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期間工という仕事がある。その名のとおり、ある一定の期間だけ工場で働き、時期が来ればお役ごめんとなる契約社員のことだ。クルマやバイクなど、おもに製造業に多い。
さて、その期間工だが、世間は少し誤解していないだろうか。


不安定な非正規労働者、過酷な仕事環境、学歴や資格の有無に関係なく誰もが就ける職。これらはたしかに期間工にまつわる事実だが、それをもって最底辺のブラックと決めつける風潮は間違っている。

なぜか。理由は期間工の年収額である。平均400万以上もあるのだ。
年収200〜300万台の大卒サラリーマンがゴロゴロいるこのご時世で、この額はむしろ恵まれた部類と言っていい。しかも期間工になれば、家賃無料の寮に住めるため、貯金が非常に容易だ。その気になればわずか4年で1000万以上貯めることだって夢じゃない。

少なくとも金銭面でこれだけのメリットがある以上、期間工は決して底辺ブラックな仕事とは言えないのだ。ただし、その結論にはもうひと言、付け加えておくべきだろう。底辺ブラックではないが、場合によっては人生を狂わしかねない可能性も潜んでいる、と。


現在、期間工6年目の俺が抱えている絶望。そいつを皆さんに聞いてもらいたい。
意味もなく好条件なのではない
期間工になろうと考えたキッカケは単純だった。5年前、薄給と激務を理由に食品系会社を辞めた際、ネットサーフィン中にでこんな募集を見つけたのだ。
「自動車メーカーの期間工/月収万以上」
ほおっと思い、さらに読み進めていくと、心躍るような好条件が次から次へと出てくる。
▼寮費無料(水道代、光熱費含む)
▼満了金、皆勤慰労などの特別手当が年間80万〜120万
▼学歴、経験は不問
素直に驚いた。世の中にこんな割りのイイ仕事があるなんて。毎月の残業時間が100時間を超え、それでも月収25万に届かなかった前職と比べれば夢のようだ。
すぐさま、求人元のメーカーに直接応募したところ、とんとん拍子で選考会へ参加する流れに。そこではまず、雇用条件の説明が行われた。たしか、以下のような内容だったと思う。
▼雇用の契約期間は6カ月単位で(最初の半年間のみ3カ月単位)、雇用者が希望すれば1年、1年半といった具合に延長できる。ただし最長でも2年11カ月まで
▼6カ月の満了ごとに、満了慰労金と満了報奨金(皆勤賞)が、給料とは別に付与される。両者を合わせたものを満了金といい、1年目は最大で計80万、2年目以降はさらに額が増える
▼寮費は光熱費、水道代も含めてすべて無料。しかも寮には500円以下でメシが食える食堂が併設されており、そのうえ勤務初月は、食費補助として1万円の支給がある
説明を聞きながら、あらためてオイシイ仕事だと感心しきりだったが、最後に担当者がもらしたことばには、すこし不安を感じた。
「仕事はハッキリ言ってキツイです。ですが、真面目に働けばちゃんと稼げる仕事ですので、どうか頑張って続けてください」
意味もなく好条件なのではないということか。どれだけのハードワークなんだろう…。


説明会のあとはグループ単位での面接があり、いくつかのありきたりな質問に無難に答えた結果、その日のうちに内定を知らせる電話が。
さらに後日、健康診断を受け、そいつをパスしたところで正式に入社が決定。愛知県内にいくつかある工場のひとつに配属されることになった。俺が、まだ33才だったころのことだ。ジワジワと心がむしばまれていく
話を進める前に、期間工の仕事について説明をしておこう。
まず勤務時間には、1直(早番=6時25分〜15時05分)
2直(遅番=16時00分〜0時40分)の2種類があり、それぞれ1週間ごとに交代となる。いずれの場合も出勤時は寮からバスに乗って工場へ向かい、仕事が終わればまたバスに揺られて寮へと戻る。工場での工程には、
▼鋳造ちゅうぞう▼ 鍛造たんぞう▼機械加工▼プレス▼塗装▼組み立て
など様々な種類あるが、誰がどの工程に配属となるかは会社側が健康診断や面接内容などの結果で判断する。そして、いったん配属が決まれば、満了までずっと同じ工程を担当し続けるのが原則だ。俺が配属されたのは「組み立て」だ。


