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銀座に援交、逆ナン目的のOLで混むバーがあるって本当か!?

なぜオレが、さほどに忌み嫌う銀座をウロついているのかというと、

「銀座にさあ、援交、逆ナン目的のOLで混みあうバーがあるんだって。これが本当だったら面白いよね。ね、麻野くん」

電話をかけてきたのは裏モノ編集部のT氏である。

「ネタ元はどこなんですか?」

「ネットの掲示板。一例を挙げるとだね、…2、3人組の女が多く…ほとんどの女が男を持ちかえってますよVとこんな感じなんだけど」

「……」

もう勘弁してよ。そんな話をどう信じろってんだよ。

ネットの掲示板なんかデタラメ情報ばっかりじゃん。もっといいネタ探そうよ。

まったく食指の動かぬ依頼は受けない。それがオレの信条だ。

しかし、他でもない裏モノからのご指名とあらば仕方ない。ここは涙を飲むか。

「あれ。どったの、麻野くん。まさかノリ気じゃない?」

「何を言ってるんですか。もちろんヤル気マンマンですよ。要するに、そのバーに行って逆ナンされてくればいいんですよね」

「そそ。そういうこと」

「バーの名は何スか」

「シビー(仮名)だよ」
とりあえず依頼は受けたものの、アヤシさ全開。


こうして銀座に出向き、シビーの所在を探索していてなお、オレはそんな馬鹿げた話を信じてはいない。

が、某有名デパートの裏へと回り、あっさり店の看板が見つかった瞬間、少し気が引き締まった。側に階段があり、下に伸びている。恐らく入り口は地下。

なるほど、ベースメントバーか。
入手した情報では、本日、ここでクラブもどきのイベントが開催されるらしい。シビーに集うOLたちが、逆ナンや援交をしているかはさておき、常連ならばこのイベントに来ないわけがない。実態を探るには絶好の日と言えるだろう。

「いらつしゃいませー。何枚いりますか?」

ドアを開けると、いきなり店員が妙なことを口にした。

ワケがわからず聞きなおすと、どうやらここは、ドリンクから食べ物まで、すべて300円と激安で、チケット制になっているらしい。納得したところでチケットを10枚購入し、暗めの店内へと歩を進めた。

フロア部分に、イスなしの大きなテーブルが2つ。みな立ったまま酒を飲んでいる。入りは悪くない。いやむしろ熱気ムンムンの盛況ぶりである。

が、その盛り上がりは、オレにとって決して心地いいものではなかった。

客の大半は男。10人中7人、いや9人はスーツ姿の男性客だ。

対して女性陣は、意楽に合わせてクルクル踊っているコが3人。とてもOLには見えないが、まずまずの容姿。他には団体客の中に2人。あとは…おらん。

ったくこんな男風呂のような有様でどーせいっちゆうの。早くも泣きたい気分だが、とりあえず、逆ナンされるか試すしかない。

男女混合グループの2人組はお話にならないので、ダンス3人組に狙いを定よう。彼女らによく見える位置まで移動し、まずは壁にもたれてタバコをチューと一服。遠くを見る視線も忘れない。

が、何しろ客が多く、すぐ誰かが間に入り視界を遮ってくる。ダメだ、こんなことをしてても気づいてくれん。それならばと、こちらも踊って自己主張。ヘヘーイ。彼女たち、見てるかい。ボクはここだよ、ここにいるのだよー。

リズムをとりながら、チラリ様子を伺うと、ガーン。

いつのまにか帰り支度を始めてやがる。オレの存在すら気づかず帰ってゆくのか、ギャルズー

…ほらね、言わんこっちゃない。男に飢えて逆ナンする女が、お気取りさんだらけの銀座にワラワラいてたまるかってんだ。やっぱり噂はウソウソ。これじゃ企画は成立しないな。アホらし。酒でも飲んで帰るぞ、オレは。


