繁華街などで道行く女をキャ ッチし、AVや風俗に沈めてキ ックバックを得るお仕事、スカ ウトマン。かつては日本全国に ゴマンといたので、その姿を見 かけた方も多いだろう。 ところが、施行のスカウ ト規制条例によって、この仕事 は軒並み壊滅状態となった。い まは警察の目におびえつつ、こ そこそ女に声をかけねばならな いのが現状だ。 オレは、都内の小さなスカウ ト事務所に身を置く者である。 キャリア。それなりに腕は あるほうだと自負しているが、 全盛期に比べると売り上げは落 ちる一方だ。 だからオレは常々考えていた。 こんな調子じゃ、そろそろ身の 振り方を考えねばいかん。本業 を続けるためにも、どこかに美 味しい副業はないものか11も 約1年前、渋谷を根城にする 後輩のキャッチ、Aか らの電話で喫茶店に呼び出され たのがコトの発端だった。 「竹内さん、久しぶりつす。実 はボク、美容業界のエージェン ト業務を始めたんですよ」 「何ソレ?」 「整形したい女の.を整形病院 に紹介すればマージンがもらえ るんです」 単純な仕組みだった。 過当競争の美容外科業界では、 小さいところはどんどん潰れ、 広告を打てる大手だけが残って いるのが現状。どこも患者の確 保に躍起になっているが、待っ ているだけでは女性客は集まら ない。 そこで患者を引っ張ってきて くれる男とエージェント契約を 結び、その患者の手術費用に応 じてバックマージンを支払って いるのだ。例えば手術費用が1 00万円なら、マージンは⑩% の如万円だ。 ずいぶんウマイ話だが、あっ ても不思議ではない。いわば整 形スカウトマンといったところ か。にしてもマージン“%とは、 いかに美容業界がぼったぐり商 売なのかがわかる。 「そりゃそうですよ。あんなと こ儲け第一ですからね。あと、 知%のうち5%はボクの取り分 ってことで」 なるほどね、それでオレを取 り込もうってわけか。何もしな くても5%ならオイシイわな。 どうしよつかな…。 「竹内さん、そんなに悩むこと じゃないっすよ。女を連れて行 けばカネになるし、連れて行か なければカネにならないだけで。 やることはスカウトと同じです よ」 「ノルマとかペナルティとかな いわけ。手術に失敗したときと かさ」 「ありません」 その一言を聞いて、腹が決ま った。一発やってみつか。 こうしてオレは、Aを通じて 各病院とエージェント契約を交 わすことになった。たいしたこ とじゃない。医師に挨拶まわり をして、書面を交わすだけだ。 ある日、本職のスカウト業の ほうで、ネットの求人広告を見 てやって来た女を面接すること になった。 面談室ではスレンダーな女が チョコンと頭を垂れていた。員 鍋かをりをやや老けさせたよう な、なかなかの上玉だ。名前は 由貴子というらしい。 「で、キミはどうしてウチに来 たのかな?」 「お金になる仕事をしたいんで す。AVでもいいから、とにか く売れたいんです」 よくいるタイプだ。上昇志向 が強く、顔を売って世間の注目 を浴びたいが、自分の容姿では 芸能人になんてとてもなれっこ ない。だからAVにやってきた かつてこの手の女を何人 見てきたことか。医師は手馴れた様子で「ビフ ォーアフター」の診断例をめく り、彼女の乳房に目をやった。 「では、ブラウスを脱いでいた だけますか。胸の方を見せてい ただきたいので」 「…は、はい」 「ははは、カタくならなくてもいいんですよc私たちはいつも 女性の胸を見てますから」 続けて、医師が彼女の胸を手 で触診し、何かの器具でサイズ を測る。わかったような表情を 浮かべたところで、 「あなたの体にはシリコンは合 っていないかもしれませんね」 「…どういうことですか?」 「脂肪自体に脆弱性があるんですよ。脂肪吸引をして、それを 乳房に注入する最新式のオペは どうでしょう。自分の脂肪だか らシリコンのように拒否反応が なく、全体に馴染みやすいです し」 手術の意志を問うのではなく、 あくまで手術を行うことを前提 としてその方法を尋ねている。 