鋳造から塗装を経て出来上がったパーツや部品をクルマの形に組み立てていく最終工程で、この作業に体が順応するのに、ゆうに1カ月はかかった。なぜなら、とにかくキツイのだ。作業自体はインパクト(電動ドライバー)でボルトを締めまくるだけなのだが結構なスピードで動くライン上でのことなので、1秒たりとも気が抜けない。


うっかり部品でも落とそうものなら、そのぶん作業に遅れが生じ、結果、ラインを止めることに。そうなれば周囲からシロい視線が飛んでくるだけでなく、班長の威圧的な怒声を浴びるハメになる。
「てめぇ、何モタモタしてんだよ! フザケンな!!」
体力的な負担も相当だ。車内に入ってボルトを締めたり、シートなどの内装部品を取りつけていく際は、腰を曲げて無理な体勢にならざるを得ないし、ケーブルを取り付けるときなどはあちこちを猛スピードで這いずり回らなければならない。
2時間おきに10分程度の休憩を挟んだり、昼メシタイムもあるとはいえ、それ以外の時間、つまり7時間以上は延々とこんなことを繰り返すのだからまさに拷問。最初の数カ月でバックレが続出するのもある意味、当然なのだ。
もっとも、作業のツラさは、体が慣れると次第に気にならなくなるが、そうなるころにはまた別のツラさに苛まされる。単純作業による精神的苦痛のことだ。
1日中、ボルトを打ったり、パーツを取りつけたりを繰り返していれば、1分が5分にも10分にも感じられ、そういう生活が慢性化すると、何もかもが嫌になってくる。ジワジワと心がむしばまれていくような感覚だ。
頭痛の種はこれだけではない。寮生活で受けるストレスもなかなかに厄介だ。工場では先輩後輩の上下関係がやたらと厳しかったりするのだが、仕事が終わっても、同じ寮に帰るのだから逃げ場がない。たとえ個室タイプの寮でも、苦手な先輩が部屋にやって来て「オマエの部屋でテレビ見ようぜ」などと言われれば、渋々、応じるしかない。
あらゆる苦痛にまみれながら最初の3カ月が過ぎようとしたとき、俺は思った。こんなふざけた仕事、やってられるか!

体力的にも精神的にもツラく、仕事としてのやりがいもまったくない期間工という仕事。しかし、俺は最初の契約期間を延長し、次の3カ月も働く決意を固める。
理由はシンプルだ。とくに節約していたつもりもないのに、この3カ月で、およそ50万ものカネが手元に残ったのだ。
考えてみればそうなるのも当然だ。この間、月の支出はケータイ代と食費で6万程度で、遊興費を含めても10万ほど。対して収入は手取り23万。つまり月に13万が浮き、それが×3カ月で39万円。そこに満了金9万を足せば48万だ。こんな普通にやっててもこれだけ貯まるのか!


人間、こういう場合は、もっともっとと欲が出てくるもの。以降、俺は貯金だけを楽しみに日々を送ることになった。まず取りかかったのは食費の節約だ。寮や工場の食堂でメシを食うと、1回に500円前後かかるので、朝昼晩3食のうちどれふたつをコンビニのカップ麺やおにぎりに変更する。

休日(土日)も、同僚との飲みなど、カネのかかるイベントはなるべく避けることに。とはいえ、ときには息抜きも必要だから、そんな際は漫画喫茶にこもったり、自室でゲームに没頭したりして過ごした。結果、次の3カ月で貯まった額は60万に。つまり、入社からたった半年で110万を手に入れた計算になる。
—この調子で、もっともっと貯めたい—。
貯金熱はますます勢いを増し、次の契約期間(ここから6カ月。以降同)でも120万を貯め、ついに貯金額は200万の大台を突破したのだった。おっしゃ!
キャバクラってこんなに楽しかったっけ?
期間工になって1年が過ぎたある日の休日、俺の部屋に親しい同僚が顔を出した。
「ねえ、たまにはどっか遊びに行こうよ」「どっかって?」
「まあ、キャバクラとか」「キャバクラかあ…」
以前までの俺だったら迷わず断っていたところだが、その日はすんなりと誘いに乗った。頑張って200万も貯めたんだし、少しくらい自分にご褒美してやるのもいい。そんな心境だったのだ。何年かぶりに足を運んだキャバクラで、俺は目まいを覚えた。

