人生ドキュメントのカテゴリ記事一覧

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カテゴリ:人生ドキュメント

  • 2022/07/26人生ドキュメント

    「北尾さん、正直なところ、わたし何才に見えますか」インタビュー場所に向かうタクシーに乗るとすぐに尋ねられた。どう、どうしよう。「そうですねえ、まあ60代。いや、若く見えますよ。見えますけれども実際には60代半ばあたりじゃないか、と」「オガタさんはどうです」「えと。ハズしていたら失礼な話なんですが、ウチの親父が配才になるんですよ。そのくらいでしょうか」泉さんは小さくため息をつくと、シートにカラダを埋め黙...

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  • 2022/07/17人生ドキュメント

    探偵にキョーミを持ったのは今から3年前。ちょうど就職活動の時期だ。「どうせ働くなら、誰もやらないような仕事に就きたい」そう思った俺は、求人でたまたま見つけた「探偵」という文字に惹かれる。 さっそく履歴書を送り、指定された事務所へ。応対してくれたのは、優しそうなオッサンだ。「探偵ってどんな仕事か知ってる?」「いや、実はあんまり…」「まぁ色々あるんだけど、メインは男女のトラブルかな」 映画やドラマの世...

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  • 2022/06/11人生ドキュメント

    私の知り合いがこんなことを言ってたざます人が誰かの悪口を言うのはその「誰か」が場を少し離れた隙が多いんだよちょっといない間にドキドキしてスリルを楽しむんだろうねそれでその知り合いは席を離れるときにはスマホの録音ボタンを押していくそうざますで、席に戻って聞いてみると結構な確率で悪口や内緒話をしてるそうざますたまに男女を残したときなんかはなあ、またしゃぶってくれよもう、今日はダメこいつらデキてたのか!...

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  • 2022/05/26人生ドキュメント

    裏モノ読者インタビュー大阪で飲食店を営んでおられるYさん、51才だ。電話での取材をお願いしたところ、「もし嫁が急に帰ってきたら、お話できなくなりますけども」との条件付きでお話を聞かせてもらうことに。なんとYさん、奥さんに内緒で20年も読み続けてくださってるそうな。家族には裏モノの購入自体もバレてないんですか?「そうですね。裏モノの本とか裏モノマガジンのころから、バレないように買って、車の中で読んでまし...

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  • 2022/05/10人生ドキュメント

    誘惑に負けそうなときどうしてます? 痩せなきゃいけないのにラーメン食いたいとか、金もないのに風俗でヌキたいとか、男には誘惑が多いですもんね。僕、ある方法を編み出してからだいぶん誘惑に勝てるようになったんですよ。たとえば夜中にラーメン食いたくなっ たら、1時間後の自分を想像するんです。 そしたら絶対、「時間を戻したい!」ってクョクョしてるんですよ。あ一、なんであんなもん食ったんだ、1時間前に戻りたいって...

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  • 2022/05/09人生ドキュメント

    少年時代とか10代のころって、何かが出来る男がモテるでしょ。足が早いとか、ギターが弾けるとか、そういう男がキャーキャー言われてたわけですよ。で、そのときの経験とかコンプレックスが強いもんだから、男っていつまでも 「出来る男」をアピールしようとするんです。ゴルフが上手いだとか、仕事ができるとか。そんな人いっばいいるじゃな いです机でもニ十歳を超えた大人の女って、もう、そういうのには惹かれないわけです。&n...

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  • 2022/04/27人生ドキュメント

    ホームレスを見かけたとき、いつも疑問に思うことがある。 なぜ彼らはホームレスになったのだろうか̶̶。 ホームレスになる直前、彼らはどんな行動を取ったのか。どんな不測の事態に巻き込まれたのか。 ホームレスになるというのは、まっとうな人生を放棄することとほぼ同義だ。ならば、それを覚悟せざるを得なかった、相応の理由が必ずやあるに違いない。 では、ホームレスのメッカ、上野公園へ。この公園に住めばイヤな現場で...

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  • 2022/04/15人生ドキュメント

    午後5時、また少しずつ店がにぎやかになってきた。生活保護の老人や早朝から出かける日雇い人夫は夜が早い。そういった連中が多く暮らす西成では、このあたりが晩酌タイムなのだろう。ニット帽にヒゲを生やしたオッサンが店に入ってきた。テーブル席に座るなり、おしぼりを持ってきたネーチャン店員に言う。「●●ちゃん、オメコさしてえな」ネーチャン店員が無視すると、ニット帽は彼女の尻に手を伸し、ジーパンの上から撫で回した...

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  • 2022/04/13人生ドキュメント

    大阪・西成には、中国人女性が切り盛りするカラオケ居酒屋が無数にある。どの店も朝から活況を呈し、界隈のオッチャンたちの憩いの場になっているそうな。先日、そんな西成のカラオケ居酒屋にまつわる、おもしろい話を聞いた。西成という場所柄、飲み屋で問題を起こし、出禁になる者が後を絶たないのだが、他所で出禁になった客でも、絶対に出禁にしない店が一軒あるというのだ。 つまり、その店には西成界隈の飲み屋で出禁になっ...

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熟年テクニックを持った性感マッサージ師じいさんの半生

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「北尾さん、正直なところ、わたし何才に見えますか」
インタビュー場所に向かうタクシーに乗るとすぐに尋ねられた。
どう、どうしよう。

「そうですねえ、まあ60代。いや、若く見えますよ。見えますけれども実際には60代半ばあたりじゃないか、と」
「オガタさんはどうです」
「えと。ハズしていたら失礼な話なんですが、ウチの親父が配才になるんですよ。そのくらいでしょうか」

泉さんは小さくため息をつくと、シートにカラダを埋め黙り込んだ。
今回は熟年性感マッサージ師の登場である。
豊富な経験と研究を重ねた円熟味たっぷりのテクニックが、その商品。
なにかといえば若さがモノをいいがちなこの時代で、あえて熟年パワーで勝負しているところが激しく興味を引くじゃないか。
もっとも、「あの人ならたぶん、そこそこ年齢いってると思うよ」とのオガタ情報に喜び勇んで取材
依頼の電話をかけたものの、最初の反応は鈍かった。自分はまだまだ若い。じじい扱いされてはたまらんというのだ。
しかし、実年齢を明かして断るでもない。ということは、やはりそこそこいっているということだろう。
「年長者のあくなき欲望を、現役の立場で語れる人はなかなかいません。ぜひ、ぜひ!」
〃年齢不詳〃ということならと、ようやくOKが出た。で、会うなり冒頭の質問になったのである。

「お客さんからはいつも、若いですねと言われるんですよ。これは本当です」
ぼくの目的は実年齢をつきとめることではない。それより、注目すべきはこの人の全身からニジミでる熟年フェロモンだ。
服装がオシャレということもあるが、なんかスケベっぽいのである。どんな経緯でホストの道に入
ったのか、客はいるのか、現役ぶりはどうなのか。気になることがいっぱいだ。

おととい電話したとき、これから京王プラザで仕事だとおっしゃってましたが、性感の依頼だったんですか
○ええ、家を8時すぎにでまして9時にホテルへ。広告してますからね。けつこう、お客さんから電話がかかってくるんですよ。あのときは2時間コースでしたですね。
●あ、コースがいろいろ。でも、自宅の電話番号を使うというのは大胆ですね。ひとり暮らしなんですか?
○いえ、家内がおりますが、足が悪いもんでね。家にいるときは私が電話をとりますから問題ない。
(携帯電話を取り出して)外出のときは携帯に飛ばしてますから。自宅に依頼の電話がかかってきても家内は聞きませんから。私、ほかに仕事を持ってますから、そっちの電話もあるでしよ。だから、家内にはわからない。
そういうものですか……。

具体的にはどんなシステムになってるんですか。
○これが広告です。
「G、Kスポット開発熟練技術」とありますね。
オガタ
ヘーKまであるんだ。Gスポットってのは聞いたことありますけど、その先にKがあったんですね。
○ハハハ。そんなにたくさんあるわけじゃないんですけど。Kってのは一番奥ってことなんですよ。
奥は感度鈍いですけどね。なんといっても感じるのはクリトリスです。その次がG◎
これは入り口から3,4センチのところにある。
(指先をカギ型にして)触るとクリッとしてます。探るとわかりますよ。だからこうして(指先を動かしながら)優しく攻めてやれば、かなり感じます。

