







ただ、一点少しばかり気にな る情報をもらった。出会い系サ イト・ハッピーメールで、足立 区の〇〇駅で募集をかけている 1万円の大当たり女がいるのだ とか。 30 代のムッチリ体型なが ら磯山さやか似でアイドル級と 聞いたらしい。信頼できる出会 い系ヘビーユーザーからのネタ だそうだ。 磯山さやか似なのか 探りを入れて 数日経過しても、1万円の大 当たり女の話が頭の片隅に残っ ていた。ついつい仕事の合間に ハッピーメールを開き、怪しい 女の投稿がないかチェックして しまう。半信半疑であるものの、 磯山さやかと聞いて夢が広がる のだ。当連載を俺が引き継いで 約一年、そろそろ美人と会ってもいいころだろう。 サイトでの捜索を続けること 一週間。ついに可能性を感じる 女を発見した。聞いたとおり、 30 代のちょいポチャ体型。画像 は掲載されていないが、なによ り例の「〇〇駅」の記載がある。 これはビンゴでは⁉ 〈初めまして。今夜か明日会え ませんか?〉 職場のトイレの個室で、大急 ぎでメッセージを送る。 〈明日ならOKです。大人希望 で、ゴムあり最後までで別イチ でお願いします〉 思ったよりワリキリ慣れして そうな様子に興覚めさせられる が、噂どおり1万で会えるのは ありがたい。 〈了解です。写真を送ってもら うことはできますか?〉 〈無理です〉 〈だれか有名人に似ているとか 言われますか?〉 〈言われません〉 磯山さやか似なのか探りを入 れてみたがそっけない返事。ブ ロックされると最悪なので、あ まり深堀りするのはやめよう。 〈わかりました。時間と場所は 合わせられますので決めてくだ さい〉 〈 10 時に〇〇駅でお願いします〉最後までそっけない事務的な やり取りだ。美女が気まぐれで 1万で客をとると、ぶっきらぼ うになるんだろう。 噂に聞いた女とは 確実に別人 〈少し早いですけど到着しまし た。ゆっくり来てくださいね〉 約束の 10 分前に、指定された 〇〇駅前の銀行ATM入口に着 いた。周囲を確認しながら、自 分の服装を連絡しておく。 〈少し遅れそうです〉 特に謝罪の一言もないが全く 問題ない。待っている間に、磯 山さやかの画像を検索し改めて 勃起してしまった。レベルが来たら個人的に定期で会うことになりそうだ。 心拍数が高まるのを感じなが ら待っていると、前方から一人 の女がやってきた。あれか? いや、ぜんぜん磯山さやかじゃ ないわ。別人だ。 が、その女が声をかけてきた。 「こんにちは」 「はい?」 「待ち合わせの方ですよね?」 想像していた見た目とあまり にも違いすぎて、通りすがりの おばさんが道を訊ねてきたのか と思った。 どうやら今回アポった女、張 本人らしい。マスクをしている が磯山さやかの雰囲気は微塵も ない、野暮ったいチビデブメガ ネだ。年齢も 40 代中盤くらいの 印象。噂に聞いた女とは確実に 別人だ。 「あ、そうです。緊張しててす みません」 期待が大きく落差が激しいた めショックはあった。しかし、 俺は激安売春婦調査員。気持ち を切り替えていくしかない。 改めて女をマジマジと観察す れば、ハッキリ言ってどこにで もいる並のデブスだ。当連載に 出てくる女では化粧ナシなど当然だし、髪がボサボサもよくい る。彼女の肥満具合は腹が目立 つくらいで大したことないし、 婆さんと呼ぶ年齢には達してい ない。 ハズレ女たちとの対戦を経て、 生物の中でも人間のメスだと一 目で判別できる程度ならどうに か耐えられるようになってしま った。悲しいかな、連載の影響 で俺の価値観が完全にゆがめら れているらしい。 「ホテル入ったら、現金で先払 いでお願いします。