毎日バスに揺られて工場と寮を往復し、消耗するだけの灰色生活に慣れきっていたせいだろう。ああ、キャバクラってこんなに楽しいところだったっけ?隣りにはA子と名乗るキャバ嬢が、ニコニコと俺の話に耳を傾けている。
「へえ、期間工やってるんだ。あれってすごく大変なんでしょ?」
「まあね。でも最初だけだよ」

「ふうん。なんかすごいね!」

「そうかな。あははは」
翌週はひとりでキャバクラに向かった。もちろん、お目当てはあのA子だ。
「あ、篠山さん、また来てくれたんだ〜」
「うん、A子ちゃんに会いたくなっちゃってさ」

「うれしい〜」
かくして、どっぷりとA子にハマった俺は、頻繁に店へ通うことになる。休日だけではない。早番の週は彼女と同伴出勤し、終電ギリギリまで飲むこともあった。彼女の気を引きたい一心で、高価なプレゼントを贈ったことも一度や二度ではない。200万の貯金はまたたく間になくなっていったが、だからといって動じることはなかった。カネがなくなりゃまた貯めればいいだけの話だ。
贅沢な暮らしも期間工なればこそ
その後、A子とはショーモナイもめ事が原因で疎遠になってしまったものの、キャバクラ遊びを止めることはなかった。どころか、同僚と飲みに行く機会も増えだし、その帰りにみんなでフーゾクへ押しかけるなんてことさえいつのまにか日常に。一度ついた浪費癖は一向に治らず、貯金をしようという気にどうにもなれないのだ。

もちろん、自分自身、多少の危機感はあったし、見かねた先輩に面と向かって苦言を呈されたことだってある。
「おまえ、何のために期間工やってんの? ロクに貯金もやらないなら、こんな仕事やってても意味ないじゃん」
おっしゃるとおりだが、俺には俺なりの自論があった。ベルトコンベアに縛られ、ロボ
ットみたいに働かされる非人間的な生活をしてれば、反動で遊びたくなるのは当たり前なんだと。そこまで嘆くなら、とっとと期間工を辞めればいいのに、そんな考えはさらさらない。

俺が享受しているそこそこ贅沢な暮らしは、期間工という特殊な労働環境に支えられているからこそ。学歴も資格もない、元気だけが取り柄の男には、本来ならもっとミジメな生活が用意されているはずなのだ。
「結婚したいならちゃんとした仕事に就いて」

2年後の36才、無事、2年11月のフル契約を満了した俺は、すぐに転職活動に取りかかった。もちろん元いた自動車メーカーに、期間工として再契約してもらうことも考えたが、そこにはクーリング期間という壁がある。同じ会社と再契約を結ぶ場合、前回の契約終了時から1カ月(現在は6カ月に変更)、時期を空けなければならない法的ルールだ。

入社する会社が違えば、クーリング期間の縛りは受けない。そこで同じ愛知県内にある別メーカーの自動車期間工に応募したところ、あっさり採用に。さっそくその月から寮へ移って働くことになった。新しい職場での仕事内容、待遇面、寮の雰囲気などはほとんど前の会社と同じだ。

したがって、期間工としての暮らしぶりにも、これといった変化はないのだが、私生活においてはひとつ、大きな事件があった。転職を果たしたその年の夏、ついに彼女ができたのだ。相手は俺の行きつけの居酒屋で働く32才。