ネットに流れてからダサいヤツが増えた
すっかり気持ちが萎えたオレの目に、妙な張り紙が飛び込んできたのは、生ビールをグラス半分ほど飲んだころだ。

こんなナンパは迷惑行為です

ナンだ?ナニが言いたいんだ。

好みの人じゃない、話がつまらない、下品である、酔っ払っている、汚らしい…こんな客にお困りの方は従業員にご相談下さい。速やかに楽しく対処いたします

腹の立つ文面である。おちゃらけた文体だが、要は調子に乗るとツマミ出すぞってワケだ。

ぐぐぐ、なんたる倣慢。しかも、思いっきり「女の味方です」とアピールを忘れないイヤらしさ。あんなヒョーロク玉な店員に何ができるっちゆうんじゃい。暴れてやるから、楽しく対処してもらおうじゃねーか。

…いや待て。男風呂風情のバーが、ナンパ御法度だと?変じゃねえーか。ということは、何か。この店普通のナンパが盛んだとでもいうのか?

待て待て待て。頭を切り替え、落ち着いて店内を観察してみる。

改めて店内を見回して、オレは初めて気がついた。新たな客が入ってくると、男性客は瞬時に反応し、人り口を凝視している。

しかも、わざわざクラブイベントに来ていながら、一向に踊ろうとも、意楽に耳を傾けようともしない。張り紙と男客の態度を足して出てくる答は…。

間違いない、シビーは逆ナンが横行している飲み屋ではなく、ナンパバーなのだ。こりゃ、仕事はまだ終わってないぞ。

「あの、ここってOLとか簡単にナンパできるんですか?こまずは、店内状況を把握すべく、ヒマそうなスーツくんに話を聞いてみた。

「あー。女のコも来るバーなんかじゃ、ダントツじゃないかな」

「マジっすか」

「うん、俺はそう思うけど」

「え、え。どういうこと」

「まあ、ここじゃかなりナンパが流行ってんだよ。張り紙見たでしょ」

だから、それを承知で飲みにくる女のコってのは・・声がかかるのを待っているというわけだ。つまり、気楽にナンパができるバーだと考えればいいのだな。しかし、それにしては女の絶対数が少な過ぎではないか。

「いやー、噂が広まり過ぎた結果だよ。ネットに流れてから一気にダサいヤツまで増えちゃってさ。女のコもウザがって、客足が減っちゃったんだよね」

「じゃ、最近はずーっとこんな感じなんスか」

「今日は特にヒドイよ。平日の方が女はいるよ。それにOLだけじゃなくて、女子大生とかもけっこういるから、がんばってみなよ」

ふむ。スーツくんの言うとおり、平日の方がマシな気がする。

仕事もない週末に、たかが立飲みバーへ出向いてくるという発想は、無理があったかもしれない。

ただいま時間は深夜1時半。終電はとっくになく、これ以上待っても、新しい女性客は望めない。

よし、ここはいったん出直すか。


深夜の銀座で路上はいかがなものか
深夜の銀座を歩きながら、ふと思いついた。いま、ここでナンパできないだろうか。

それまでナンパ不毛の地といわれた場所にナンパバーがあったのだ。もしかして、声をかけたら即一発という、夢のような状況を教授できるかもしれない。
呆けた顔で、あさましい妄想を働かせていると、折りよく、手ごろな女が向こうから歩いてくる。

よーし、行けー

「イエーイ。どこ行くの?オレさあ・・」

二コツコツコッ。立ち止まる素振りすらみせず、女は去っていく。まあ、こんなツレナイ女は、どこにでもいる。全然気にしません。次、次。

「アチョーー・へへ、びっくりした?でナニ、どっかで飲んでたの」

コツコツコツ。オレの顔に鼻クソでもついているのか。

なんでこっちを見ようともしないんだ。それでもしつこく新たな獲物を物色中、前方で冴えない外国人が初めのコツコッ女にナンパしているところを発見。

とっさに建物の陰に背中を張りつけた。

と、どうしたことざんしょ。1分もたたぬうちに、2人仲良く歩き出したではないか。おのれ、外国人。六本木ならいざ知らず、銀座に来てまでナンパを働くとは見上げた根性だ。