この商売は長いんですか。
○2年ぐらい前からですが、こういう経験はもう20年以上です。昔、にっかつロマンポルノってあったでしょう。あれに出ていまして、その縁でAV男優もやりました。
チョコボール向井だとか加藤たかとかも知ってます。
@顔がお広い。

○私、彼らの前座をやったことがあります。新人女優なんか、どんな反応するか、どんな性格なのかわからないでしょう。それを午前中に私が演技指導するわけですよ。で、監督や男優さんに「このコはあんまり感じないみたいですよ」とか教えてあげるんです。2,3万円で。

オガタ
モノになるかどうかのテストですね。
○そう。ほとんど出演はしない。

競馬でいうアテ馬ですね。そういうのがあるとは知りませんでした。ロマンポルノはどのような作品に出たんですか。
○・・題名忘れましたけどね。私の場合は本業が別で、アルバイト的にやってたので。それでも最初から最後近くまで関わってました。

見込まれていたんですね。
○(得意げに)愛染恭子や風祭ゆきとも共演しました。

その流れでAVですか。キャリアを生かして演技指導という黒子で渋く業界に貢献しようと思われたとか。
○いや…若くてきれいな女性とセックスができるから。

セックスが好き、が動機ですか。
○(何を馬鹿なことを聞くのかという顔で)もちろん。ロマンポルノとAVのあいだに、高級会員制男女交際クラブを経営していたこともあります

手広い。
○これは2年ほどやってました。
時には、登録をしにきた女性に今日いますぐお金が欲しいといわれて、まさか貸すわけにも行かないから、じゃあ私が客になりましょうなんてことも、ね。

立場をうまく利用した、と。
○いや、私はちゃんと金を払いますから。金を出さないと、ややこしいことになりますでしょう。あ
る程度の年齢になったら、男は金を出してやらないとだめですよ。

オガタ
そういう問題かなあ。
○(気にせず)10万円で3回というところですか。男は絶えず使っていないと、あっちのほうがダメになります。もうダメかとあきらめたら終わりです。少なくても月に1,2度は女性相手に放出しな
いといけません。
その後、知人の出張ソフトSM事務所で店長もつとめたが、まるで流行らず早々と撤退。
だが、ただでは転ばず、誰にも引けを取らない女好き、セックス好きを生かした個人事業ができるのではと思いつく。
年齢のことはさほど気にしなかった。
熟年カップルなどには、自分のような円熟タイプの需要がきっとあると考えた。それまでの経験から、どうすれば女性が喜ぶかもわかっている。客によってはきびしい相手もいるかもしれないが、
それもなんとかなるだろう。むしろ、いろんな相手と経験できて楽しいのではないか……。,
いや〜すごい発想だ。ロマンポルノ出演から風俗産業の手伝い、AV男優までは、なんとなく流れはあるものの、そこから広告を出して性感マッサージ師になるってのは、かなりの飛躍ではないのか。
普通ならためらうだろう。それを、思いついたらすぐ実行とはダフであり、自信もあるのだろう。
本人によれば、あくまで本業は別で、マッサージは趣味と実益を兼ねたものなので、完全に割り切れるらしい。
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探偵の仕事・不倫カップルの浮気調査素行調査同行ドキュメント

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探偵にキョーミを持ったのは今から3年前。ちょうど就職活動の時期だ。
「どうせ働くなら、誰もやらないような仕事に就きたい」
そう思った俺は、求人でたまたま見つけた「探偵」という文字に惹かれる。 
さっそく履歴書を送り、指定された事務所へ。応対してくれたのは、優しそうなオッサンだ。
「探偵ってどんな仕事か知ってる?」
「いや、実はあんまり…」
「まぁ色々あるんだけど、メインは男女のトラブルかな」 
映画やドラマの世界とは違い、依頼の大半は不倫調査。つまり不倫の証拠を集めるのが、探偵の役割ってわけだ。
「でさ、その証拠になるのがコレなんだけど」
黒いデジカメをポンッと渡された。え? どういうこと?
「写真だよ写真。とにかく証拠を撮るんだよ」
おお、なるほど。つまりこのデジカメで不倫現場を押さえればいいのか。
 
給料は月に25万円ほど。また基本は土日休みで、勤務時間は朝の10時から19時。フツーのサラリーマンと変わらない。
「まぁでも、ウチはあんまり休みとか関係ないよ」
調査の依頼が入れば、勤務時間など関係なく、土日でも真夜中でも調査に向かうという。
一通り説明を終えてから、オッサンは聞いてきた。
「どう?やれそうかな?」
こんなに面白そうな仕事はそうそうない。
すぐに即答して、入社を決めた。犯罪に手を染めていた方が、勝手がイイ
 
半年後。初出勤の日。繁華街の汚い雑居ビルに足を踏み入れ、オフィスの前で待つ。
5分ほど経つと、海の家にいそうな兄ちゃんがやってきた。どうやらこの人が俺の上司らしい。
開口一番、笑いながらこんなことを言ってきた。
「今日からよろしく!でもなんでキミみたいな子がここ来たの?」
「え、どういうことですか?」
「いや、キミ大卒でしょ?なんでそんな賢い子が探偵やるのかなって」
 
この業界には大卒の人間はきわめてゼロに近い。それどころか、前科持ちの人間が大半を占めているらしい。マジか、そんなの初めて知ったよ…。 
オフィスの中に入れば、狭いフロアには5人ほどの社員が。見た目はフツーだが、過去を聞けばサギやクスリの売人、空き巣にドロボーなど、やはり前科者のオンパレードだ。
「あのどうしてこの業界は刑務所帰りの方が多いんです?」 
先輩に恐るおそる聞いてみる。
「ああ、そりゃ簡単だよ、俺たちは証拠を撮るためなら、何でもするからね〜」 
探偵はカメラを回せるなら、尾行も不法侵入もお構いなし。つまりそういった犯罪に手を染めていた人間の方が、実際の調査でも勝手がイイってわけだ。 
さっそく世間の常識とのズレを感じたが、この日はまだ終わらない。
 
オフィスで昼メシを食っていると、電話が。 
数分後、先輩が受話器を置き、こちらに向かって歩いてきた。一体なんですか?
「今から調査が入ったんだけど、これるか?」
え、マジかよ! 
まだ入って初日のド新人なんですけど!
依頼者は40代の女性。ダンナの帰宅が遅いから、浮気していないか調査してほしいとのことだ。
「まぁキミは運転だけしてくれればいいよ」
「はぁ」
さっそくクルマに乗り込み、現場に向かう。このように、運転係と撮影係の2人で調査するのが基本なのだ。 
1時間ほどで、郊外の大きな病院が見えてきた。ターゲットは医者らしい。
駐車場にクルマを停めて、出てくるのを待つ。1時間ほど経ったときのことだ。
「おっ、出てきた出てきた!」 
職員用の出口から、小太りのオッサンが。こちらに気づく様子もなく、赤のBMW に乗った。
「よし!後ろから追って!」
「は、はい!」
このまま不倫相手に会いに行くのだろう。
クルマを後ろに付けて、ターゲットを追う。
その距離わずか10メートルほど。めっちゃ緊張するな〜。
右へ左へ。無我夢中で追いかける。見失うわけにはいかない。意識を運転に集中だ。 
が、10分ほど後をつけてみたが、どこに寄るわけでもなく、自宅の敷地へ入っていった。あれ? 
一体どういうこと?頭のオカシイ依頼もこなさなければ
帰り道、先輩が口を開く。
「実はこの調査、かれこれ3年くらいやってるんだよね」
「え、3年もですか?」
「そうそう、でも1回も不倫したことなんてないんだよ」
依頼者(奥さん)が言うには、ダンナの背広から見知らぬレストランのレシートが出てきたのが、不倫を疑うキッカケだったんだと。 
そこから女の妄想は膨らんでいき、もう何年もありもしない浮気を信じ込んでいるという。
ウチら事務所としては、尾行するだけでも仕事はしたことになるので、報酬はもちろんちょうだいする。
「こういう依頼者のこと、俺らの業界では﹃決めつけタイプ﹄って呼ぶんだよ」
決めつけるだけで、根拠がない。いわゆる頭のオカシイ依頼者を意味する。
大手の探偵事務所では、決めつけタイプはまったく相手にされない。しかしウチのような個人事務所は別だ。
元々、依頼者の数も多くないし、報酬金も10〜15万円と、大手の3分の1ほど。頭のオカシイ依頼もこなさなければ、利益が出ないのだ。
 
