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私は、彼の店の客だった・文法が過去形なのは、すでに彼は逮捕され、働いていた店も無期限閉鎖の憂き目に遭ったためである。
歌舞伎町の裏DVD店で店長をしていたころ、山田(仮名)は常連客それぞれの噌好をすべて把握するという類なき才能を発揮、オススメする作品はどれもはずれがなかった。

10枚買えば10枚当たり・紛いモノが横行する業界において、その数字は驚異的ですらある。
山田はわいせつ図画販売の容疑で現行犯逮捕される。
執行猶予2年半の弁当を持ってシャバに出てきたのは、今年に入ってからだ。
山田は、己の才覚で道を切り開いてきたのではない。大金を動かす立場にいたわけでもない。
前述の才覚こそあったものの、雇われ店長として利用され、経歴に傷を負っただけの1人の青年だ。
夢を描いて東京にやってきた若者が、あるキッカケで、ある違法な世界に入り、ある事件に巻き込まれる・どこにでも、それこそ都会には掃いて捨てるほどある人生かもしれない。
しかし、裏稼業の一端を担うとは、実はこういうことなのではないか。智謀や計算とは無縁な、ただ使われる立場にありつつ、いつしかもっとも危険な立ち位置に。
そんな哀しさを受け入れる者たちの上に、裏社会は成立しているのではないだろうか。

「ホントにきれいさっぱりなくなってしまいましたね」
久しぶりに対面した山田と一緒に夜の歌舞伎町を歩いた・西武新宿方面から、飲食店は賑やかだが、下半身系のネオンはどこも迫力がない。もちろんDVDの看板も真っ暗だ。
灯りが消えた雑居ビルを恨めしげに眺めながら、「最近はネットで買うしかないよ」

山田が裏DVD屋の店長になったのは、34才になってからのことだった。
20才で上京後、売れない舞台俳優をしながら貧乏生活を続けていた彼にとって、常に付いて回る悩みが金だった。役者の合間にバイトをしても、稼ぎは月に10万そこそこ。食っていくだけでも苦しい。
独身、1人暮らし、貧乏、そしてもはや若くもない年齢…。
四捨五入すれば30才だと周囲にはうそぶいていたが、ぼんやりとした焦りがときに首をもたげる。
そんなある日、劇団の舞台照明を手がける人間のツテで、あるバイトの依頼がやってくる。
「ビデオ屋の店番で日給1万円だって言われて、まあ断る理由もないかなと」
あくまで金のため。エ口に興味もなければ、役得に期待したわけでもない。
年齢的な限界を感じていたせいもあってか、日払い1万円の魅力は、俳優への夢もかすむほどに大きかった。
実際、それからまもなく山田は劇団を辞めてしまう。
関東の某地方都市に、その店はあった。何者なのかいまもってわからぬ「社長」の面接を受け、即採用。その日から店に座る。

