』って置き手紙があるくらいだったんですけど、そのうち大家に『隣がうるさい! 今すぐ黙らせろ!』って電話をするようになって。ボクの大家って、80歳くらいの一人暮らしのおばあちゃんだったんですけど、毎晩のように鬼電してたらしいんですよ」
「うわ、それはヤバいとこ入ってるなぁ」
「さらに、うちの不動産屋が呼び出されて行ってみたら、ノートにびっしり、『●月●日、金髪の女を連れ込んで』とか『●時・このような会話をしていた』みたいなことが書いてあったそうで。しかも会話にならないくらい捲し立てられて、不動産屋も怖くなっちゃったそうなんです。で、ボクに『悪いけど、出て行ってくれ』って言いに来たんですよ。結果、引っ越すことになったんです」「その女が引っ越せばええのにな」
「いや、それがそのおばさん、ひとり暮らしで、その部屋を分譲で買ってたらしくて。賃貸のボクは立場が弱かったんですよね。で、不動産屋に聞いたところ、その人、自称音楽家で、部屋にはピアノがあったって言うんですよ。でもボク、ピアノの音なんて聞いたことなくて。だからあの壁って聞き耳立ててないと聞こえないと思うんですよ。まぁ、そんな頭のおかしい自称音楽家のおばさんから追い出されて荻窪を出た感じですね」
「なるほど……、それ、ええな」
 ええ? 今、「ええな」って言った? 何もいいことないんですけど。は! まさか!!
「ええやんか。荻窪の思い出をすべて洗い流そうや。今から、そのおばはんに会いに行って謝ろうや!」「ええええええー!!!? 無理でしょう、それは! 無理無理無理!」
「なんでや。町田は20年前、その人に迷惑をかけたんやろ?そんな人間に個人情報を教えたくないですよ!そこは謝ったほうがええやろ」
「いや、だって向こうは会話が通じないんですよ? そんくらいアレなんですよ?っていうか、そもそも悪いと思ってないですもん、ボク」
「いや、これは謝るべきや。誠心誠意、謝ったら許してくれるやろ。っていうか、そのおばはんの顔、見てみたいやん」
「今日は、ボクのお楽しみデイじゃないんですか? そんなミッション、全然楽しくないんですけど」「今日1日を振り返って考えてみぃ。まったくショボい結果やったやないか。こんなんでページ埋まるわけないやろ!!」
「ええー!!?? だって、佐藤さんが松本人志が尼崎を街ぶらすれば面白いんだから、大丈夫だって言ったんじゃないですか!」「町田よ」「はい?」
「お前は、松本人志やない。自分のレベルをよく考えろや!!!!」 嘘──!! こんなにキッパリと言う?? この人のことを一瞬でも信用したボクがバカだったのか。もう、疲れた……。
「じゃあ、もし行って、そのおばはんが不在やったときのために、手紙も書こうや。ちゃんと謝るんやぞ」 言われるままに謝罪の手紙を書く。「20年前に隣に住んでいた者です。うるさくしてすみませんでした」と。「あかんな、『直接会うか、電話で謝らせてください』って書いて、電話番号も書くんや」「嘘でしょ!!? 相手は頭おかしいんですよ? そんな人間に個人情報を教えたくないですよ!」「何を言ってるんや! 謝罪の気持ちを持て! いいか、これは強制やない。あくまで謝りたいのに謝れない、引っ込み思案の町田の背中をポンっと軽く押してるだけやからな。訴えたりするなよ」 このタイミングで予防線張ってきやがった! っていうか、もし万が一のことがあったら絶対に訴えてやる!
「まぁ、家まで行って、本人が出てきたら謝ればええんや。手紙を置いていく必要もない。ほら、町田。行くぞ!」 マジか。この人は、あのおばさんの本当のヤバさを体験してないからこんなニコニコしてんだ。あぁ、怖い。マジで怖い。あー!!!夜の20時。荻窪駅からトボトボと歩く。徒歩で20
分ほどのところに、当時住んでいたマンションがある。
「いやー、それにしても音楽家なんやなぁ。ってことは、町田がうるさかったせいで、名曲が産まれ損なった可能性はあるわな」
「いや、音楽家だっていうのも、怪しいもんですよ」
「いや、もし自称だったとしても、本人が音楽家だと思い込んでるんやったら、それはもう音楽家や
ろ。ちゃんとアーティストと接するように話さなあかんぞ」
 ……はぁ、怖い。 佐藤さんからすると、「ただ謝るだけで、なにをそんなに怖がってるのか」と思ってるかもしれません。でも、本物の人を見たら、絶対に誰でも足がすくみますよ。てか、普通の人でも20年前に住んでた人が、こんな夜にいきなり訪ねてきたら、絶対に怖いしね。この行為自体、ヤブヘビだと思うんだよなぁ。
 だんだん見たことのある街並みになってきました。あ、あった! 細長い10階建てのマンションです。変わってないなぁ。 エントランスに入り、郵便ポストを確認。当時ボクが住んでいたのは804号室。その隣の803号室の表札には…………。
「どうや?」「………………まだ、住んでます」「よっしゃ!!!」
 ドクンドクンドクンドクン。頭のおかしい独身の自称音楽家って
胸の鼓動が高鳴る。マジか。マジで行くのか。震える足でエレベータのボタンを押す。
「いやー、バレンタインの時に付き添いでついてくる女子って、こういう気持ちなんやろうなぁ。今理解したわ」「野次馬根性的な気持ちですよね?」
「何を言うとるの。応援の気持ちしかあらへんよ。ガンバ!」
 うるさい! マジで死んでほしい! チーン。ウィーン。 エレベーターの扉が開く。目の前に803号室と804号室の扉が並んでいます。マジか。本当に? 本当にチャイム押すの? え? 今日? 今日押すの?
「ほれ、チャイム押さへんと今日は帰れんぞ。わかっとるやろ、ほら」
 これ、本当に軽くポンっと押してるだけ? 完全に脅してない??? 20年前のトラウマ的な記憶が蘇る。あのおばさんの顔。あの人、今は50代でしょ? しかもここでずっと住んでるなら、ずっと独身だぞ!頭のおかしい独身の自称音楽家(55歳くらい)って。完全にやべーだろ!!!!怖い!!
 震える手でチャイムに指をかけ、押す。ピーンポーンと、部屋の中で音がする。押してしまった。あぁ、もう後には戻れない!! 今にも扉が開いて、あのギョロっとした目のおばさんが、出て、出て、……出て、こな、い?
「おらんのかな? もう一回押してみぃ」
 繰り返し、2回押すが出てこない。……………… 留守だ!! 良かった! 怖かった!!!!
 もうやだ。こんな思いをするのは! なにが悲しくて、こんな思いをしなくちゃいけないの??
 お楽しみデイだったはずなのに!!
 あー、でもよかった。足がガクガクと震えている。本当に怖かったんだな、と思った。
「残念やな。手紙置いて帰るか。で、もし電話がなかったら、『なんで電話してくれないんですか?』ってまた言いに来ようや」…………もう、この人と付き合うのやめたい。
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