翌日もこんな電話がかかってきた。
「知人の男が悪の組織を雇って、私を付け回したり攻撃してくるんです!」
うわ、なんだコイツ!
やけに早口でまくし立ててくるし、明らかにヤバイじゃん。 
コンビニやスーパー、公園など、行く先々で男たちが睨んでくるという。
「息子と公園に遊びに行くんで、見張ってください!」
はぁ。悪の組織なんぞ100パーセントいないと断言できるが、行くしかあるまい。
昼過ぎに現場へ。自宅からは優しそうな母親が出てきて、ヒョコっとお辞儀してきた。完全にヤバイ人だと思ってたから、なんか意外だ。 
見張りを始めるが、もちろん怪しい男などいるはずがない。至って静かな住宅街だ。 
そのまま公園に到着。子供と砂場で遊び始めるが、しばらく経つと、表情は一変。鬼の形相で辺りをジロジロと睨みだした。
ん?誰かいるのか?
しかし母親の周りには誰もいない。砂場の横の芝生には何組かの親子がいるものの、変わった様子はない。 
とはいえ、どんなデタラメな調査でも、何かしらの報告書を作るのが探偵の務めだ。テキトーに公園の外の老人やオッサンを撮り、引き上げることに。
あの母親の目には、一体なにが映っていたんだろう…。
ま、お金がもらえるなら何だっていいんだけど。

入社してから1週間。初めてまともな不倫調査が入った。
依頼者は30代の夫。結婚してから10年が経ち、夫婦関係は冷え切っている。土日は別行動していることからも、妻が浮気しているのではと疑っているのだ。
ここで先輩がある提案をしてくる。
「今回はイイ機会だから、お前がカメラ回せ」 
うわ、マジか。緊張するな〜。
クルマに乗り込み、現場へ。キレイな一軒家に着いた。
30分ほど経ち、依頼者から連絡が。

<そろそろ妻が出かけそうです。今日はよろしくお願いします>
カメラを構えていると、すぐに女が出てきた。タイトな花柄スカートに、胸元が開いたセーター。これは男の臭いがプンプンだ。 
素早くシャッターを切り、カメラに収めていく。女がクルマに乗り込めば、すかさず追跡スタートだ。 
先輩がクルマを運転するので、俺は後部座席へ。
20分ほど追いかけると、広めの公園の駐車場に着いた。
「おい、お前は外からカメラ回せ」
「え?車内からは撮らないんです?」
「大丈夫。そこは俺に任せとけ」
2カ所に別れて、色んな角度から写真を撮ろうってわけか。
てなことで、駐車場の奥、公衆トイレのウラで待つこと10分。なにやら怪しげな動きをするセダンが現れ、駐車場をグルグルと回っている。 
奥さんの隣にクルマを停め、出てきたのはジャケット姿のオッサンだ。手を繋いで歩き始めた。ふーん、どうやらコイツが不倫相手っぽいな。 
顔を拡大したり、手をズームしたり、できるだけ不倫の生々しさが写真で伝わるように、シャッターを切っていく。
 
1時間ほどベンチでイチャイチャしたかと思えば、バラバラになってお互いのクルマへ戻っていった。 
どこへ? 
すぐに追いかける。2台の車は国道を走り、ラブホの駐車場に入っていった。 
ここで先輩からゲキが飛ぶ。
「なにボケっとしてんだ!降りて追いかけろ!」
あ! そうか!ラブホの中に入る姿を撮らないと、浮気した証拠にはならないんだっけ。
ダッシュで駐車場に入り、他の車体に隠れながら、ほふく前進でターゲットに近づいていく。はぁ、この体勢キッツい…。 
1台のクルマを盾にして、カメラを構える。ちょうど手を繋いでラブホに入るところだ。チャンス! 
シャッターを切りまくる。…よし! 撮れた!
「おお、初めてにしてはやるじゃん。これは証拠になるわ」
 
よっしゃ! 素直に嬉しい!こうなれば調査は終わったようなもの。
なんせホテルから出てくる姿は、定点カメラで撮ればいいだけ。近くのビルや駐車場に仕掛けておけば、勝手に撮影されるってわけだ。
車内で談笑しながら時間を潰す。日も暮れようかというとき、先輩がチラチラと腕時計を見始めた。
「あれ? どうしたんです?」
「ん?3時間だよ3時間。これが証拠になるんだよ」
密室に3時間以上いれば、裁判所など公的な場所でも、不貞行為(不倫)の証拠になるという。ま、5分や10分じゃセックスできないもんな。

夜中の山道をノーライトで追いかけ 
この経験で自信を持った俺は、週に2件ほどのペースで不倫調査を行っていった。 
待ち伏せから尾行、そしてラブホの入り口へ。決定的な瞬間をカメラに収めようと奔走するが、相手は人間だ。予想外の展開も起きうる。 
例えば、映画館からカラオケ、ショッピングモールまで尾行した挙げ句、ラブホ前でケンカして帰られたり。
また、さんざんデート感を出しておきながら、向かうのはセミナーの会場で、ただのマルチの勧誘だったってことも。 
尾行がバレないように、夜中の山道をノーライトで追いかけたにも関わらず、ただ星を眺めて帰られたりもした。 
最初はこんな展開になる度に、嫌気が差していたように思う。それでも調査をこなしていくうちに、だんだんと現場でも余裕が生まれて、探偵の仕事の面白さに気づいていった。
 
特にラブホの撮影では、入り口付近でターゲットにできるだけ近づいてシャッターを切る、いわゆる「接写」に楽しみを覚えていた。
なんせ離婚裁判になれば、慰謝料の金額は、証拠の写真で決まるといってもいい。つまり生々しく手を繋いでいる写真や、顔がズームされた写真の方が、裁判官も判決を重くするわけだ。
入社してから1年が経ったある日、会社に1件の電話が鳴る。
「あの、最近ダンナがよく外出してまして…」 
話によれば、頻繁に外出するようになったのは1カ月前。家でもスマホを片身離さず持っていることから、依頼者は不倫を疑っているそうな。 
さっそく現場へ。北陸の某県にクルマを走らせ、自宅の前で張ることに。 
一軒家から出てきたのは、作業着姿の男だ。年齢は30才ほどで、やたらとガタイがいい。 
いつものように尾行からスタート。コンビニに着くや否や、男は車内で服を着替え始めた。
「おっ、これ絶対に浮気するパターンじゃん」 
予想どおり、その場で不倫相手であろう若い女と合流して助手席に乗せ、再びクルマを走らせる。
 20分ほど追ったところで、ラブホの看板が見えてきた。それにしても白昼堂々、よくこんな片田舎で浮気しますな。

ホテルは地方にありがちなガレージタイプ。ひと部屋1台の駐車スペースが、それぞれ黒いカーテンで仕切られている造りだ。
「さて、行きますか」 
ドロボーのように足音を消して、ダッシュで建物へ。ターゲットのクルマが入ったのは1号室。バックで駐車している隙に、何枚か遠目からシャッターを切る。

