低学歴で根性のある若者を裏仕事に斡旋して借金返済。
ハローワーク職員の言えない秘密
究極の選択を迫られる瞬間がある。
何かを得るには、代価を払わねばならないのだ。私は自分の生活を守るため良心を捨てた。
公務員試験に受かり、ハローワークに配属されたのは今から10年前のこと。
やがて上司の娘と結婚、子供にも恵まれた。
そう、私の人生は順風満帆だった。3年前までは。
好事魔多しとはよく言ったもので、久々に会った悪友と韓国クラブに出かけ、すっかりハマってしまった。月ー回が2回になり、やがて毎週通うようになると、公務員の安月給で足りるわけがない。だからといって、利息の安い公務員共済で借りれば義父の耳に入り、下手すりゃ離婚に発展しかねない。仕方なくサラ金に足を運んだ。あっという間に200万の借金を作り、それでもクラブ通いを止められず、ついには街金にまで手を出した。
「よその分もうちでー本にまとめたらどうですか。ハローワークにお勤めなんでしよ。特別、250出しますよ」
世間知らずの私は、店長のことばを好意と受け取り、有り難く250万を借りてしまった。年利30％以上で、月の支払いが7万を超えるとも知らずに。返しても返しても負債額は減らない、それどころか増えるばかり。
「金が返せないなら力ミさんソープに売るか、あんたの腎臓を売るか。どうすんだ」
半年も経たず返済は滞り、聞くに堪えない督促電話が入り出した。
このままではいずれ職場にも・・。真面目に退職を考え始めたころ、店長から携帯に電話がかかってきた。
「おたく、ハローワークに勤めてるんだろ。若手の人材をうちに紹介してくれりゃ、ー人につき10万ずつやるよ」
義父に事情を打ち明け辞表を提出するか、それとも話に乗るか、私は選択を迫られ、最終的に後者を選んだ。
腹を括れば、そう難しい仕事じゃない。低学歴で、根性がありそうな若者が窓口に来たら、こう言う。
「キミの希望にあった就職先はないけど、個人的になら紹介してあげられるかもしれない。仕事が終わる午後5時30分に、駅前の公園で待っててくれないか」
後は時間までに店長に連絡を付け、公園で引き合わせるまでだ。
★この2年で38人を斡旋した！とっくに借金はなくなっていいはずだが、店長にはあと10人がノルマだといわれている。詳しくは聞いてないが、私が紹介した若者たちは、街金の取り立てや、ピンサロの呼び込み。さらには架空請求詐欺などに動員されてるらしい。あと10人。店長は本当に約束を守ってくれるだろうか。
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