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『伝言ダイヤルで見つけた乱交パーティに潜入!』
昔、こんなタイトルの原稿を書いたことがある。まだ乱交パーティが珍しかった十数年前のことだ。
訪れた都内某シティホテルのスイートルームは薄暗く、中で数十人の男女が霊いていた。あちらこちらからあえぎ声が聞こえてくる。
小一時間ほどして休憩タイムとなり、部屋が少しだけ明るくなった。と、目の前のベッドでやたらデカイ声を出していた1人の女が話しかけてくる。
「参加しないの?」
「え、うん・取材で来てるから」
「ふ-ん」
バスタオルを巻いただけの彼女が、ベッドから降りて隣に座る。そして俺の耳元に顔を近づけ…。
てっきり何かを耳打ちしたいのだと思った。
が、次の瞬間、俺の耳に生暖かい何かが触れた・彼女の舌だった。
「ライターさんなの?」
「そうだよ」
「私もライターになりたいんだよね」
何でも、まだ大学生で、今日は彼氏に誘われてやって来たという。パーティーでセックスする男は彼氏だけ。でもバイセクシャルだから女とはセックスする。
そんなことを聞かされた。
自宅の電話番号を聞いて数カ月、パーティの原稿を書いた出版社から、女性ライターに知り合いがいないか電話が入った
女子トイレの落書きを写真にとってまとめる仕事らしい。
これが彼女のデビュー作となった。

「本当はライターだけで食べていければいいんだけどねえ」
都内某私鉄駅から徒歩数分。訪れた1DKのアパートの部屋で、彼女は言う。確かに、ひと昔前に比べ、女性がライター1本で生活していくのは相当難しくなっている
だから、電話応対のバイトもしている。稼ぎはこっちの方がよっぽど大きいらしい。
にしても、先ほどから鼻をつく生臭い匂いは何だろう。特別、部屋が散らかつてるわけでもないのだが…。
「動物か何か飼ってる?」
「なんにも」
じゃこの獣のような匂いは、何だもしかして牝の匂い?
ま、慣れてきたからいいんだが。
「ところで、その本棚さ、雑誌がいっぱい裏返ってるけど、なんでよ?」
「え-、親なんかが来たときに困るからさあ」
彼女が、ひっくり返して背表紙を見せてくれる・大半が、連載していたSM雑誌だ。ちなみに、その
連載、彼女がSとして女性を責めるというもの・男はNG、相手は女性のみ。
それが彼女のこだわりらしい。
本棚に、「10分でイケるSEX絶頂体験」があった。「未遊」という著者名で、女性の絶頂体験を取材したものだ。
おもしろいことに、女性エロライターというのは、ある程度キャリアを積むと、データハウス社からこの手の本を出す。他にも何人か知っているが、悲しいかなそうした仕事は続かない。
エ口で食ってくのは、本当に厳しいのだ。
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