ターミナル 駅には、構内で ワゴン販売をしている お姉さんたちを見かけ る。 基本的に一人で仕事 をしている彼女たち、 非常にヒマそうだ。仕 事中の出会いだって当 然ないだろう。 いつも同じ場所で販 売しているとは限らな いので、今回の手紙は 「先日」ではなく「先 ほど」のフレーズを用 いるとしよう。キョロキョロしながら待ち合 わせの新宿アルタ前で待ってい ると、女性が近づいて来た。3 番の女のコだ。 「こんにちは」 「あ、どうも、こんにちはー。 返事くれてありがとうございま す」 世間話をしながら近くの小ジ ャレた居酒屋へ移動する。 「日本にはいつごろから来たん ですか?」 「5年前からです」 「あ、じゃあもうかなり慣れま したね」 「そうですね」 「あの仕事は長いんですか?」 「あの仕事は前からやってます。 色んな駅でやってます」 話してみると、なんとなく日 本語が不自由な感じがするが、 コミュニケーションは普通に取 れる。頑張って日本語を勉強し たんだろう。 「どこで日本語覚えたんです か?」 「わたし、中国で大学の専攻が 日本語でした。それがもったい ないから来ました。日本語はぺ らぺらじゃないけど簡単な言葉 ならわかるから」 「彼氏とか恋人みたいな人はい ないんですか?」 「いないですよ。付き合ったこ ともないです」 ほほう。てことは処女ってことか? 中国人&処女。かなり ハードルが上がった気がする。 どう攻めればいいんだろう。 「男のお客さんから話しかけら れたりしません?」 「え、どういうことですか?」 「いや、綺麗だからモテるかな と」 「そんなことないですよ(笑)」 「いやー、お手紙もらったりし たことあるでしょ?」 「ないですよー。ビックリした」 「すいません、いきなり渡しち ゃって…」 「いえ、嬉しかったです…」 褒め殺しのおかげで、いい感 じの雰囲気になってきた。 が、相手は処女だ。それに俺の中でちょっとした罪悪感のよ うなものも芽生えてきた。異国 で頑張ってる子をこんな形でダ マしちゃうのはどうなんだろう? 一応、この場は友達になって おいて、ゆっくり関係を築いて いくぐらいにしておいたほうが 日中友好のためにもいいかもし んない。 「じゃあ、今日は帰ろっか」 「はい。ありがとうございまし た」 「いえいえ、こちらこそ来てく れてありがとう」 帰りがけ、彼女はどこかで買 ってきたのか、お菓子をプレゼ ントしてくれた。いい子だな。 日本人にこんな子いないよ。先月のショッピングモールの シングルマザーと進展があった ので報告したい。子供同伴なら 食事に行ってもいいとの返事を くれていた女性だ。 子連れでいったい何ができる のか、かなり不安だが、まず会 ってみないことには。 ちなみに、まだ何番の彼女か わかっていない。約束当日、昼。待ち合わせ駅 にやって来たのは、4番、上原 多香子似の彼女だった。嬉しい。そして視線を下に向けると、 ベビーカーの中に可愛らしい女 のコの赤ちゃんが。 「どうも、こんにちは」 「ああどうも! 来てくれてあ りがとうございます」 赤ちゃんはキョトンとこちら を見ている。まだ分別のつく歳 ではないだろうが、なんだかや りにくいなぁ。 子供も一緒に食べられる場所 がいいということなので、ファ ミリーレストランに入った。 「お子さん可愛いですね。おい くつなんですか?」 「いま1歳3カ月です。ユズカ (仮名)と言います」 「そうなんですねー。ユズカち ゃんこんにちはー」 ハートフルな空気が流れた。 が、こんなことをしている場合 ではない。いつものペースに戻 さなくては。 「やっぱり、職場で同僚に口説 かれたりするんでしょ?」 「いやー、ないです」 「お客さんに声かけられたりな いんですか?」 「いやー、ないですね」 「へえ、こんなにキレイなのに、 意外と…」 と、そこで、 「フギャ〜! ウェーン !! 」 ユズカちゃんが奇声を上げな がら砂糖のビンを倒してしまった。 「ユズカ! ダメでしょ!」 口説きに入ろうと思ったタイ ミングにどうしてまた。母親の 危機を察したのかな。 これを機にユズカちゃんがし つこく暴れ出し、普通の会話も ままならなくなった。 「あのー、じゃあカラオケにで も行きましょうか?」 「そうですね。ゴメンなさい」 美女とカラオケ。本来ならば テンションの上がる行事のはず だが、子連れでは勝手が違う。 「ほらほらユズカ、アンパンマ ンだよー。一緒に歌おうか」 「……」 シングルマザーを口説く難し さがわかってきた。良心が痛む というよりも、物理的に困難な のだ。そりゃ母親は男よりも子 供を優先するよな。 彼女からリクエストがきた。 「郷田さん、なんか歌ってくだ さい」 よし、ここは一発ミスチルの ラブソングに自分の気持ちを乗 せてやろう。 「♪出会った〜日と〜」 歌い出したとたん、ユズカち ゃんが騒ぎ出した。嫌われてる のかも。 こうなりゃ一か八か勝負だ。 子供は無視して、彼女の目を見 つめる。 「よかったら、俺とつきあって くれませんか?」 「そうですね…。まだ早いです し……」 「……」 「それに、私と同じくらいユズ カのことを好きになってくれる 人じゃなきゃヤなんですよね」 ヘビーなセリフが飛び出した。 やっぱり子供がいると責任の重 みが違うな。 「好きになれると思います。ユ ズカちゃんすごい可愛いし」 「そうですか…。ああ! ダメ、 ジュースこぼれちゃうでしょ!」
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