







LGBT法みたいなものが施行されたらしい。難しいことはよ くわからないが、簡単にまとめると、ゲイ、 レズ、バイのような人たちに理解を示して いこうという法律のようだ。 こうなると気になるのは、今まで女しか 入れなかった場所でも、「見た目は男性で すけど、心は女性なんです」と言い張るこ とで入れてもらえるのかどうかだ。 LGBTに理解を示す法律なのだから、男 しかダメ、女しかダメなんて聖域があって はいけないはずだし。 ヒゲ面、オールバックの俺だが、あえて メイクも女装もせず、心だけ女になって突 撃するとしよう。 「手術されてたら 女湯で大丈夫なのですが」 全ての男の夢は、女風呂に入ることでは ないだろうか。女体に囲まれながら堂々と 風呂に浸かる。これほどの憧れは他にない。 今回のLGBT法案反対のデモでは「男 を女風呂に入れるな!」と街のいたるとこ ろで絶叫する人たちがいたくらいだから、 風呂問題こそが反対派の一番心配の種なんだろう。 確かにゆっくり風呂に浸かってて横を見 たらフル勃起のおっさんがいたらたまらん しな。法案が可決されてから女装して女風 呂に突入し、逮捕された不届き者もいたよ うだし。 一応、検証してみようとのことで銭湯へ 向かい、番台に座る婆さんに話しかける。 「あの、私、見た目は男なんですけど、心 は女でして。そういう場合はどちらの風呂 に入ればいいですか?」 「えっ?」 少し黙ってから、婆さんは言った。 「ついてるんだったら、男風呂じゃなきゃ ダメよ」「でも心は女性なんです」 「あなたはどう見たって、見た目は完全に 男だね。なので、男性用はあっち!」 これ以上絡むと警察を呼ばれそうなので あきらめよう。婆さんはまだ新しい法律を 知らないのかもしれないし。 次に健康ランドに行ってみた。フロント の男性に話しかける。 「見た目は男性なんですけど、心は女性な んです。その場合どっちの風呂に入ったらいいですか?」 「手術はされてますか?」 「いや、してないです」 「そうなると、男湯になりますね。手術さ れてたら女湯で大丈夫なのですが」 「性器を取ってれば、女湯に入ってもいい ということでしょうか?」 「そうです。取れていない場合は男湯でお 願いしています」 ふむ、そういうルールになっていたのか。 これはわかりやすい。やはりチンポがつい たまま女湯に入れる時代はまだまだ来そう にないな。 「見た目が明らかに 女性であれば、 ご乗車いただけます」 過去にも、わざと女性専用車両に乗り込 んで「降りろ」「降りない」のトラブルを 起こす男がときどきいたが、法律ができ た以上「降りろ」とは言われないのでは? とはいえ、いきなりあの車両に乗るのも よろしくないので、駅員に許可をいただく ことに。 「あの、お伺いしたいことがあるのですが…。私、見た目は男なんですけど、心は女 なんです。女性専用車両に乗ることはでき るのでしょうか?」 駅員はしどろもどろだ。気持ちはわかる。 「い…今の情勢では、そうですねぇ」 「乗ってもいいってことですかね?」 「ちょ…ちょっと確認しますので、お待ち ください」 語尾が震えている。駅員はどこかに電話 をかけはじめた。後ろでは改札口をエラー で出られなかったおばちゃんが、早くしろと言わんばかりの目つきでこちらを睨んで いる。地獄のような空気だ。 電話を終えた駅員が答えた。 「み…見た目があきらかに男性のときは、 乗車はご遠慮いただいております」 「というと?」 「乗車されてる女性のお客様から見て、女 性だと思えればご乗車いただけるのですが、 お客様のような男性の見た目だとちょっと、 ご乗車は遠慮していただいております。見 た目が明らかに女性であれば、お客様のようなLGBTの方でもご乗車いただけま す」 「それって人の主観になってしまうという ことですよね?」 ひろゆきみたいなことを言い出した俺に 対して、さらにしどろもどろになる駅員。 「そ…そうですね。人の主観になってしま いますが、あくまで、見た目が女性であれ ば」 「では、私が今から女の服装をしてくれば いいのですね」 「は…はい。そういうことでございます」 女性専用車両は、そういう基準になって るのか。編集部のアオイちゃん︵女装好 き︶なら余裕でセーフかも。 「大家さんが 理解のある方であれば という感じですね」 賃貸のマンションやアパートには、安全 面を考慮した女性限定の物件がある。響き だけでいい匂いが漂ってきそうな、秘密の 花園である。 町の小さな不動産屋に飛び込んでみた。 「家を探してるんですけど、新宿区でなるべく安いアパートだとどんな 感じですかね」 普通に部屋を探してる風を 装ってみる。 「安いアパートですと、この あたりですかね」 狭い6畳の部屋をプリント アウトして見せられた。もち ろんそんなもんには興味がな い。 「あの、実は私、見た目はこ んなんですけど、中身が女なんです。それで女性専用のアパートを借り たいんですが」 「えっ」 空気が凍りつくが、しっしと追い出され はしない。デリケートな問題だからと気を 使ってくれているのだろうか。 「あなたの心が女性ということですよね。 基本的には大丈夫なのですが、大家さんが 理解のある方であればという感じですね。 管理会社と大家さん次第というところです。 あとは住んでみて、近隣の苦情だったりク レームがあったりすると、どうかなと思いますが」 「そのあたりがクリアになれば、入居する のは問題ないのでしょうか?」 「そうですね。問題ないかと。一応、大家 さんには伝えておいた方がいいかと思いま すが」 「ありがとうございます。