表ビデオ全表本、まさに大ブーム前夜の裏DVD・3本柱を商品に、正午から深夜0時までオープンするも、客は1日せいぜいね数人、下手すりや4人なんて日もある。
仕事は単純明快だ。客が壁のリストから欲しい作品を選んで、カウンターの山田に告げれば、後は「工場」と呼ばれるマンション(ダビング場所)に電話をかけて作品番号を伝えるだけ。
しばらくすると「ハコビ」要員がカバンに詰めて持ってくる。
店と工場が離れているのは、もしものときに証拠品を押さえさせないためである。
山田、仕事に精を出すタイプでもない。日がなボンヤリ店番をするだけで3カ月が過ぎた。悪事だなんて意識は微塵もなし。立ちションやチャリ泥棒ぐらいの感覚だ。金は貯まるが、あいかわらず未来はない。このころ山田は、ただのアルバイトという立場を一歩踏み越える。新しく出す店の名義を張ってくれないかと社長に頼まれたのだ。
「不動産の契約者としてサインしてくれってことです。要するに何かあったときは頼むと」
オーナー(黒幕)にまで捜査の手が伸びぬよう、「逮捕要員」が用意されるのは違法商売の常だ。警察の手入れがあったときにパクられるのは店の名義人。
単なる名義貸しだとわかっていても、警察はそれ以上追及しない
闇社会と警察の間でかわされた暗黙のルールである。
「名義を張れば、給料プラス月に20万出すと・はい、やりますって二つ返事でした」
こうして彼は、いつ前科モノになってもおかしくない人生を歩み始める・覚悟はない・ひょうひょうと、ただ報酬が増えるならいつか、ぐらいの感覚だった。
事実、このころはまだ摘発の心配などしなくてもよかった。
ソープランドが挙げられないのと同様、裏DVD界もろりモノでも扱わない限りは安泰としていわれた
都内の某所で、新規店の雇われ店長は、貯金を少しずつ増やしながら漠然と時問を潰した。四捨五入すれば40才になる日まではもうすぐだった。
「あ、肴板出てますね」
「入ってみますか」
歌舞伎町の外れ、不意に軒だけ、DvDの看板を大胆に掲ける店があった
地下へ続く階段を下りれば、店内にはオッサンがー人座るだけで、壁は真っ白。お馴染みのバッケージ写真やキャブチャー画像はどこにもない。
「ここ、やってんの?」
聞くと、オッサンはダルそうにこちらを見つめる。
「・・どこかの会員証持ってる?」
「いや・・」
「じゃあ無理だ。今は警察がうるさいから」
過去に同種の店で購入した証拠さえあれば刑事でないことが証明されるが、いきなリの飛び込み客には怖くて売れないとオッサンは言う。
振り回され混乱しているようだ。都政を批判する気はさほどない。クリーンな新宿もそれはそれで楽しみでもある。ただ、オカズが失われるのだけはツライんよね。私の持論を、逮捕された張本人、いちばんの被害者である山田は笑って聞き流す。
「しょうがないっしょ」
この感覚、この他人事のような視点がリアルに思えてならぬ。しよっがないっしょ、か。

歌舞伎町に新規出店が決まり、山田は「店長+名義人」の役職を当然のように与えられた。
「やってくれって言われたから、はいやりますって・歌舞伎町だから気合がどうこうってのはなかったですよ」
しかしこの店に移ってすぐ、なぜか急に山田はプロ根性を発揮しだす
月に200タイトルも出る新作を逐一チェックして売れ筋を把握するのはもちろん、客が何を買っていったか記憶し、次に来店したときに実にさりげなくオススメ作品をセレクトするサービスを自発的に始めたのだ。
笠置忍を買った客に、笠置忍の新作を薦める芸のなさではない。笠置忍の客に関西援交の〇〇番を差し出すような心憎さだ、
と言ってもわかりにくいか。つまりは、人妻や巨乳といったジャンル分けのみならず、髪型、声、フェラの仕方、ゴムか生か、など、あらゆる項目を分類化した上で客の好みを割り出し、該当作品をピックアップするのである。
私が初めて客として出向いたときは、こんな言葉を投げかけられたのを覚えている。
「キレイ系でお探しですか。フェラはネットリ?声は若めのほうがいいつすか」
こやつ、使える。瞬時に思ったものだ。
歌舞伎町広しといえども、あそこまでの芸当を持った店員は他にいなかったろう。ある店は客と会話など一切しなかったし、ある店など自動トビラの電源を切り、何か買うまで返してくれなかったこともある。
ところで、これまでヤル気のなかった男が、どうして歌舞伎町で豹変したのか
ノルマはないし、売り上げを増やしたところで給料がアップするわけでもないのに。
「お客さんの喜ぶ顔が見たかったんです」
なんてことは露ほども思っていない。ヤリ甲斐や生き甲斐といった前向きの動機では決してなく、自然と身についた知識を口にしただけのことだ。
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