まるで催眠商法のクロージングだ。 フト真横を見ると、由貴子が 不安げにオレを見つめている。 オレは自分も同意見だというよ うに「うんうん」とうなずいた。 「いいんじゃないの。胸が大き くなって痩せられるなら、一石 二鳥じゃない」 「..…・そうだけど」 「先生の腕は確かだからさ、心 配することないよ」 「。。・・・・」 考えこむ彼女は、医師から値 段を聞いた瞬間、驚嘆の声をあ げた。脂肪吸引と豊胸費用で1 75万円もするのだ。 「でも由貴子ちゃん、これって 相場より安いよ」 医師と呼吸を合わせたオレの デタラメに、ようやく彼女は意 を決した。「豊胸費用」で半々に分け、2 種類の医療ローンを組むことに なった。 クレジット会社でローンを組 む場合、本人の収入証明が必要 になってくる。当然ながら、ど こかの会社に勤めているか、固 定収入があることが条件だ。 ところが、AVに出演するよ うな女など、元水商売や元風俗 ばかり。勤め先や固定収入など あろうはずもなく、彼女もまた その例外ではなかった。 「どうすればいいの、私」 「まあ、任しときなよ」 オレは自分が在籍するスカウ ト事務所をアリバイ会社として 使うことにした。『社員として 2年勤務、年収320万円』と の収入証明を発行してやったの だ。 その後、必要書類を整え、ク レジット会社にローンを申請。 ほどなく、ウチの事務所に在籍 確認の電話がかかってきた。 『××由貴子さんという方はい らっしゃいますか』 『ええ、おりますが。何か』かくしてローンは無事に通っ たのだが、まだ仕事は終わらな い。手術はさらに一週間後。い つなんどき女の気持ちが変わら ないとも限らないのだ。 念のため、彼女の携帯に毎日 のように電話をかける。 「元気してる?」 「うん、大丈夫だよ」 「あと少しで手術だから、体に は気をつけてね」 「ありがとう」 そして手術当日、オレは由貴 子を自宅まで車で迎えにいき、 病院まで送り届けた。 4時間後、手術が終わり、彼 女が現れた途端、素早く駆け寄 る。 「よくがんばったね。痛む?」 「ちょっと痛むかな。でも麻酔 もきいてるし、大丈夫」 「へ〜、手術前よりも胸が大き くなってるね」 「でしよ〜」 力なく笑う彼女を車に乗せ、 再び自宅へ届ける。これにて仕 事完了だ。マージンは、各病院 から口座に直接送金されるとの 見た目は 変わらなくても ナンバー2に ことだが…。 オレの銀行口座に175万円 の弱%、田万円が振り込まれた のは、手術の翌月のことだった。 美味しすぎる! 稼げると踏んだオレは、この 日から交友関係すべてにアンテ ナを張ることにした。 路上で道行く女に声をかける ことも考えないではなかったが、 成功率は低そうだ。やはりある 程度顔見知りになってからでな いと、整形の話までは持ってい けまい。 網にかかった2人目の女、加 奈子は、オレが以前に 路上でキャッチしてデリヘルに 送り込んだ女だった。見た目は 北乃きいをぽっちゃりさせた感 じだろうか。 ところが、この女がロクに客 もとれないし、やる気もまるで なし。こんな調子じゃ稼げない だろうからと整形の話を振麺 ってみることにした。 「加奈子ちゃんさ-、この ままじゃぜんぜん稼げないでし よ。ちょっと顔イジってみたら どう?」 「それってもしかして…」 「整形。目鼻がハッキリしない んだよ。もっとカワイクなった ら、人生変わると思うぜ」 ふてくされることも覚悟の上 だったが、意外にも食らいつい てきた。彼女もまた昔から目に コンプレックスがあったという のだ。 こうして目頭から上まぶたに かけてかぶさっている皮層を切 って目を広げる目頭切開(印万 円)を受けさせたところ、オレ に5千円のマージンが入 った。 彼女には後日談がある。数カ 月後、偶然、路上で再会したら、 ずいぶん雰囲気が変わっていた のだ。 