うし、それならオレも外国人を装ってナンパしてやる。


ちょうど目の前に、銀座にはとても似つかないギャル風の2人組が交差点で信号待ちだ。

ぷぷぷ、きっとウケるぞ。

「ナマステ」

「は?」

「ワタシ、ネパールカラキタョ。ニホンノレディー、スキョ」

コツコツコツ。

…それにしても、このガードの固さ、並大抵じゃないね。その後オレは、夜が白んでくるまでの数時間、手当たり次第に声をかけまくった。結果は言わずもがな。

・・ふー。シビー、お前は裏切らないだろうな。


夢御殿まであとわずかなりー

2日後の午後6時。恐る恐るシビーの扉を開け、オレは目を疑った。

店内のどこを見渡しても、女の姿が視界に入るのだ。

むろん、男性客もそれなりにいるので、割合としては五分五分だが、先日の悪夢のような状態と比べると、天と地の差だ。

しかも嬉しいことに、来ている女たちはみな同性の2人組、3人組ばかりで、中には単独で飲んでいる強者までいる。

・・みんなナンパ待ちなのか。これだけいれば、最低でも1人は喰えちゃうじゃない。

しかし、ヘラヘラとニヤけているヒマはない。彼女らを狙っているのは、他の男性客とて同じ。連中、女のコがフリーと見るや、すかさず周囲に群がりだすのだ。

しかも、その素早さはオリンピックもので、他の男がL手く口説けず、連れだしに失敗すると、それまで背を向けて飲んでいた輩が瞬時に振媛向きナンパ開始。

で、そいつも敗退して去れば、今度は隣で何食わぬ顔をして飲んでいた野郎が、目覚めた獣のように攻撃しだ克おお、これぞまさにナンパバー。

オレもさっそく加わわらねば。見渡すと、店の奥でOL風2人が談笑していた。まだ、他のスーッ連中にも狙われてない様子。すぐさまビールを握りしめ、隣に立った。

「こんばんわ。2人で来たんですか?」

「そうだよ。仕事帰りにちょっと飲もうと思って」

銀座にある某デパートの店員だという、タマミとマサコは24才。双方、お世辞にもカワイイとは言えないが、ノリがよく話も弾む。

「…でさ、ソイッがもらしたんだ」

「ぎゃははは、チョー受ける。で、で」

「火がついて、ケツというケツの毛が、もうチリヂリのアフロよ」

「ぐひー。胃が痛いい」

期待どおりのリアクションを見せるタマミとマサコ。これだけ打ち解ければ、2軒目に連れ出すことは容易だろう。で、もう少し酔わせれば、あとは…。きゃっきゃっきゃっ、夢御殿までわずかなり。

「ゆつくり座れるところで飲みなおさない?」

「いーよ。そっちが、オゴってくれるならねー」

「ねー」

おいおい、何だよ。図々しいな、ブスのくせに。けど、こっちはすでにヤル気モード。ここでチャンスを逃す法はない。

「まかしとけ。じゃ2軒目いこう」

2人を引き連れ、行った先はコジンマリとしたバー。

イスに座ってじっくり攻めるのもいいが、そろそろターゲットを1人に絞りた暁やはりここは、よーく見れば広末涼子に見える気がするタマミが。

マサコ帰れ、マサコ帰れと念じつつ、必死のトークをかます。

が、そう都合よくいくわけがない。2人連れをナンパするとき、片方のみをョイショするのはタブーに近い。それは百も承知だが、タマミを落とそうと必死になるあまり、どうしてもマサコの機嫌を損ねてしまうのだ。そして恐れていたことがついに。