今、手持ち がなかったらATMで下ろして きてください」 毎度必ず言っているのか、自 動音声のような抑揚の乏しい口 調で案内する彼女。 「お金は用意してあります」 「じゃあ、行きましょう。コン ビニに寄りたければこの先にあ ります」愛想のない彼女は先に歩き始 めた。 ﹁お金は何に 使うんですか?﹂ ﹁別に﹂ 「お金いいですか」 玄関でまだ靴も脱ぎ終えてい ないタイミングなのに金の請求 だ。彼女はまだドアを閉めかけ の状態だ。 「今ですか? 中に入ってから でいいですか?」 「あとで『お金ない』って言わ れたら最悪なので、今お願いし ます」 金がもらえなければ、そのま ま部屋に入らず帰るつもりなの だろう。顔の表情一つ変えず実 に冷静な物言いだ。怖いなぁ。 「そんなズルいことはしません よー。はい、どうぞ」 彼女は特に礼を言うこともな く、金を受け取ると、男子中学 生が使ってそうなマジックテー プ式の財布に仕舞い込んだ。 広めの部屋に入り、彼女はようやくマスクを外した。その素 顔はお笑い芸人ガリガリガリク ソンそっくりだ。しかも、歯が 全体的に黄色や茶色で汚い。 なんだか空気が重く、先が思いやられる。軽い話題でも振っ ておこう。 「お金は何に使うんですか?」 「別に」 興味もない男と会話などした くないのだろうが、そうなると 実に居心地が悪い空間となる。 「いや、『別に』って、沢尻エリ カみたいじゃないですか!」 「⋮⋮」 一か八か渾身のツッコミを入 れてみたが、完全にスベってし まった。 「男と会っても全然話をしない んですか?」 「そうです。お友達じゃないの で、お金もらってエッチするだ けです」 「でも、多少人となりがわかっ てからセックスする方がお互い 楽しいじゃないですか。少しく らい教えて下さいよ」 「そんなの意味ありますか?何が知りたいんですか?」 「うーん、趣味とか」 別に知りたくもないが、無言 のままよりはマシだ。 「アニメですけど」 「へー。どんなアニメが好きな んですか?」 「どうせ知らないと思いますけ ど『憂国のモリアーティ』とか 『ヴェニタスの手記』とか」 彼女は初めて饒舌に話し始め たが、ひとつも知らないアニメ ばかりだ。いわゆるアニオタな のだろう。 ﹁⋮⋮処女でした。 先月まで﹂ 少しばかり空気が和んできた ところで一緒に風呂に入った。 全裸の彼女は思った以上におっ ぱいが小さめで腹が出ている。 背中をかきむしった痕がありニキビのような吹き出物が目立 つ。 「仕事は何かやっているんです か?」 「一応、はい」 「差し支えない程度でいいから 教えて下さいよ」 「スーパーのパート店員ですけ ど。でも、そんなこと聞いてど うするんですか? 男の人には あんまり個人情報出さないほう がいいみたいなんですけど」 「ストーカーになるわけじゃな いし、ちょっとくらい話したっ て何も問題ないですよ。誰がそ んなこと言うんですか?」 「ネットに書いてありました」 彼女、インターネットに書い てあったワリキリのやり方を参 考に、ハッピーメールを使い始 めたらしい。メッセージに書か れていた隠語も、ホテルに入っ たらすぐ金をもらうのも、個人情報を隠すのも、すべてサイト に書いてあったのだとか。しか も今回で男と会うのは3回目ら しい。ぎこちないわけだ。 「でもそれまでエッチの経験は あったんでしょ?」 「⋮⋮処女でした。先月まで」 マジか! たしかに地味で愛 想もないチビデブ女だし、男と 接点はなさそうではある。 「なんか後で知ったんですけど、 出会い系で『処女』って書いておけば5万円くらい出してくれ る人もいるらしいんですよ。私 みたいなブスでも2万円にはな ったかも」 中年処女にそんな価値がある とは思えないが、彼女は先月、50 代のオッサン相手に1万円で 処女喪失したことを後悔してい るらしい。