…うーん、もうちょいズームで撮りたいな。顔がクッキリと写った、言い逃れできないレベルの証拠じゃなくちゃな。 
2号室の駐車スペースに忍び込み、区切りの黒いカーテンをチラっとめくる。2人はちょうどクルマから降りたところだ。 
よし、チャンス! 
カーテンの間からスマホを向ける。画面に一瞬だけ、こちらを向く男の姿が映し出された。
「…ん? おい!」
こちらにドシドシと歩いてくる。
「おいテメエ!なに撮ってんだ!」
うわ!バレた!
出口に向かって走る。
後ろを振り向けば、鬼の形相で追いかけてくる男の姿が。
「おい!待てコラ!」
ヤバイ、マジで殺される!
その差は10メートルほどだろうか。畑に囲まれた道をひたすら走っていると、突然、アスファルトの地面に体を打ち付けられた。う〜、痛ってえな。
「おい!なに撮ってんだ!」
馬乗りでマウントポジションを取ってくる。
「はぁ?撮ってねえよ!」
「撮っただろ!消せよ!」
血走った目で首を締め付けてきた。ヤバイ、息できねえ。 
このままじゃ死ぬ。髪の毛を引っ張って抵抗だ。何十秒か経つと、ようやく手を離してくれた。
「頼む!今回のことはなかったことにしてくれ!」
は? いきなり何言ってんだコイツ。
「妻と娘がいるんだよ!誰にも言わないでくれ!」
 
地面に両ヒザをつき、土下座の体勢に。
泣いてるようだけど、そもそも奥さんを裏切ったのはアンタじゃないか。
「じゃあホテルでゆっくり話しません?」
提案すると、泣きっ面の男もノッてきた。 
ホテルに戻ろうと、男が背を向けた瞬間。
逆方向に猛ダッシュ。今だ、逃げろ! 
再び男も追ってくるが、観念したのか、徐々にスピードを弱めていく。逃げ切ったところで気づいたが、腕や顔が血だらけだ。
結局、病院で数針縫うわ、ターゲットにバレたことを依頼者に謝りに行くわで、最悪の一日だった。

セーラー服を着た女の子の姿が
探偵の仕事の大半は浮気調査だ。しかし年に数回、変わった依頼を受けることもある。
割と多いのが、素行調査と呼ばれるモノ。
「ウチの家庭教師の素行を調べて」といった教育ママからの依頼や、「新しく従業員を雇うんだけど、真面目なヤツがどうか調べてほしい」といった会社からの依頼がイイ例だ。
 
印象的だったのは「婚約相手の素性を調べてほしい」という母親からの依頼だ。ターゲットは、結婚相談所で出会った30代の男。税理士で年収は1千万、高身長で性格も申し分ないが、娘の一生に関わることだから調査をお願いしたんだとか。
朝、クルマでターゲットの自宅の前へ。
さすがは金持ちといったところか、一人暮らしにも関わらず、モデルルームのような一軒家だ。
そのまま待つこと1時間。通勤や通学で人通りが多くなってきたところで、玄関が開く。
「ん? あれ誰だ?」
先輩が眉をひそめる。
「え? 誰か出てきたんです?」
スマホをイジる手を止め、家の玄関に目を向ける。
なんとそこには、セーラー服を着た女の子の姿が。
「え? 子供?」 
条件がいいのに結婚相談所を頼ったのは、コブ付きなのを隠すためだったのか。
いずれバレることなのに。 
急遽、チャリに乗った彼女を走って追いかける。
信号待ちをしていたところで、思い切って聞いてみた。
「いきなりすみません、○○さん(男の名字)の娘さんですか?」
「え、いえ、あの…」
やけに脅えている彼女は、我々が警察ではないと知り、すべてを話してくれた。 
なんと、この半年ほど、週末に同棲する形で付き合っているというのだ。大人と高生が。 
となると、ターゲットはなぜ結婚相談所なんかに?
若い肉体で楽しんでおけばいいのに。世間体のためだろうか。
この事実を母親に伝えたところ、後日、結婚を取りやめたとの連絡が。やはりロリコンとの生活は勘弁なのか。
★これまで色々な現場をカメラに収めてきたが、探偵が感謝されることは少ない。 
特に不倫調査では、不倫をした側も、された側も、人生のドン底に落とすことになるからだ。 
ま、俺からしたら1つの調査に過ぎないが、当の本人はタマったもんじゃないだろう。 
皆さんも浮気する際は、くれぐれも気をつけてほしい。気づかない内に、誰かに撮られてるかもしれませんよ。
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漫画・人が誰かの悪口や内緒話を言うのはその「誰か」が場を少し離れた隙が多い

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私の知り合いがこんなことを言ってたざます
人が誰かの悪口を言うのはその「誰か」が場を少し離れた隙が多いんだよ
ちょっといない間にドキドキしてスリルを楽しむんだろうね
それでその知り合いは席を離れるときにはスマホの録音ボタンを押していくそうざます
で、席に戻って聞いてみると結構な確率で悪口や内緒話をしてるそうざます
たまに男女を残したときなんかは
なあ、またしゃぶってくれよもう、今日はダメこいつらデキてたのか!
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破産しても女遊びがやめられない自分がコントロールできないほどの女好き

裏モノ読者インタビュー
SnapCrab_NoName_2021-12-18_9-24-23_No-00.png
大阪で飲食店を営んでおられるYさん、51才だ。
電話での取材をお願いしたところ、「もし嫁が急に帰ってきたら、お話できなくなりますけども」との条件付きでお話を聞かせてもらうことに。
なんとYさん、奥さんに内緒で20年も読み続けてくださってるそうな。家族には裏モノの購入自体もバレてないんですか?
「そうですね。裏モノの本とか裏モノマガジンのころから、バレないように買って、車の中で読んでましたので」
 当時はどのようなネタがお好きだったんでしょう?
「そうですね、やっぱり女性の記事ですね。どう濡らしたらヤレるのかとか、最初のときからそっち方面に興味がありましたですね」
 なるほど、そういう意識だと奥さんや家族には見せられませんね。
裏モノ創刊当時はテレクラがまだ盛んで、スタービーチなどのネットの出会い系も盛り上がっていたころ。どちらもハマりまくったらしい。
「そのときたまたま携帯を2台もってまして、一台は浮気用にしてたんですけど、後にそれを嫁に見つかってしまって離婚してます。ハメ撮り写真も入ってましたので」
 
Yさんは、出会い系でもテレクラでも、そのころから女性にお金を払ってセックスしたことはないそうで、今もそのスタンスは変わってないらしい。面倒じゃないんですか? お金もかかるし。
「確かにお金はかかります。でね、 僕、だいたい女は常に5人から10人ぐらいは抱えてるんですよ。だからご飯食べたりホテル行くだけで月に20〜30万かかるわけです。でも一緒に食事に行ったりする過程が好きなんです。顔はどっちでもいいんです。異常に女性が好きなので、何人彼女がおって
も、僕の方を向いて欲しいって思っちゃうんですよ。で、わたしサラリーマンだったんですけど、37のときに女性にお金使いすぎて自己破産してるんです」
 
その当時はまだ離婚間際の一人目の奥さんがいたころで、体が悪かった奥さんの障害年金までをも女遊びにつぎ込んでいたらしい。自分がコントロールできないほどの女好きみたいですね。今はどうなんですか?
「それがね、今もコントロールできてないんですよ。来月ぐらいに、あの…、2回目の破産をする予定なんですよ」

マジですか。思わず爆笑してしまったけど、破産って2回できるんですね。
「ええ、1回目から10年以上空いてるとできるみたいです」
ちなみに金額は1500万。1回目の破産も同じくらいの金額だったようだ。じゃ、もう慣れたもんですね。
「そうなんです、あんまりどうってことないかな〜って感じなんですけど。まあ、そんなん言うたらアレですけども」
うーん、なんて人なんだ。自己破産ってそんなに気楽なものなのか。
「破産したからと言って、今のお店も続けられるし、取られるものもないですし。クレカが使えなくなるぐらいで」
 
うん、本当に困ってないみたいだな。さすが裏モノ読者。ダメ人間ですな。
「ただ、一つ問題があって、今の嫁からも株で運用するからって言って700万ほど預かってたんですが、それも全部使っちゃってるんで、正直どうしようかなって、悩んではいるんです」
つまり1千500万プラス、奥さんの700万で2千200万を女遊びで溶かした
ってことか。ダメすぎるぜ…。
読むことで安心感が生まれるといいますか
実はYさん、現在のお店を始める前は、ご自身でIT系の会社を運営していて、数千万の貯蓄があったんだそうな。
「その会社もね、取引先の奥さんにちょっかい出したせいで畳まないととけなくなって辞めたんですわ」
とにかく女好きのレベルがひどすぎて、色々と問題が起きてる人生みたいです。
「でも、その女性は今までで最高の見た目だったし、セックスもめちゃめちゃよかったんで、ハマってしまったんですね」
ほんと、絵に描いたような、女で身を滅ぼすタイプなんですね。これは裏モノJAPANは関係ないでしょう。自分のせいですよ。
「いや、でもね、裏モノ読ませていただいてると、世の中にはこんなにすごい人もいてるんだっていうのがあるんで、そこには影響されてると思うんです。これぐらいは大したことないだろう、自分だけが特別じゃないんだと、裏モノを読むことで安心感が生まれるといいますか」
 
