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高齢者の昼カラオケが、コロナのクラスターになっていることは今や常識だ。狭い空間で飛沫を飛ばし合うんだから当たり前である。
 
もうさすがにそんなバカな場所で遊ぶ老人もいないだろうとつい思いがちだが、いまだにニュースは流れてくる。どこそこのスナックの昼カラオケで、またクラスターが発生したと。
 
俺は思う。そこまでして熱唱したいってことは、それはジジババたちにとって命より大切な歌だからに違いない。誰にだって、ある一曲にまつわる思い出はあるだろう。あのころよく流れてただとか、恋人とよく聴いただとか。
ジジババがうたう歌には、そんな軽い郷愁などではなく、命よりもずっと重い何かが込められているのだ。

『北国の春・千昌夫』
「い、いのち?いや、まあそこまでじゃねえけど⋮」
(男性)

 平日の夕方、まずは池袋のハズレにある、古びたスナックにやってきた。
「いらっしゃいませ~」
 厚化粧ママさんがお出迎えだ。
 店内のカウンター席には70前後と思しき白髪老人男性が座り、酒を片手にデンモクをいじくっている。お客さんは彼一人だけみたいだ。
 近くに座ってみよう。
「すみません。お隣いいですか?」
 シワだらけの顔を上げてこちらを向くジイサン。当然マスクはしていない。
「おう、いいよ」
「ありがとうございます~」
「ニイチャン若いのに、昼間からこんなとこ来てたらダメになっちまうぞ~」
 と笑いながら語り、ママさんが混ぜっ返す。
「ちょっと、こんなとこってどういうことよ~!」
 このやり取りを見るに、常連みたいだ。
「じゃあ」ジイサンがピピピっとデンモクを操作し、モニタにタイトルが表示される。
『北国の春・千昌夫』
 軽快なイントロに続き、ジイサンがコブシを入れて歌い始めた。
 ふーん、これがコロナ禍で世間が大変なときに、飛沫を振りまいてでも歌いたい曲ってわけか。
「お父さんお上手ですね~」
「アハハ、まあ十八番だからな」
「気持ちを込めて歌ってましたけど、何か思い出とかあるんですか?」
「え? 思い出?」
「ほら、今コロナで昼カラが大変な時期ですけど、それでも歌いたい理由があるのかなと思って」
 数秒の間が空いて、眉間にシワを寄せて答えるジイサン。
「そうだなぁ、故郷を思い出すってのはあるな~」
 結婚だ、子供だと、しみじみと思い出トークは続く。
「何十年も帰ってねえけど、これ歌うと目に浮かぶんだよな」
 ふむ。懐かしがるのは結構だが、それだけでは命より大事な理由になってないが。
「でもこの時期に歌うってことは、その思い出が命よりも大事な歌ってことですか?」
「い、いのち? いや、まあそこまでじゃねえけど…」
「でも、コロナにかかる可能性があっても、歌いたいほどの歌ってことですよね?」
「おいニイチャン、ちょっと乱暴すぎるよ…。別に比べるもんじゃないだろ」
 いやいや大事なとこだぞ。現にクラスターになる可能性だって充分あるし。
「もし、この歌が原因でコロナにかかっても後悔はないってことなんですかね?」
「あんた、いきなりなんだよ。ああ、もしコロナにかかっても後悔はしねえよ。これでいいか?」
 そう言って、プイっとそっぽを向いてしまった。

『北酒場・細川たかし』
「ああ、まあ、うん、好きだけどね」
(男性・60代後半くらい)
 一軒目を出て、すぐ近くにある別のスナックに入店。
 こちらはかなり繁盛していて、60代から70代後半くらいの老人4名が、カウンターに座ってチビチビやっている。もちろん全員マスクなんぞしていない。
 にしても、変異株だマンボウだなんだ言われてるときに、昼間っから歌いまくってて、この老人たちは恥ずかしくないのだろうか。
 さっそく、ハゲ上がった頭の60代後半くらいの男性の隣に座り、様子を伺う。
「ここ失礼します~」
「ありゃ若いのに珍しいね~」
 ニカっと笑うハゲオッサン。歓迎してくれてるみたいだ。
「おっと、俺の番だな」
 ちょうど前の人が歌い終えたタイミングだったみたいだ。モニタにハゲオッサンの曲が表示される。『北酒場・細川たかし』
 オッサンはノリノリで歌い終えた。
「ふぃ~」
 グラスを手にとり、グイっとウーロンハイを飲み干す。
「あんたもなんか歌ったら?」
デンモクを差し出されたが、遠慮した。目的はそんなところにはない。
「あの、すみません」
「ん? どした?」
「えっと、いきなりなんですけど、今の曲って命よりも大事な歌なんですか?」
「………ん? なにが?」
突然の問いかけに目が点になってる。意味がわかってない様子だ。ちょっとちょっと!
「コロナ怖いじゃないですか。だけどカラオケに来てるってことは、命に代えてでも歌いたい曲なのかなと思いまして」
「……ああ、まあ、うん、好きだけどね」
「やっぱりそれだけ大事な曲なんですか?」
 腕を組んでうーんとうなるオッサン。
「まあ、そうだな。調子のいい曲だろ?」
 たしかにアップテンポな曲ではあるけどね。
「昔からこれよく歌うんだよ。モノマネしたりとか」
「はあ、モノマネですか」
「そそ、コブシ入れるとことかね」
 だからって、いま、命を危険に晒してでも歌いたいもんかな。
「この時期に歌わなくてもよくないですか?」
「ああ、まあ、うん…」
 さっきまで上機嫌だったのが徐々にムスっとした表情になっていく。
「命より大切なわけでもないんですね、北酒場」
「…………」
 それ以上何を言ってもスルーされてしまった。

