
スカウトたちと、駅の高架下にある蕎麦屋でダべっていたときのことだ。
それぞれ今月の成績(何人の女とヤッたか)を発表しでいた矢先、フイに漏らした。
「なあ、ホテル代って馬鹿らしくねえ?」
確かに。カップルの多い渋谷の場合、最安値のラブホテルですら2時間4千円の休憩料金を取られちまう。
ーカ月に20回以上利用する俺たちは、10万円近く出費していることになる
「10万あれば道玄坂あたりにマンション借りられるじゃん。なあ、どうだ?みんなでゼニを出し合って、本当に借りちゃうってのは?」
仮に10人の「濡れ上手」を集めれば、会費は1人頭ー万円。1カ月に3人もオナゴを搬入したら、充分にモトは取れる計算だ。オシ、決まり
こうして、オレたちの「ハメ部屋」が円山町にオープン
性感ヘルスの正面という好環境も手伝い、多い日は4、5匹の獲物が収穫されることになった。
誰かが部屋を使っている場合は、ドアノブに青いハンカチを巻き付けておくのがお約束で、オナゴが輪かんOKなら、ハンカチを赤色にし、都屋の中に仲間を引き入れる。
そんな、《お気楽性活》を満喫していたある日、先輩スカウトから一報が入った
「悪いんだけどよ、オレ、あの部屋に住んでもかまわねえかな」
「えっ」
聞けば、いま住んでるマンションが取り壊されるらしく、新たな住処を探さなければならないというのだが・・
「敷金礼金もバカになんねえし、保証人になってくれる人もいねえんだよ。オマエらだってセンパイをホームレスにしたくねえべ」
「うーん」
「もちろん、部屋ばこれまでどおり使っていいし、家賃もオレの嫁(カノジョの意)に払わせるからよ。な、頼むよ」
…ま、大先輩の頼みとあらば仕方ないか。その後もオレたちはハメ部屋にオナゴを連れ込んだ。
深夜の円山町にいた仕事帰りのホテトル嬢、センター街に捨てられた生ゴミ臭い泥酔女、家出をしていた某有名大学名誉教授のお嬢様…。
居ようがいまいがおかまいなしだ。
ところが、ーカ月後の12月24日、現場で補導した幸恵(20才/美容師見習い)を「ハメ部屋」に運び込んだオレは、思わず後ずさりしてしまう。
「メリーメリークリスマースきゃはあ」
どこかで見たことのある顔だど思ったら、先日、8人で輪かんした家出ムスメ3人組じゃないのっ
キミらどーしてクリスマスの準備なんかしてるわけ?
首をかしげたそのとき、目を疑うような光景が飛び込んできた。なんと、なんと、パンツ姿の彼女たちの尻に敷かれながら、天にも昇りそうな表情で勃起していたのである。どーなってんだ?
「ちょ、ちょっとなんで新規でもないオナゴを部屋にあげてるんスか?」
「……。あふ、あふっ。うへ、うへへ」
当連載でも何度となく申し上げているとおり、オレたちが興味を示すのは「新規のオナゴとのセックス」のみ。
一度食したオンナを「オカワリ」しようものなら、皆から「目クソ鼻クソ」と笑われ、ヒドい場合は渋谷出禁を通達されるのがオチだ。実際、このハメ部屋も、「新規のみ入室許す」が暗黙のルールだったはず。なのにー
オレは「栄光の時代」に思いを馳せた。6年前のギャル男全盛期、誰よりもガングロを極めた「伝説の漢」こそ他ならぬ彼なのだ。
「オレの玉袋を見習え。裏の裏まで、よーく焼けてるべ?」
南口のトイレで、大先輩の股間に何度も何度も手を合わせたあの日。
「新規の穴蔵に新規のチンポを入れてみたい」がロ癖で、ナンパ中も路上でスラックスを汚しでいた性豪が、家出ムスメごときに入れあげるなんて…イカンー・イカンぞコレはー
「卓郎さんー目を覚ましてくださいよーなんでこんなゴミと戯れてるんスか。あの自の卓郎さんは玉袋の裏まで輝いてましたよー」
大先輩に向かって、オレは大粒の唾を吐いた。
「だってさあ、今夜はクリスマスじゃん。オレだって、もう歳なんだぜっこんな日にナンパなんかやってられない」
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