取材の最後、女に刺されて死んでもいいかな…と、冗談なのか本気なのかわからないセリフを口にしていたのが気にかかってます。
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意志の弱い方用・誘惑に負けそうなときの思考法

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誘惑に負けそうなときどうしてます? 痩せなきゃいけないのにラーメン食いたいとか、金もないのに風俗でヌキたいとか、男には誘惑が多いですもんね。
僕、ある方法を編み出してからだいぶん誘惑に勝てるようになったんですよ。
たとえば夜中にラーメン食いたくなっ たら、1時間後の自分を想像するんです。 そしたら絶対、「時間を戻したい!」ってクョクョしてるんですよ。あ一、なんであんなもん食ったんだ、1時間前に戻りたいって。いいですか。1時間後に、1時間戻したいって言ってるってことは、今がその時間が戻ったときなんです。じゃあ今すべき判断は何か?食べない一択でしょ。 
意志の弱い方は真似してみてください。僕でもかなり改善されたので。食べる前にその想像ができるかどうかが分かれ目ですな。 
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大人になると何かを出来るようにさせてくれる男がモテる

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少年時代とか10代のころって、何かが出来る男がモテるでしょ。
足が早いとか、ギターが弾けるとか、そういう男がキャーキャー言われてたわけですよ。
で、そのときの経験とかコンプレックスが強いもんだから、男っていつまでも 「出来る男」をアピールしようとするんです。ゴルフが上手いだとか、仕事ができるとか。そんな人いっばいいるじゃな いです机でもニ十歳を超えた大人の女って、もう、そういうのには惹かれないわけです。 
出来たからどうなの?って感じ
むしろモテるのは「私にも出来るようにさせてくれる男」なんです。それは単純に、「教えてくれる人」でもいいし、 その気にさせてくれるでもいい一緒にやってくれる人でもいいです。 つまりは「私を変えてくれってことな んですね。20歳を過ぎれば、肝に銘じておきましょうね。 
出来る自慢、無意識のうちにしてきた気が。少年期の非モテコンプレックスよっぽど根強いのかも。 
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ホームレスになる直前どんな不測の事態に巻き込まれたのか上野公園でインタビュー

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ホームレスを見かけたとき、いつも疑問に思うことがある。 
なぜ彼らはホームレスになったのだろうか̶̶。 
ホームレスになる直前、彼らはどんな行動を取ったのか。どんな不測の事態に巻き込まれたのか。 
ホームレスになるというのは、まっとうな人生を放棄することとほぼ同義だ。ならば、それを覚悟せざるを得なかった、相応の理由が必ずやあるに違いない。
 