「もっ出ようか」

へこみ気味のマサコに気を遺ったのか、タマミが立ちあがった。無念。諦めたオレは2人を駅まで送り、そこで別れた。
連れ出す前に2人を分断せねば
店に戻ってみると、客の数がかなり減っていた。

特に女のコの減りが著しい。

きっとオレが外で飲んでいるスキに連れ出されていったのだろうが、痛いのは、頼みにしていた単独女性が1人もいないことだ。

チっ、最初からそっち狙いにしとけばよかった。

店内、いたるところで男女がワキアイアイやっている中、入り込むスキはないものか、よーく観察してみると、ん?カウンター近くの男女4人。

どうも様子が違うんじゃないの?女2人組が20才そこそこの学生風なのに対し、男2人組はどう見ても40近いおっさん。
気持ちはわかるが、どう考えても強引だ。交渉決裂のときは早い。当然ここは待ち、だ。果たして予想どおり、苦笑いを浮かべた女のコたちが、こちらの方へ避難してきた。いよっ、待ってましたー。

「どうよし。大変そうだったね、見てたよ」

「あはは、あのオジさんたち?別にイヤな人たちじゃなかったけど、話が合わなくてさあ」

「オレ、敬治。名前なんてえの。よろしくー」

カズミは22才のフリーター。20才の大学生、ミドリとはバイト先の同僚だといい、シビーには結構飲みに来ているというこの両人、先ほどのタマミたちとは違い2人ともエライべっぴんさん。ガードの緩そうなしゃべり方が何ともソソりますなあ。

しかし、ここで気をユルめちゃいかん。話が弾むのは大いに結構だが、外に連れ出し2人を分断させねばならない。

でも、これが意外にムヅかしいんだな。会話を滞らせてはイケナイという意識が邪魔をし、うまく策を練ることができないんですよ。

ああ、どうしよう。話はズンズン盛り上がってるのにヤバいぞ、このままじゃ。
「私服くんは力モられるだけよ」
と、突然カズミの携帯が鳴った。何をしゃべっているのかはよく聞き取れないが、態度から見て、親しい人間には違いない。

そして、「ごめん、彼氏が迎えに来るっていうから私、先帰っていいっ一」
ヨッシー、ユキと名乗る2人組、19才の大学生で、名古屋から春休みを利用して遊びに来たらしい。で、何でもシビーが某テレビ番組で紹介(激安バーとして)されてたため、わざわざ渋谷のホテルから銀座に出向いてきたらしい。

とりあえず、店に連れて入り、お話すること10分。オレは確信を抱いた。コイツらとならヤレる。

第一、やたらとドネタを話す。

第二に、すぐに胸を触らせてくれる。

ま、単刀直入が一番でしょう。

「眠たいんだろう。盛り下げないためにも、3Pしようぜ」

「えーいいよ」

ヒトーツ、フターッ。何度数えても、ケッが2個ある。これ両方ともいただけるんですかー何だこの展開。イェーイ、すごい。

だが、いざホテルに入り、プレイに臨んでみると、それは思い描いていたものとはまったく異なる
結合している側で、ユキは何の緊張感もなくズー、ズーとイビキをかき始めるボンクラぶり。

さらに、ダブルフエラを所望しようものなら、

「お前の脳みそビミョー」

「エロビデオ見過ぎなんだよ」

ヤツらの横暴はドンドン加速し、飲みすぎてなかなかイカないオレに「5分以内にイケ」だの「もう寝たい」だのもう、ウルサイのなんのって。

しかも、ぶち壊しムードの中、どうにかこうにか発射し、シャワーを浴びて出てくると、2人は夢の中でベッドでゴーゴー爆睡中ときたもんだ。5分後、ヨッシーとユキをベッドに残し、オレはホテルを出た。

★シビーには、ナンパ待ち女がかなりいる。

それは間違いないが、おわかりのように、どうも「ナンパ」の意味が違うらしい。

あなたが、商社マンや広告マンでないのなら、ムシられるのがオチだろう。

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