『乾杯・長渕剛』
「そうそう、歌って死ねたら本望だな」
(男性・60代後半くらい)
 隣のオッサンと気まずい空気が流れる中、新しい客がやってきた。
60代後半くらいかな。
「おう、生一杯!」
 口からプ~ンと酒臭いニオイが漂う。どこかで一杯引っ掛けてきてるようだ。
「おっしゃ~」
 デンモクをピッピと慣れた手つきで操作して、モニタにタイトルが表示された。
『乾杯・長渕剛』
 大声で熱唱し終えたタイミングで、話しかける。
「いや~、お上手ですね」
「そうかい? ありがとさん」
 ジョッキをこちらに向けてきた。乾杯しようってことみたいだ。
「熱唱してましたけど、何か思い入れがあるんですか?」
「思い入れ? ああ、まあね。ナガブチで一番好きな曲だよ」
 ふーん、コロナ禍で、命をかけてでもってことだろうか。
「でもコロナなのに歌うほどですか?」
「コロナ? あんまり気にしてないなあ…。まあカミさんには控えるように言われてるけど」
 奥さんに言われても歌の方が大事なんだな。
「そんなに歌いたくなる理由があるんですか?」
「好きなんだよな~。好きなの。歌いやすいしね~」
「じゃあ、命より大事な歌ってことですか?」
「命って?」
「こんな時期だし、コロナで死んでもいいぐらいの覚悟があるのかって」
「そうそう、歌って死ねたら本望だな。コロナかかって来ーいだよ」
 ようやく、命より大切な歌だと断言する人が現れた。その愛情にカンパーイ︵アホな︶。


『チューリップ・心の旅』
「じゃあ、命より大事でいいよ」
(男性・70代前半くらい)
 続いて70代前半くらいのヒゲを蓄えたおじいちゃんに、順番が回ってきた。
 そんなお年じゃ、コロナに罹ったら危ないと思うけど…。相当な決意があって歌うにちがいない。注目しなくては。
 おじいちゃんの一曲がモニタに表示された。
『チューリップ・心の旅』
 ふーん、いまどきの70代はニューミュージックを歌うんだな。ちょっと意外だ。
 甲高い声の熱唱。周りの客たちも手拍子しながら一緒に歌ってて、えらい大盛り上がりだ。
 歌い終えたところで近づいてみる。
「お疲れ様です。いや~熱唱でしたね」
「ふふふ、青春の曲だからね」
 ほうほう、そりゃ結構なこって。
「懐かしいな~。友だちと肩組んで合唱してさ」
「はあ、合唱ですか…」
「うんうん、そうなんだよ」
 と物思いにふけってグビっと酒をあおるジイサン。
 悦に入ってるところ悪いけど、取り調べさせていただこう。
「じゃあやっぱり、命よりも大事な歌って感じなんですか?」
「ん? どういう意味?」
「ほら、コロナで大変な時期って意味ですよ」
「え? コロナが何?」
 いまいち質問の意図をわかってない。鈍いなあ。
「心の旅を歌えるなら死んでもいいのかってことですよ。コロナに罹ってでも歌いたいのかなと思って」
「いや、別にコロナは怖いけど、まあ大丈夫だろ。持病がなけりゃ死ぬことないし」
 ずいぶん楽観的なこって。
「でも高齢者の方は危ないんじゃないですかね。スナックがクラスターになったりとかしてますし」
「じゃあ何か? ずっと歌うなってことかい?」
「いや、命より大事な歌ならいいんですけど…」
「じゃあ、命より大事でいいよ」
 シーンと冷たい空気が漂う。
 さすがに何度も冷や水をぶっかけていたので、スナックの客たち全体から、コイツは頭オカシイんじゃないか? という視線が集まってきた。
 気まずいし、さすがに退散しよう…。

『気分を変えて・山崎ハコ』
「命とかじゃないわよ。もうあっち行って」
(女性・60代半ばくらい)
 お次は、少し足を伸ばして、隣駅のスナックにお邪魔した。
 カランカランと扉を開けると、意外にも女性客がカウンターで一人酒を飲んでいた。
 60代半ばくらいだろうか。水商売っぽい雰囲気のオバチャンである。
「じゃあ、私歌うね~」
 キャッキャとデンモクを操作している。彼女が命をかけてでも歌いたい曲はなんだろう。
『気分を変えて・山崎ハコ』
 今日初めて、知らない曲が出てきた。ジャンジャンと強烈なギターリフが流れて、マイクを片手にノリノリのオバチャンが歌いはじめた。パンチのある歌声で、かなりお上手である。
 歌い終えて、なにか吹っ切れたようにグビっとビール一気飲み。気持ちよさそうだ。
「ふ~、お代わりちょうだい!」
 話しかけてみよう。
「お姉さん、いい飲みっぷりですね。歌も上手でした」
「ふふふ! ありがと。気持ちを込めてるからね~」
 ほうほう、コロナ禍でも歌いたい「気持ち」ってのはいかほどのものか。
「『うまく気分を晴らした者が勝ちさ』ってところが好きなのよ~」
「はあ、そうですか」
「いいと思わない? 若い人にわかんないかしらね~」
「でも、いまコロナの第四波が来てるじゃないですか? 命に代えてでも歌いたいんですか?」
「え? 何が?」
「命より大事だからこうやって歌ってらっしゃるのかなと思って」
 一瞬キョトン、という表情になったが、真剣な顔つきで語り始めた。
「私、嫌なことがあったらこの曲を歌って解消するの。コロナで落ち込んでる今も気分を晴らさなきゃダメでしょ?」
「で、命より大事なんですか?」
「命とかじゃないわよ。もうあっち行って」
 はい、退散します。
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