では、ホームレスのメッカ、上野公園へ。
この公園に住めばイヤな現場で働かなくてもなんとか生きていけるんじゃないかってね
(男性・5⓽才)
ホームレスになった直接の原因? うーん、なんだろう、この公園で炊き出しやってるところを見たせいかな。俺ね、前までは建築関係の仕事してて、あっちこっちの現場を回ってたの。ううん、
社員じゃなくて、日雇いの作業員だったから、住む場所も転々としててさ。都内だったり、千葉だったり。埼玉に住んでたこともあるし。
ほら、こういう仕事の雇い主って、寮を用意してくれる場合がよくあるから、俺みたいないい加減な人間には便利なの。寮がないときはネットカフェとかサウナに泊まるんだけど。
で、1カ月くらい前かな、新しい日雇いの現場に行くことになったんだけど、そこが最悪でさ。すごくおっかない先輩が、俺みたいな日雇い作業員を仕切ってるの。先輩っていっても、まだ40くらいで、俺より全然若いんだよ。でもイヤな野郎なの。
アレ持ってこい、コレやっとけって命令するだけで自分は何もしないし、テキパキ動かないとすぐ手が出るんだから。
俺も散々やられて、寮に帰ったら、急にみじめな気持ちになって。なんであんな若造に脅されたり、小突かれたりしなきゃいけないんだって思ったら、現場から逃げ出したくなってさ。
その次の日は土曜日で、仕事も休みだったから、上野公園を散歩してたのね。寮から歩いて行ける距離だったから、暇つぶしね。
そしたらたまたまここで炊き出しをやっててさ、食事をもらってたジーサンになんとなく聞いたら、週に4回も炊き出しがあるっていうわけ。へえ、4回もかって。
それで思ったの。この公園に住めばイヤな現場で働かなくてもなんとか生きていけるんじゃないかってね。
で、そのまま寮に戻らないで、ずっとここにい続けてる感じ。今日で1カ月くらい経ったけど、思ってたより野宿は大変だね。
一応、草の上にダンボール敷いて寝てるんだけど、体が痛くてまだまだ慣れないし、いつも腹がペコペコなんだよ。
1日1食を週に4日じゃ、やっぱり全然足りないわ。むかしから少食だし、ギリギリ大丈夫かなって考えてたけど、甘かったね。炊き出しがない日は水ばっかり飲んでるから。
限界が来たら、また日雇いの仕事を始めればいいしさ。いまのところそこまでイヤじゃないから、もうちょっとこの生活を続けてみるよ。
●初っ端から面食らってしまった。まさか、その場の思いつきでホームレスになるとは。栄養失調にだけはお気をつけて!
実家近くに親戚の家が何軒かあって、そいつらがうっとうしくてさ
(男性・73才)
 むかしは、財閥系の車メーカーで働いてたんだ。18で入社して、定年になっても嘱託で働き続けたんだから、もう一筋だよ。
 でも、状況がガラッと変わったのは3・11だな。会社の業績がガタガタに悪化したんだよ。東北の部品工場が軒並みダメになって、車の生産ができなくなったから。
 企業ってところは、ヤバくなると、年寄りから解雇してくんだよな。それで俺もクビになったわけ。 俺は独り身だけど、埼玉に誰も住んでない実家があったから、最初はそこでほそぼそと年金暮らしでもやるかって考えてたんだ。
 けど、実家近くに親戚の家が何軒かあって、そいつらがうっとうしくてさ。よく人の家に顔を出しては、細かいことを偉そうにグチグチ言ってくるんだよ。本当に、大っ嫌いだったんだ。
 もうこんな環境はイヤだってんで、東京に出てきたんだよ。 ネットカフェだっけ? はじめはそういうところで寝泊まりしてたんだけど、そこで知り合った50代のオヤジが上野公園に行こうと誘ってくるんだ。カネもかかんねえし、炊き出しもあるし、ネットカフェよりマシだって。
 聞いたら、そのオヤジも上野公園のホームレスで、たまたまカネが入ったからネットカフェに来たんだって。 それで公園に住み着いて10年が経ったわけだけど、まあまあ楽しんでるよ。いまは月に2、3回のサウナが一番の娯楽だな。俺さ、毎月年金15万もらってるから意外とリッチなんだよ。埼玉にある実家の固定資産税もそこから払ってるし。はは、ホームレスなのにおもしれーだろ?
●持ち家があってもホームレスの道を選ぶあたり、よほど親戚付き合いがストレスだったんだろう。ちなみにこの方、月15万の収入があるのに、アパートを借りるつもりはないそうな。それより公園暮らしが楽しいってんだからよくわからん。
こっちだって人生を恨みたくなるじゃん。僕は生まれてきたらダメな人間だったんだって(男性・
55才)
 うーん、直接の原因か。それはやっぱ、小学時代になるじゃねえの?
 オレさ、未熟児で生まれたせいで、生まれつき聴力と視力が極端に低いの。背がちっちゃいのもそのせいでさ。160センチないから。
 だから小学校に入学するとき、学校から特殊学級に入れって言われてさ。通常クラスだと大変だからって。 両親は納得したみたいなんだけど、ばーちゃんが猛反対して、学校に直談判しに行ったんだって。何度も何度もしつこくさ。 それで学校も折れちゃって、普通の学級に通うことになったんだけど、そうなるとイジメられるに決まってるじゃん。こっちは耳も目も悪いドチビなんだから。
 とにかくハンパないイジメだったわけ。毎日サンドバック状態で、誰も助けてくれないし、口も利いてくれないんだよ。そしたら、こっちだって人生を恨みたくなるじゃん。僕は生まれてきたらダメな人間だったんだって。ちっちゃい頃のそういう思い込みって強烈なんだよ。いまだに消えてないし。 で、中学から35くらいまではずーっと悪さばかりやってたな。空き巣に、車上荒らしに、傷害、強盗、いろんなことやったよ。刑務所だって、少年刑務所を含めたら4回入ってるし。最後に出所したときは、カネなんてほとんど持ってなかったし、だからって窃盗する気もサラサラなかったから、まあ、覚悟はしてたよ。こうなったらホームレスやるしかねえかなって。
 両親はとっくに死んでるし、一人っ子だから兄弟もいねえし、頼れる人間なんていないから。
 いや、変な団体にも声はかけられたのよ。元受刑者の社会復帰をサポートしますってやつらいるじゃん。きっぱり断ったね。オレって他人を信用してないし、ひとりでいる方がよっぽど気楽だろ?
●すでに小学校時代のイジメが、現在のホームレス暮らしを決定づけていたのだとしたら、これほど切ないことはない。
ソープ嬢に詐欺られたことがショックすぎて、立ち直れなくなったんですよ(男性・⓺4才)
 もともと私、小さな家具屋で経理をやってたんです。内容は地味で退屈だったんですけど、仕事はそこそこ気に入ってたんですね。とにかくラクだし、残業もほとんどなかったですから。
 それが会社に勤めて20年目くらいに、すごくイヤなことがあって。社長から横領を疑われたんです。帳簿の金額が150万合わないと。きちんと出入金の記録を付けてなかった私が悪いんですけど、やはりショックでしたね。
 結局、帳簿が合わない原因はわからずじまいだったんですが、会社は辞めました。
気に病みすぎてノイローゼになったんです。その後は、ビルの清掃会社でバイトとして働きました。経理とまったく関係ない仕事ですけど、歳も50を超えてるから、どこも雇ってくれないんです。でもまあ、結婚はしてないから家族もないし、自分ひとりが食ってくだけならいいかって納得したんです。貯金も500万くらいはあったし、なんとかなるかって。けど、落とし穴があったんですね。そのころ、川崎のソープランドによく行ってたんですが、お気に入りの嬢から突然、病気になったからカネを貸してほしいと頼まれまして。
 たしか、リンパ系の難病だったかな。とにかく治療費が2千万もかかるから自分だけの力じゃどうしようもないって言うんですよ。 正直、その子が好きだったから、2千万貸してあげたいのは山々だけど、そんなカネあるわけないし、貯金の500万を貸したんです。彼女、口座は持ってないって言うから、手渡しで。
 そしたらいつの間にか店を辞めていて、ようやくサギられたと気づいたんです。もちろん、警察に被害届は出しましたけど、彼女が捕まったかどうかは知りません。私、いまホームレスですから。
 結局、私は弱い人間だったということです。横領を疑われたことと、ソープ嬢に詐欺られたことがショックすぎて、立ち直れなくなったんですよ。世間と関わるのがもうイヤになったんです。
●疑われ、ダマされた挙げ句、世間がイヤになったと。たしかに全財産をサギられたら自暴自棄になるよなあ。
酒とか全然飲めないのに、なぜか起きれないんすよね
(男性・37才)
 遅刻グセがヤバくて、いままで仕事めっちゃクビになってるんすよ。数でいうと、クビになった店舗は確実に10以上いってますね。あ、自分、むかしは寿司を握ってたんすよ。そう、寿司職人ってやつ。 なんで遅刻するかって? いや~、自分でもよくわかんないんすよ。酒とか全然飲めないのに、なぜか起きれないんすよね。
 ホームレスになる直前まで働いてた店だと、初出勤日からいきなり遅刻してますから。朝10時に店に行かなきゃならないのに、目が覚めたら昼1時とかで。
 しかも、そんなことが同じ月に3回以上もあったから、とうとう店長にマジギレされたんすよ。おまえ、次遅刻したらマジで辞めてもらうからな! とかつって。
 でもやっちゃったんすよ。目が覚めたら昼12時になってて。慌てて店に行ったんですけど、ダメでしたね。店長が呆れて、お前もう来なくていいからとかつって。
 そのときはいつもより倍は焦りましたよ。店の寮に住んでたんすけど、2週間以内に出てけって言われたから。
 だってそんとき、アパート借りるカネなかったんすよ。パチスロが好きだったから、いつも給料出るたびに突っ込んじゃってたんすよ。貯金なんか下手したらマイナスくらいのもんで。
 しょうがないから漫画喫茶で寝泊まりしながら次の店探してたんすけど、コロナで全然求人がなくて。そのうち有り金も底をついたから、上野公園に流れてきたって感じっすね。ここで寝泊まりするのは、今日で10日くらいかな。
 暖かくなってきたからかもしれないけど、思ったより、いい感じっすよ。キャンプしてるみたいで。ただ冬は死ぬほどヤバイらしいから、それまでに仕事見つけたいっすね。
●遅刻グセのせいでホームレスになったそうですが、悲壮感の一切ない雰囲気でした。まだ若いので、やりなおしてください。
彼女が黙ってアパートを出てったのね。全財産が入った銀行のキャッシュカードもついでに消えてんの(男性・47才)
 ホームレスになった直接の理由? 簡単だよ。女に全財産を持ち逃げされちゃったからだよ。
 その女とは、スナックで知り合ってさ。よく飲みに行ってた店のチーママだったの。
 歳は俺の8コ下だからおばちゃんなんだけど、まあまあの美人でさ。猛アタックかけたら、わりとあっさりそういう関係になっちゃって。しまいには俺と一緒に暮らしたいとかいい出したの。
 でもその子、既婚者だったんだよね。俺は未婚だからいいけど、ダンナのいる相手と同棲なんて、さすがにムリがあるでしょ。でも最終的には駆け落ちしようってことになって。彼女に子供がいなかったのもあるんだろうけど、俺よりも積極的でさ。
 で、最初に東京のアパートを借りといて、平日の昼間にこっそり彼女と栃木から出てきたの。
 生活が始まると、彼女はすぐ近所のスナックで働きだしたんだけど、俺はしばらくのんびりしようと思って。栃木にいるときは、代行の運転手やって貯金しまくってたから、ちょっとは余裕があったんだよね。 生まれてはじめての同棲生活はめっちゃ楽しかったけど、3カ月ほどすると、ギクシャクし始めてさ。彼女、朝帰りすることが増えたんだよね。
 要するにスナックの客と浮気してたんだよね。で、彼女と口論になったとき、頭に来て、顔面を思いっきり殴っちゃったの。さらに馬乗りになってボコボコにもして。
 それから1週間くらいあとかな、彼女が黙ってアパートを出てったのね。そんで、俺の全財産が入った銀行のキャッシュカードもついでに消えてんの。
 これは本当に後悔してるんだけど、暗証番号を教えてたんだよね。アパート借りるとき、不動産屋の振り込みとか頼んでたから。そういうのに憧れてたんだよ。 ご丁寧に置き手紙もあってさ、あなたから受けた傷害の慰謝料として口座のお金はもらいます。警察に通報したければどうぞ。
私も診断書を出して傷害で訴えますとか書いてあんの。だから、カネを取り戻すのはあきらめたよ。でも680万だよ? ヒドイでしょ?
 収入ないと家賃が払えないからアパートを出たんだけど、そこからどん底までは早かったよ。家がないから仕事も決まらないし、仕事がなければメシも食えないから、炊き出しの列に並ぶでしょ。
 気がついたらこの生活も3カ月目だよ。ホント、情けなくて笑っちゃうよね。
●女性をフルボッコにするのはいただけませんが、同情の余地は大いにあるかと。恋の逃避行がホームレスに直結するなんてマジで笑えません。
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ストレスと無縁暴言吐き放題のカスハラ客と飲んでみた