たびたび店で顔を合わすたびに自然と仲良くなり、いつのまにかデートを重ねる間柄になっていた。交際は順調に進み、その1年後、彼女との結婚を意識し始めた。俺もなんだかんだで30後半。ここらで身を固めるのも悪くない。地元の両親もさぞ喜んでくれるだろう。しかし、名古屋のレストランでそれとなく彼女に結婚の話題を振ってみたところ、思いもよらぬ反応が。
「いまは無理。真剣に結婚を考えているなら、ちゃんとした仕事に就いて」
全国でもっとも期間工人口の多い愛知県では、もともと期間工に対してのイメージが悪い、だから今のままではとても両親に紹介できないと彼女が言うのだ。日ごろは穏やかな性格なだけに、そのストレートな物言いにショックを受けた。
「でもさ、収入だって普通のサラリーマン以上にもらってるし、ちゃんと養っていけると思うけど」
「でも安定してないし。リーマンショックのとき、期間工の人が大量にクビ切られたの知らないの?けっこう大きいニュースだったし、愛知の人はたいてい知ってるよ」
ライン工の経歴はスキルがあるとは言えない
翌日、すぐに複数の転職サイトに登録を済ませ、期間工を続けながら職探しを始めた。給料は多少下がってもいい。職種にもさほどこだわりはない。とにかく、彼女とその両親が納得してくれそうな会社なら何だっていいのだ。
ところが、そこで俺は過酷な現実を突き付けられる。30社ほどの求人に手あたり次第
にエントリー(申し込み)したところ、なんとただの1社からも返事がない。面接すらどこも受けさせてくれないのだ。が、それでもしつこくエントリーしまくっているうち、ようやく自動車整備の零細企業から面接に来るようにとの通知が。迎えた面接当日、気のよさそうな社長さんが、直接、応対してくれた。しかし、ひと通りこちらの
経歴を聞いてくれたあとで、彼が浮かべたのは苦笑いだ。
「自動車期間工の経歴が5年ほどあるからウチに応募したの?」「はい」
「でも、キミがやってきたのって組み立てとかでしょ? そういうのってスキルがあるとは言えないよね? だって誰にでもできることなんだし」
うすうす自分でもわかっていたことだが、改めてハッキリ言われるとやはり打ちひしがれてしまう。そうなのだ。期間工の仕事はあくまでライン工程のひとつでしかなく、職歴としての価値はないに等しい。

ましてや37才の、いかにもつぶしの効かなそうなオッサンならなおさらだろう。かくなるうえは、期間工から自動車メーカーの正社員になる道を目指してみるか。というのも自動車メーカーの多くは、期間工を1年以上続けてい
る人間を対象に正社員登用を行っているのだ。
が、これも現実的に見れば厳しい。受験するには班長の推薦が必須だし、試験の倍率も10倍の狭き門。結局、期間工から正社員になれるのは、元公務員だの、元商社マンだの、勉強の得意な連中ばかりだともっぱらの噂だ。まあ、ダメ元で挑戦してみてもいいのかもしれんが…。
2千万も貯めた男がなぜまたここに?
結局、例の彼女とは半年後に破局した。別れ際、何だかんだと理由をつけていたが、要するに、期間工から抜け出せない男に愛想を尽かしたのだろう。

現在、ふたたび俺は一番最初のメーカーに戻り、相も変わらず期間工をしている。そしてこの先もきっと、不毛な、でもカネには困らない期間工生活を続けていくのだろう。
が、それにしたっていつまで持つのやら。
一応、年齢不問という建前にはなっているが、現場を見る限り、40代、50代の期間工は極端に数が少ない。密かにメーカー側が年齢制限をかけているのか、あるいは単純にオッサンの体力では過酷すぎて務まらないのか。いずれの理由ににせよ、38才の俺に、期間工として働ける時間はさほど残されていないようだ。そして先日、暗い気分に追い打
ちをかける出来事が。
俺のいる工場に、ひょっこり現れれた顔見知りの30代男。そいつはかつて、各メーカーを期間工として渡り歩き、8年で2千万の貯金額をため込み、業界から華麗に足を洗った有名人だった。それがなぜまたここに?
「最初は貯めた2千万で商売やろうと思ってたんだけど、ちょっと遊びだしたら止まんなくなってさ。1年半でほぼ全部溶かしちゃったんだよ」
期間工は厚遇だが、だからこそダメ人間が手を出してはいけないものなのかも。さもなければ深みにハマって、抜けられなくなるのがオチだ。

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