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病院のホームページといえば、ひかえめな落ち着いたデザインで統一されている。

患者に安心感を与えるためには当然の配慮だ。 
しかし「●●会」なる病院は違う。

赤、青、緑の文字がこれでもかとばかりに点滅し、招き猫が「welcome!」と目ン玉を光らせている。病院がウェルカムってどうなんよ。

とにかく、ページ内どこもかしこも大塚ピンサロを凌ぐ品のなさだ。
当然のようにギモンが浮かぶ。

ここ、大丈夫なのか?ちゃんと診察してくれるのか?
変な液体を注入されたりするんじゃないのか?
診療科目は内科、小児科、産婦人科とあるので、8月ようやく風邪気味になったところでいざ●●会へ向かった。
見た目は普通の病院の受付に、若い女性スタッフがいた。

「初めてですか?」

渡された紙に名前を書いているとき、廊下の棚が目に入った。招き猫が大量に並べてあるぞ。
「あの招き猫って?」
「あれは院長先生が好きで集めてるんですよ」
「…ホームページにも招き猫が載ってますよね?」
「ホームページも院長先生が作ってるんですよ」
「…けっこうインパクトがありますよね?」
「そうなんですよ。私、最初見たときビックリしたんですよ、何コレみたいな」
スタッフまでびっくりしてんのか。

ま、少なくともこの女性はマトモってことだな。まもなく診察の順番がやってきた。担当はかなり歳のいったジイさん先生だ。
「今日はどうしました?」
「何だか風邪気味で」

熱は? 咳は?
いくつか質問した後、先生が聴診器を構える。
「胸の音に異常などはありませんね。軽い風邪でしょう。クスリ出しときますよ」
普通だ。実に真っ当に診察してくれた。いい先生じゃないか。
「…あのぉ、ここのホームページって・・・」
「ああ、あれは産科のほうの院長が作ったんですよ。私の兄ですが」
「あ、そうなんですか」
「ヘンでしょ、患者さんにもヘンだとよく言われるですよ。昔は音とかも出てましたよ。裕次郎がララララーンって」 
病院に裕次郎!
「でも、アニキは別に普通の人間ですよ。慶應の医学部を出てますし。そもそも産婦人
科医がへんな人間だと誰も来なくなるでしょ」

そりゃそうだ。
つまりこの病院、いたってマトモだけど、ホームページだけは院長の趣味でおかしな
方向に向かってしまったというのが真相のようだ。
風邪、治りました。ありがとうございます。

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