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午後5時、また少しずつ店がにぎやかになってきた。生活保護の老人や早朝から出かける日雇い人夫は夜が早い。そういった連中が多く暮らす西成では、このあたりが晩酌タイムなのだろう。
ニット帽にヒゲを生やしたオッサンが店に入ってきた。テーブル席に座るなり、おしぼりを持ってきたネーチャン店員に言う。
「●●ちゃん、オメコさしてえな」
ネーチャン店員が無視すると、ニット帽は彼女の尻に手を伸し、ジーパンの上から撫で回した。さすがだ。入店30秒で軽々とセクハラ行為におよぶとは。
店員はニット帽の手を強く払いのけ、憮然としている。
「なあ、なんで無視するん? ワシのこと嫌いか?」
「大キライ!」
他の席から冷やかしが飛ぶ。
「おい男前、なんべんもフラレとんのにガッツだけはあるのう」
 ニット帽は目をむいて怒鳴った。
「じゃかぁしいわ! だあっとけ、カス!」
改めて感心する。これほど好き放題に暴言を吐けるなら、ストレスと無縁に違いない。
ニット帽はカラオケを唄うつもりらしく、焼酎の水割りをがぶ飲みしながら、リズミカルにリモコンを操作している。
まもなく、スピーカーからアリスの「チャンピオン」が流れたのだが、ニット帽は、曲の音程もリズムも無視して、がなりはじめた。
「え〜ワシ、●●ちゃんとオメコしたいねん、ワシ、オメコがしたいねん」
 
ことばだけでなく、実際に店員に近づき、
「俺の胸に飛び込んでこい」と言わんばかりに両手を広げるパフォーマンスも披露したが、軽く無視されて終了だ。しかし、ニット帽の暴挙は止まらない。
マイクで「もうこの際やから、アンタでもええわ。ワシとオメコしよ!」と叫び、そばにいたオバハン店主の胸をむんずとワシづかみしたのだ。
強烈なビンタをお見舞いされたのは言うまでもない。それからしばらく、店の入り口付近にいたオバハン店主が突然、「キャッ」と甲高い声を上げた。
 
店主のそばには80くらいのジーサンが突っ立っていたのだが、彼が手に持っていたものを見て、背すじが寒くなった。黒光りする羽に覆われた大きな鳥。カラスの死骸である。何事だ? 近くの席で飲んでいた客がジーサンに尋ねた。
「オッチャン、それカラス? なんでそんなもん持ってきたん?」
「そこの道端に落ちとってんけどな、ここに持ってきたら焼き鳥にしてくれるかなあ思うて、一応、拾ってきたんや。デカイからようけ肉取れそうやろ?」
 オバハン店主がピシャリと言う。
「そんなん、あかんあかん! 病気あるかもしれんし、はよ外に持ってって!」
「ほうか。残念やなー」 
居酒屋でかわされる会話とはとても思えない。
ほとほと呆れ返っていたところ、隣りから声が。
「ニーチャン、どっから来たん? ここらの人間ちゃうやろ?」
立派なヒゲの浮浪者のようなオッチャンがニコニコとこちらを見た。ただ、すでにだいぶ酒が入ってるのか、小さく円を描くように頭が回っている。
「東京から来ました」
「へー東京から! んで、わざわざ西成まで何の用があったん?」
 なかなかフレンドリーなキャラだ。まともな人なのかも。
「いや、この店が目的だったんです。知人にすごく楽しいからと勧められたので」
「どう面白いん?」
「まあ、個性的なお客さんが多いからってのは聞きましたけど」
 ヒゲは一拍間を開けてから、口を開いた。
「気に入らんなー、気に入らん」
「すいません。俺、なんかマズイこと言い
ました?」
「最近ここいらに若いニーチャンが釜ヶ崎(この地域の通称)を冷やかそう思うてよう来るねん。それも気に入らんし、いっぺんアイツらに、リアル禁治産者やって指さされたことあるねん。そんときは意味がわからんかったから、あとで賢いやつに聞いたら、知的障害者って意味ですわと、こう言うわけや。ごっつ腹たったから気に入らんねん」
「は、はあ」
「お前もワシのこと禁治産者やって笑いに来たんやろ? 気に入るわけあれへんがな。腹立つがな」
 
ふと足に痛みが走った。カウンターテーブルの下で、ヒゲがどすどすと蹴り出したのだ。オッサンの主張はまったくの誤解だが、このままでは、ちょっとやばいかも。
どうする? 周りの客に助けを求めるか、それとも応戦するか。
その逡巡の真っ最中になぜか蹴りがストップした。ヒゲが口を開ける。

「ええか、人をコケにしようとしたらバチが当たんねん。悪い思うたらワシの飲み代払ってけや」
「払いません」
 きっぱり断ると、ヒゲは「あかんか…」と呟いて立ち上がり、精算を済ませてから店を出ていった。なんのことはない、ただのたかりチャレンジャーだったようだ。
「お前が死ね!」
「お前こそ死ね!」
 午後7時を過ぎると客の入りが鈍った。コロナの影響で、大阪市内の飲食店に午後9時に閉店するよう要請がでているからだろう(取材は、大阪が緊急事態宣言の対象となる前の時期)。
 入り口の引き戸がガラリと開き、また新たな客が入ってきた。ジャージ姿の小さなオッサンがオバハン店主に話しかける。
「さっきカネ落としてスッカラカンになってもうたんやけど、ツケで飲ましてや」
 オバハンはニベもない。
「あかんよ。現金持ってきて」
どんな客でも受け入れるこの店も、さすがにツケ飲みはNGらしい。ま、客の素性を考えれば当然の処置か。
8時半。そろそろ帰り始める客が出てきたころ、また入店者が。なんとあの暴言オヤジがまた戻ってきたのだ。
暴言オヤジは店内を見回すと、メガネをかけた客に近づき、いきなり胸ぐらを掴んだ。
「お前を探しとったんじゃ!」
 近くにいた客が慌てて2人の間に入る。
「何してんねん、オッサン。暴力はあかんやろ」
「じゃかぁしい。こいつだけはホンマに…」
 襲われたメガネも負けてない。仲裁に入った客を押しのけて暴言オヤジに襲いかかろうと必死だ。
「しつこいねん! お願いやから死ねや!」
「お前が死ね!」
「お前こそ死ね!」
 結局、ナニが原因でこうなったのかは不明だが、とりあえずYの楽しさをたっぷり堪能できたので、そろそろ帰ろうと思います。お疲れ様でした。
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飲み屋で問題を起こし出禁になった客が集まる店でトラブル客と飲んでみた

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大阪・西成には、中国人女性が切り盛りするカラオケ居酒屋が無数にある。
どの店も朝から活況を呈し、界隈のオッチャンたちの憩いの場になっているそうな。
先日、そんな西成のカラオケ居酒屋にまつわる、おもしろい話を聞いた。
西成という場所柄、飲み屋で問題を起こし、出禁になる者が後を絶たないのだが、他所で出禁になった客でも、絶対に出禁にしない店が一軒あるというのだ。
 
つまり、その店には西成界隈の飲み屋で出禁になった客がわんさか集まってくるという意味になる。その店に行かなければ酒を飲めないのだから。
しかも彼らはただの出禁客ではない。
「西成の飲み屋」で出禁になった連中である。当然、トンでもない迷惑野郎がいても不思議じゃないのだ。
実際、その店の情報を提供してくれた人物は、心底ウンザリした顔で言っていた。
「あの店には付き合いで3、4回行ったことあんねんけど、毎回必ず、不快な気分になんねん。ほんまに客層がサイアクや! 絶対、行かんほうがええで」
ワクワクが止まらない。絶対に行かないと!