また検討して出 直してきます」 いかにも入れそうな流れだけど、これ、 大家さんが許すとは思えないよな。他の入 居者への説明もかなり難しいだろうし。「すごく気になるので、 お返事をくれると 嬉しいです」 出会い系サイトには最近、女装子が増え てきた。女が書き込むべき掲示板に「女装 の男ですけどお願いします」なんてことが 書いてある。きっとカップルも成立してる んだろう。 しかし女装子が我が物顔でいるだけでは まだ、男らがLGBTに理解があるとは言い難い。あくま で女装で女っぽ くなってようや く男が食いつい てきている図式 だからだ。 俺は完全に男 性の写真で登録 する。心だけが 女なのだと主張 して。そんな人 間の存在が許さ れてこそ、法律 の意味があるの だ。 ハッピーメールの登録画面に進むと、男 性と女性の選択肢があらわれた。迷わず 「女性」を選択する。 プロフィール画像は俺そのまんまだ。さ すがにヒゲはどうかと思うので、口元はハ ートで隠しておこう。 自己紹介には、「はじめまして。心は女 性です」と記す。 アカウントが消されないか心配しつつ、 男からのアクションを待つ。30 分ほどでメールが届いた。 「はじめまして! すごく気になるので、 お返事をくれると嬉しいです」 これには驚いた。出会い系サイトなんて 女を求めてピコピコやってるはずなのに、 この俺の写真を気に入ってくれたなんて。 LGBTに理解のあるいい男だ。 さすがに直接会ってご飯とかいくとボロ が出そうだからやめておくけど。 数日経った今もアカウントは生きている。 ハッピーメールもなかなか理解のあるサイ トだ。 「時間の無駄みたいな感じに なる可能性もありますが」 女性が活躍している現場といえば、エン コーの温床、出会いカフェだ。心が女なら、 マジックミラーの向こう側に座る資格があ るはずだが。 ビクビクしながら店内に入る。 「いらっしゃいませ。会員証お願いしま す」 「いえ、初めてで、登録したいんですが」 「では、こちらにお名前と電話番号をご記 入ください」渡されたのは男性用の申込用紙だった。 「すみません。私、見た目は男性なんです が、中身は女性なんです」 「えっ! ふっ」 軽く鼻で笑われた。まあ、このヒゲ面の 男が女性だなんて、笑ってしまうのも無理 はない。 「お客様の中身が女性ということでしょうか?」 「そうです」 「弊社もいま、そういう方々に対する対応 をどうすればいいか悩んでおりまして」 「はぁ」 「女性として登録もできますが、こちらに 来るお客様は、女性を目当てに来ているの で、呼ばれずにずっと待ってることになり、 時間の無駄みたいな感じになる可能性もあ りますが、どうします?」 「登録してマジックミラーの向こうに座ら せてもらえるんですね」 「そうですね」 すごい寛容ぶりだ。こんなヒゲが座って たら、男客はどう思うんだろう。並んで座 る女の子らもビビりそうだけど。 「やる気があるなら 働いてもいいけど」 スナックの外に「女の子募集」の貼り紙 があった。法律ができた今なら「心は女」 の俺も「女の子」である。 さっそく飛び込みで面接だ。 「すみません。外の張り紙で女性募集と書 いてあったのを見たんですけど」「あっそうなのですね! はい!」 対応してくれたのは 50 代らしきママさん だ。 「あの、見た目は男で中身が女の場合って、 働けたりするんですか?」 「うちは基本、女の子しか雇ってないんだ けどね。そういう友達がいるの?」 「私がそうなんですけど」 「えっあなたが? LGBTってやつよね。 最近話題の」「そうなんです」 「でも中身が女っていう割には、見た目は 男っぽいわよね」 「よく言われるんです」 ママが悩んでいる。さすがにヒゲのホス テスはまずいけど、世の中の空気的に邪見 にもできないし…ってな感じか。 「そうね。やる気があるなら働いてもいいけど、今度あらためて面接ってことでどう かしら。お客さんも増えてきたし」 え、そうなの? 働いてもいいの? な んだか面倒な展開になってきたぞ。 「本当ですか。ちょっと考えさせてもらっ てもいいですか?」 自分から飛び込んでいったくせに、ちょ っと考えるって何だよ! と自分にツッコ ミながら店を後にした。高給バイトを探し てる男性のみなさん、心を女にしてホステ スになるのもいいかもです。 「内勤スタッフとしてでしたら、 ご案内できますが」 街でふと、ホステスさん募集の張り紙が 目に入った。ここはソープランドじゃない か。 もしソープランドで採用されたらそれこ そLGBT最先進国だ。とりあえず、ダメ 元で突撃してみるとするか。 入り口の自動ドアが開き、中へ歩みを進 めると、すぐにボーイが寄ってきた。 「いらっしゃいませ。こちらにおかけくだ さい。どの子を指名されますか?」 「あの、外にあるホステスさん募集を見たんですけど」 「男性スタッフ募集の張り紙ですか?」 「いや、女性コンパニオンの張り紙です。 私、見た目は男ですけど、中身は女なんで すよ」 「と、申しますと」 「えっと、私は心は女なんですけど、そう いう人はソープで働けないですかね?」「女性スタッフとしてということでしょう か? 無理ですね。内勤スタッフとしてで したら、ご案内できますが」 「ソープ嬢として働かせてもらうことはで きないと?」 「そういうのは無理です」きっぱり断られてしまった。これ以上粘 ると後ろから怖いお兄さんが出て来そうな ので退散だ。さすがソープランド、キチガ イの対応には慣れているのだろう。そもそ も穴がないから働きようがないもんな。
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