しかし、なんでまた いい年して急にワリキリなんか 始めたんだ? 「お金が必要になったからに決 まってるじゃないですか」 彼女が好きなアニメグッズの 他、2・5次元なる舞台公演を 見に行きたいらしい。そのため に金が欲しいのだとか。 「なんだ。『別に』って言ってた のに、金の使い道決まってるん じゃないですか」 「はい」 少しばかり照れた表情を見せ た。自分の興味がある話題なら 普通に話してくれるようになっ ている。最初は感じていた壁が 取り払われた様子だ。ガリガリ ガリクソンじゃなくて、もう少 し美人だったら興奮する流れな のだが。シャワーを浴びさっぱりした ところで、バスタオルを巻いて ベッドへ。彼女は羞恥心がない のか、全裸でベッドに腰掛けて いる。目が合ったので、気にな ることを尋ねてみた。 「まだ3回目のセックスだった ら、入れるの痛いんじゃないで すか?」 「いや、1回目から痛くなかっ たです。一人でしてたんで」 エロいことには 10 代から興味 があり、オナニーはやりまくっ ていたらしい。 「お母さんが外出したら必ずオ ナニーしていました」 ずっと母子二人の団地暮らし だそうで、いまだに母親にバレ ないようにこっそりバイブを使 っているのだとか。おかげで挿 入には慣れているという。ブス の中年女に挿入で痛がられても 面倒なだけなので助かった。 「フェラはできますよね?」 「一応できます。たぶん下手で すけど」 覚悟はしていたが、ドがつく下手さだった。わざとやってい るんじゃないかと思うほど歯が あたる。これじゃ勃つものも勃 たなくなるぞ。 「口の奥までくわえなくていい です。とりあえずアイスを舐め るみたいに亀頭と裏スジを舐め るだけでいいです」 「ふぁ~い」 舐めるだけなら悪くない。指 示すれば玉袋も丁寧に舐めてく れる。 「さっきより上手くなってきま したねー。気持ちいいですよ」 「もっほへらうまくはりはいれ す︵もっとフェラ上手くなりた いです︶」 ヤル気があるのは評価できる。 指導しながら 15 分ほどじっくり フェラを続けてもらった。 「だいたい気が利く女の子だと、 口でゴム付けするのは知ってい ますよね?」「へっ、ひらないれす︵えっ、 知らないです︶」 チンコの硬度が高まってきた ので、口でコンドーム装着のや り方を教えてやると興味津々だ。 「じゃあ、入れましょうか」 正常位の体勢で彼女の股間を 見れば、手も触れていないのに ボーボーの陰毛がビチョビチョ に濡れている。 「濡れやすいんですね」 「そうなんです。もう入れてく ださい」 膣内はやや狭めだったが、濡 れがいいのでニュルッと滑り込 んだ。腰を振っていると、彼女 は自分で勝手にクリトリスをい じり始める。よっぽどオナニー 好きなんだな。 「フン、フン、フン、フン」 鼻息を荒くしながら、顔面を 激しく歪ませている姿が実にブ スだ。ブス具合が気になりだす と、意識がそちらにいってしま う。脇毛がチラホラ生えている のも気になるし、内モモの大き なホクロからチョロ毛が伸びて いるのも目につく。 目を閉じて全集中、必死に腰 を振ってなんとか射精にこぎつ けた。 ★ ホテルのエレベータでフロン トへ降りる途中、彼女がニコニ コしながら話す。 「今までの3人で、お兄さんが 一番気持ちよかったです」 過去の2人は、挿入途中で中 折れして、彼女としても不完全 燃焼だったらしい。 ガリクソン相手ならしょうが ないだろうと、二人の男性に同 情してしまう俺であった。 そして虫象さん、あなたの情 報はいったい何なんすか!
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