正月気分がまだ抜けきらない1月某日、午前10時すぎ。JR新今宮駅を下り、西成に足を踏み入れた。あたりを見回すと、ワンカップを握ったオッサンや道端に座って何かブツブツ呟いているオッサンがちょこちょこと目につく。再開発の波が押し寄せ、治安が格段に良くなったと言われるこの町も、まだまだ本質的には変わってないようだ。
 
目の前のドヤ(安宿)から、髪型をオールバックで決めた、小太りオッサンがフラフラと出てきた。彼は玄関を振り返り、いきなり大声を張り上げる。
「ボケぇー! 死ねぇー!」
どうやら誰かと口論してるらしい。玄関先からゴニョゴニョと話し声が聞こえたあと、オッサンがそれに反応してまた怒鳴る。
「酒飲んで待っとるから、いつでも来いや! 殺したるし!」
 
朝っぱらから物騒きわまりない。
やがてオッサンはヨタヨタと歩きだし、ドヤからすぐ近くの飲み屋に入っていった。
その店の看板を見て、思わずため息がもれる。ここ、俺が探していた出禁ナシ店の『Y』じゃん!
図らずもYの客層の一端をうかがい知ることができたわけだが、おかげで緊張が一気に高まってしまった。心して入らねば。
入り口の引き戸を開けて中へ。狭い間口から想像したとおり、店内は細長い造りになっているが奥行きはそこそこあり、10人以上が座れる長めのカウンター席が。さらに店の一番奥には4人がけのテーブル席が3つほどと、収容人数は決して少なくない。にもかかわらず、ほぼ満席なのだから、よほど人気があるようだ。
入り口で空いてる席を探していると、店員の若いネーチャンが近づいてきた。
「奥の席が空いてますから、こちらにどうぞ」
 
イントネーションからして中国人に違いない。結構かわいいな。
一方、キッチンの中には中華鍋を振っている店主らしきオバハンの姿が。どうやらこの店、彼女たち2人で切り盛りしているっぽい。案内されたカウンター席に座り、ひとまず生ビールとツマミを注文。客の様子を観察する。
30代、40代らしき姿もあるが、圧倒的なのは60以上と思しきジーサンたちで、全体的に作業着姿の客が多いところに西成らしさが出ている。
後ろを振り返った際、テーブル席にひとりで座るオッサンと目が合った。こちらににっこりと笑顔を向けてきた彼は、何やら口をパクパクさせている。何か言っているようだが、カラオケの音がうるさくてよく聞こえない。
仕方がないので、オッサンの近くへ移動した。
「すいません、なんておっしゃってたんですか?」
「の、飲んでるかって聞いたんや。お、俺もう焼酎10杯目やで」
「いまビール頼みましたよ」
「そ、そうか。まあ、ゆゆゆゆっくり飲んでき」
「はい、ありがとうございます」
 
席に戻ってすぐ、視線を感じて振り返ると、またさっきのオッサンが口をパクパクさせていた。ふたたびオッサンのもとへ。
「どうしました?」
「お、俺な、昔、パチンコ屋で酒飲んどったら、お、追い出されたことあんねん」
「酒飲んでパチンコやってたんですか?」
「酔うて床にゲボ吐いてん」
 そりゃ追い出されて当然だ。てか、この話に何の意味があんの?
 
少し間を空けて、オッサンが続ける。
「ニーチャン、オフクロとやったことある? お、俺な、昔やろうとしてんけど、怒られて無理やったわ」
「はい?」
 …なんじゃこのオッサン、ちょっと普通じゃないぞ。
気味が悪くなり席に戻ったものの、オッサンは相変わらず満面の笑顔で口をパクパク動かしている。そこへ、店員のネーチャンが手を振りながら近づいてきた。
「お客さん、この人、頭イカレてるから相手せんでええよ」
 そう言ってからオッサンの方に向き直る。
「お父さん、アホなんやからじっとしとき」
 それが合図であるかのように、他の客からも続々と声が上がった。
「おまえ、いつもうっとうしいねん。ほんまのアホは帰れや」
「キチガイが出歩いたらあかんで。もう家で寝とけ」
 集中砲火を浴びたオッサンは今にも泣きだしそうな顔をしている。にしても、みんな口の悪いこと!
「好きよ〜、オメコ〜、い〜〜まで〜〜も〜〜」
それからしばらくは何事もなく、平和な時間が流れた。
隣りのオッサンがおもむろにマイクに手を伸ばした。壁のモニター画面には「さざんかの宿 大川栄策」と表示されている。ふむ。こういう店で演歌を聞くのも悪くない。
 
しかし、イントロが終わった直後、ズッコケそうになった。
「おふふふ、おふ、おふふふ」
オッサンの息を吐く量が異常に多く、声がこもって歌になってないのだ。オンチ以前の問題である。
 他の客から怒声が上がった。
「もう止めえ! 耳障りなんじゃ、アホンダラ!」
 声の主は、ここに来る前、ドヤの玄関先でわめき散らしていたあの暴言オヤジだ。
 怒鳴られたオッサンは涼しい顔で唄い続けている。
「おふふふ、おふ、おふふふ」
「おい、止めえ言うてんねん!」
 
暴言オヤジが勝手に演奏中止ボタンを押したらしい。急に曲が終わり、これにはさすがのおふふオッサンも気色ばんだ。「ちょっと何しますのん。せっかく唄ってたのに」
「歌ちゃうやろ。ほがほが息吐いとっただけやんけ。イラつくねん、ほんまに」
「あんたがイラつこうが、関係あれへんがな。ここ、カラオケ居酒屋でっせ」
この間、店主のオバハンや店員のネーチャンに、仲裁に入ろうとする気配は見られなかった。黙々と自分の仕事をこなしているだけだ。きっと彼女たちにとってこれくらいの口論は日常なのだろう。
ふいに「雪国(吉幾三)」のイントロが流れた。キャップをかぶった強面のオッサンがマイクを握っている。
「好きよ〜、オメコ〜、今でも〜、い〜〜まで〜〜も〜〜」
 
しょうもない替え歌に、周囲からやんやと喝采が起こった。先ほどまで一触即発だった2人のオッサンも手を叩いて喜んでいる。
「股間触って、勃起して、や〜〜りたくな〜る夜ぅ〜〜」
 これが許されるなら、出禁なんてありえないわな。
「あんなんは、揉め事のうちに入りまへんで」
 
午後2時。午前中に居座っていた客の大半がいなくなり、店内はずいぶんと静かになった。
といっても後からやってきた客もポツポツとおり、俺の隣でもハンチング帽をかぶり、マフラーを小粋に引っかけたジーサンがマイクを握っている。オシャレな身なりからして、西成の住人ではないっぽい。
「この店にはよく来られるんですか?」
話しかけたところ、柔和な笑顔が返ってきた。
「ええ、月に3、4回くらい」
「お住まいはこの近くで?」
「いやいや、もっと北の方ですわ。大阪城の近くやし」
「なんでまたわざわざ」
「だって、こんなおもろい店、なかなかありまへんで」
 この店に通ってる間、客同士の揉め事は数え切れないほど見てきたという。
「たしかに今日も、オッサンが口論してるとこ見ましたよ」
「僕もそのときにおったけど、あんなんは、揉め事のうちに入りまへんで」
 ジーサンいわく、つい先日も客同士のトラブルがあったそうで、始めは怒鳴り合うだけだったが、最終的には店の外での殴り合いにまで発展したそうな。
「この店の客って、みんな荒っぽいんですか?」
「荒っぽいというか、コミュニケーションが下手なんやろね。すぐ感情をむき出しにするさかい、他人と仲良うでけへんのです」
 吸いさしのタバコの灰を、ジーサンがちょんちょんと灰皿に落とした。
「今日、カラオケのことで揉めてた客、あれがいい例ですわ」
 例の暴言オヤジのことだ。
「あのオッサン、行く先々の飲み屋でトラブル起こすから出禁食らいまくってたらしいんですわ」
「なんでこの店だけ出禁にしないんでしょうね」
 尋ねると、ジーサンは「さあ」と言ってから、オバハン店主に声をかけた。
「なんでここは、客を出禁にしたりせえへんの?」
 オバハン店主は肩をすくめ、冗談まじりに答える。
「客が減ったら儲けも減るでしょ? 簡単なことね」
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