
良い女を抱きたければ街で援助交際パパ活ナンパせよ
テレクラ待ち合わせのメッカとされる公衆電話ボックスの前で獲物を狙っていた。
他人が引っかけた女を横取る腹づもりだった。
店で必死コイてる連中には悪いが、こちらの方がよほど効率的だ。
10分後、バスの方から白いコー卜を着た20代前半の痩せた女が現れた。
所在なげに辺りを見回す姿はどう見てもテレクラ女のそれ。
私は迷うことなく声をかけた。女の反応はやけに悪かった。
もしや人違いか。…いやここはもう少し押してみよう。
「ごめんなさい。ボク、メル友と待ち合わせしてたんだけど、フラれちやったみたいなんですよ」
「…はぁ」
「ところで、もしよかったらこれから餃子でも食べいきません。もちろん、ボクがおごりますし」「…じゃあ、少しだけ」
果たして彼女は居酒屋で呑んだ後、すんなりラブホに付いてきた。テレクラ女にもかかわらずだ。彼女が何が気に入ったのかはわからない。
が、これがぎっかけで私はナンパにのめり込む。中年男でも女が引っかかるのだ。
が結果は散々だった。それこそ町中の女に声をかけたものの、誰1人振り向いてくれない。
どころか、「キモイんだよ、ジジイ! 」とスネまで蹴られる始末。
しよせん無謀な考えだったのだ。
3力月後宇都宮駅で、奇妙な光景に出くわした。
6 0、5 0代らしいやせぎすとこれまた5 0代と思われるガタイの良いシャツの3人組が、道行く女に声をかけまくっている。まさかナンパ?興味をそそられ、思わず声をかけた。
「こんにちわ〜。調子はどうです? 引っかかります?」
「ん〜?いまいちだねえ」
リ—ダー格と思しき男が言う。彼らは、宇都宮をテリトリーとする中年ナンパ師のグル—プで、他にもこの界隈に似たようなグループが二つほどあるらしい。
「宇都宮は尻の軽い女が多いし、若い男もダラしねえから、ナンパ目的のオッサンが集まつてくんのよ」
「へえ〜」
「オレは年金生活で、こいつらも自営業だからさ。ヒマなときはたいがいここで女のケツ追っかけてるわ」
信じられなかった。なんとこの御仁、ここ2年で100人近い女を食っているというのだ。
「なんならナンパしてみる?」
「え、いいんですか?」
「ああ減るもんでないし」
「お願いします!」
これでオイシイ思いにありつけると期待した私がバカだった。
女が駐輪場に下りるエレベ—夕に乗り込んだ瞬間自分もサッと飛び乗り、2人っきりの空間を演出するまではいいのだが、その後、あっさりエンコー話をフッてしまうのだ。なんだよ、結局は金かよ。
「バカ、そんな常識的なこと言ってっからダメなんだよ」
リーダーは言う。遊び場の少ない宇都宮の場合、時間をモテあましたビンボー学生が駅前やデパ— 卜にタムロしている。コイツらを安く買い叩かない手はないのだ、と。
「テレクラなんぞ行っても、ブタみてえなのが平気で二だの三だのつてヌかしやがるだろ。自分の目で選んだ方がよっぽどいいじやねえか」
「…でも」
「若くてイイ女とヤリたくねえのかよ」
翌日から、私は人が変わったように町中の若くてイイ女にエンコーを持ちかけるようになった。
駅で拾った坂下千里子似の朝子はイチゴ—、東武デパート前で携帯メ—ルを打っていたモー娘。新垣似の美恵子はイチと、どいつもこいつも面白いように股を開く。やはり頼るべきはカネだ。
そしてーカ月後、いつものように駅東口の前で女に声をかけていると、背後からドスの利いた声が突き刺さつた
「オマエ、こんなところでやっていいと思ってんの」
振りかえれば、と対立関係にあるグループのリーダーだった。
「いまからケーサツいくか。コラ」
そう言えばコイツ、ヤクザと関係があるとか…。
「…いやあ、カンベンしてくださいよ。これからは気をつけますから」
「……ったく。もぅ二度と宇都宮に来るんじゃねえぞ」
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