接待の名を借り、公然と異国で女遊び。商社マンは本当においしい商売だ。
某商社の海外資材部に勤務して15年。女が買えると聞けば、アムスにタニヤ、昆明にプノンペン。
そう、私は、 エイズ検査で陰性なのが不思議なほど、命知らずの買春野郎である。
だから、同僚にその話を聞 かされたときも、胸の高まりを抑えられなかった、 「上海のデパートで店員が買えるらしいぞ」
早い話、デパガがアフター5に売春をしており、働く姿を見て指名できるというのだが、これ自体はなんら珍しい話ではない。
裏モノ「台湾の「〇」店員と過こした熱い夜」でも、顔見せ ホテトルとして紹介された、例のシステムだ。
問題は上海という土地である。中国で売春は死刑、普通のOLがそんなリスクを負いながら小遣い稼ぎをしているというのが、なんともソソるではないか。
バイヤーを自認する私がとても見過ごせる話ではない。
昨年秋、チャンスが巡ってきた。上海出張を命じられたのだ。
商談をそこそこに切り上げ、 私は南京路へ向う。目指すは同僚に教えられた「〇百貨店」である。 平日の午後、ビジネス街というロケーションで客はまばら。さっそく、各階ことに目ぼしい女性店員をチェックし始めた。 お、あの娘、ずいぶんエ口い体だな。うっひょー、キミなんか真鍋かをりにクリソツじゃん。
思ったより、レベル高いぞお。興奮を抑えつつー階正面玄関へ向う。事前の話で、デパート前にポン引きが待機しており、彼に好みの娘を告げると、本人と交渉してくれると聞いていたのだ。
「なあ、あんた日本人だろ。 中国人の恋人は欲しくないかいっ」
周囲を見渡しながら立つこと5分。白シャツの男が、ニヤけながら流暢な英語で話しかけてきた。 「どうだ、このデパートはかわいい娘が多いだろ。アンタの好みはいたか？」
きたきたー。さっそく、某紳士ブランドでレジを打っていた、真鍋似の店員の特徴を伝える。
「オーケー。あの娘なら紹介できるよ。今晩ここに電話してくれ」
ポンと紙きれを差し出す男。 んっ・これで終わり？大丈夫だろうな。 心配は杷憂だった。
その晩、 本物の彼女が男に連れられ、 私のホテルにやってきたのだ。
料金は一晩で3千元（日本円で約4万5千円）。少々割高だが、恋人気分の濃厚セックスは、私を十分に満足させるものだった。
紳士服売場の試着室で白い手がブリーフにすっかり味をしめた私、翌日も「〇百貨店」へと足を運んだ。 今宵の相手は誰にしようか
なー。なんか、この店の女が 全員愛人のような気がしてきたぞ。
顔を緩ませ店内を紡得う私の足は、ふと紳士服売場で止まる。
そういやスーツを新調しようと思ってたんだ。せっかくだから、ついでにあつらってくか。 吊るしからスラックスを手に取り、近くにいた女性店員に手を上げる。
「スイマセン。これ、試着させてもらうよ」
カーテンを閉め、パンツ姿になったそのときだ。
《ササッー》 わっー まだ穿いてないの に、入ってくんなよ
「フフ・・」
後ろ手でカーテンを閉める 店員。と、彼女の白い手がボクサーブリーフへ伸びてきた。
キ、キミッ…。
「みんなには内緒ね…」
「は、はう？」
布の上から優しくマッサー ジをされ、ギンギンになったムスコを残して試着室を出て行く店員。な、何だったんだ、 今のは…。
が、奇妙な出来事はこれで終わらない。 スーツを羽織れば、別の店員が背後から乳首をナデナデ。 耳元に息を吹きかける。続いて訪れたシャツ売場では、店員が首まわりをメジャーで測る際に、なんと腕を巻きつけキスしてきたのだ。
「さっきの女に変なことされてない？あんなの相手にしちゃダメよ」
フロアを歩けば、意味ありげに微笑みかける店員多数。接客態度にしては明らかに度を越している。さらに言えば、みな互いの動きを妙に牽制しているから何とも妖しい雰囲気だ。しかし、極めつけはコレだろう。支払いを済ませエレべー ターに乗り込むと、扉が閉まる寸前にポニーテールの娘が飛び込んできた。フロアランプを見上げる私、そして紙袋を差し出し、彼女が
「これプレゼント。ラルフローレンのネクタイよ。私以外はみんな病気持ちばかりだから気をつけて」
上海におけるOLの平均月収は150旦元（約2万2500円）。
冷静に考えれば、一晩で2カ月分の収入をもたらす外国人は、金の成る木以外の何者でもない。そんな女よりも私を買ってちょうだい。彼女たちのアピール合戦は、自由経済の発展著しい上海を象徴しているとも言えよう。しかし、ビジネスには常に敗者がつきものだ。
今年３月、再び上海出張の機会があり、あのデパートに寄ってみると、私に色目を使っていた連中が１人残らず消えていた。
不審に感じ、１人の店員を呼び止める。
「半年前に接客してくれた子が見あたらないんだけど」
「ああ、前にこのフロアにいた人たちね。店員同士のケンカが絶えないうえに、商品まで盗むヤツがいたの。みんなクビになったわよ」
- 関連記事
カテゴリ
タグ