見た目は手術前とほとんど一 緒なのに、なんというか、全身 から放つオーラが違う。服装も前は地味なジーンズとかだった のが、今は派手なギャル系であ る。 「あれ、イメージ変わったね?」 「ん-、自分でもよくわかんな いんだけど、整形してからなん か自信がついたんだよね」 信じられないことに、整形後、 あれよあれよと客がつき、店の ナンバー2になったらしい。今 じゃ月収、万というから驚きだ。 「なんか急にがんばろうかって 気になってさ」 見た目以上に内面に変化があ ったってことか。まさか整形に こんな効果があるとは思いも寄 らなかった。「なんか私って、顔の バランスが悪くないで すか?目が大きくな りすぎたっていうか」 目だけ大きくすれば そりゃバランスだって 悪くなる。長年、自分 の顔を見慣れた本人が いちばん違和感を覚え るものだ。だから他も いじりたくなる。いわ ゆる整形依存症という ヤシだ。 オレからしたらまた とないチャンスである。 ここは焚きつけるべし。 「言われてみたらそう かもねえ。ちょっと鼻 もイジつた方がよくな るんじゃいなかな」 「….:やっぱりそう思 シフヮ.」 かくして彼女は2度目の整形手術、鼻にプロテーゼ を入れて高くする隆鼻術を受け ることに。その後もバランスが気になる のか、彼女はちょくちょくオレ の元へ相談に訪れた。「アゴをスッとさせたいんだけ ど、どう思う?」 「いいんじゃない?ほほ骨を削ったら、いい感じになるかな あ」 結局、なんやかんやで5カ所を手術させ、懐 には都合100 万以上が入って きた。オイシイ ことこの上なし だ。 整形依存症の 女は他にもいた。 AVプロダクシ ョンの営業担当 から紹介された、 自称OLだ。 「私、これまで オペは回くら いしてるんです よ」 ロボットみた いにこわばった ブサ顔で、彼女 がバックから1 枚の写真を差し 出した。内田有 紀バリの少女が 微笑んでいる。エージェントにとっては、 こんなに美味しい獲物はない。 しかし、どこを手術させようか と舌なめずりした途端、彼女の 様子が怪しくなってきた。 「私はもっともっと美しくあり たいんです!醜い自分では生 きていけないんです!」 「は、はあ」 「自分を取り戻したいんです! そのためには何でもやります! 死ぬ気でやります!」 こんなエキセントリックな女 を紹介したら病院から苦情が来 るのは確実だ。せっかくの人材 だが泣く泣くあきらめるしかな かった。その日、原宿の路上で奇妙な 顔の女を見かけた。アゴがしゃ くれにしゃくれまくり、猪木の 倍ぐらいになっている。これで コンプレックスを抱いてなければ人間じゃない。 ナンパを装って声を掛け、軽 口を叩いてやった。 「それ、治したほうがいいよ。 すごいアゴじゃん」 「そうなんですよ:….。ともさ かりえ以上だって言われる」 比較対象にされるともさかも 可哀想なもんだが、それ以上の 彼女はもっと悲惨だ。 「んじゃ整形してみようよ。オ レの知ってるところなら、安く なるし。やらなくてもいいから、 話だけでも聞いてみたら」 「お願いしようかな」 この早い展開、本人もどこか できっかけを待っていたのかも 知れない。 後日、病院に連れて行った。 このアゴを真っ直ぐにするのは 大変なはず。少なく見積もって も手術代は300万、いや40 Oはいくんじゃ…。大儲けだ。 しかしカウンセリング担当の 医師は、彼女のアゴを見た瞬間、 目を丸くして言い放った。 「これは美容整形というレベル じゃないな。本格的な分野だね」なんと、儲け第一の医師でさ えサジを投げてしまうほどのし ゃくれだったのだ。当然、マー ジンなど発生するはずがない。 今の彼女がしゃくれているの かどうかはわからない。
何でも言ってね娘待機中!
飽きずに遊べるエロゲーム
広がるマッチングアプリ婚!コロナ明けで出会い欲は加速中
レアおすすめ動画
カテゴリ
タグ
コメント 0