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ついに還暦になってしまった。裏モノに連載を始めたときはまだ 35才。当 時のルポを読み返してみたが、若くて アグレッシブでいいよなぁとそのころ の自分にちょっと嫉妬してしまった。 まあ、なくしたものを悔やんでも仕   方がない。 の俺がどこまでやれるの か、ゆるゆると頑張るだけだ。 ごめん、 君ではもう無理だ さて、現在のターゲットの美人スー   パー店員中野さんだが、連絡先を渡し たのに年が明けても返事がない。やは りいきなり名刺を渡したのは失 敗だったのかな。 年末年始、連絡を待ちながら   彼女へのアプローチを振り返ってみた のだが、神戸のストーカー逮捕の一件 以来、ちょっと攻め方がぎこちないと いうか、考えすぎてうまく行かずに焦 っていた気がする。 一方で、年末にスナックで仲良くな   った熟女二人組だが、派手なオクミの 方から『近々のみましょう!』とお誘 いのLINE が届いた。 ここはなんとしても3P狙いでいき   たい。 『ぜひいきましょ!   ノリコちゃんに も連絡しといて』 『そうですね。せっかくなので3対3 で行きませんか?』 なんでこの歳で合コンのセッティン   グをせんとあかんねん。邪魔くさいわ。 『うーん、みんな1月は忙しそうやし な』と返すと『じゃ、二人でいきませ んか』と返事があった。 まぁ、ええわ。とりあえずオクミを   いっとこか。まあまあのエロ美人だし、 俺もだいぶ溜まってるしな。 3日後に飲みのアポを取り、ミナミ   で待ち合わせ。スキニーのデニムにピ ンクのダウンと、オクミは今日も派手 な服装だ。 「しんちゃん、こないだはごめんなさいね。あのときは無茶苦茶酔っぱらってた ので思い出したら恥ずかしくって…」 最初から酔っぱらって下ネタ全開だ   った前回とちがって、今回はしおらし いやん。早く酒飲んでとっととエロモ ードになってよ。 居酒屋の個室で飲み会スタート。オ   クミは最初からハイペースで飲みまく る。いい感じだ。聞けば旦那もいるら しい。夜に出かけて大丈夫なんか? 「あいつはお水の女と浮気ばっかり。 病気やからもう治れへん。腹立つから ノリコ達としょっちゅう飲んでんねん」 ボヤキながら結構飲んで、1軒目を   出るころにはオクミはだいぶできあが っていた。ベタベタとしなだれかかっ てくる。もう1軒挟んでホテルに誘う 予定だったが、このままいけるんとち ゃうか。 二人でホテル街へと足を進め、その   まますっとラブホに入る。思った以上 に楽勝だった。 「うわっ、めっちゃ久しぶりでドキド キする。ちゃんとできるかなぁ」 照れ臭いのかエレベータの中でペラ   ペラしゃべるオクミの口をキスでふさ ぎ、舌を絡ませる。 部屋に入り、キスをしながらせわし   なく服を脱ぎそのままベッドに 移動。 全裸になると、そこそこの美人だとは言え、オクミの身体は年齢な りにたるんで生活感が滲み出ている。 すでにびしょびしょで準備OKのオク ミに対し、俺はというとムスコにだん だん元気がなくなり、半勃ち状態でダ ウンしてしまった。 オクミに口で元気にしてもらい何と   か挿入、無事に1回戦を終了したが、 射精後のムスコはぐったりとしぼんで しまい、とても2回戦を戦える状態で はない。 大興奮で久々のセックスを楽しんだ   オクミはもっとしたそうだったが、ご めん、君ではもう無理だ。3Pだった らもっと興奮したかもしれないが、そ れでも二人を相手にする元気はなかっ ただろう。 あぁ、これが歳をとるってことなの   か。そろそろ薬のお世話にならないと いけないかもな。 ついに中野さんと 繋がった!! 一応、溜まっていたものを出してス   ッキリしたことだし、本命の中野さん に集中しよう。魅力的な中野さんなら、 半勃ちなんて事態にはならず、2回戦 でも余裕で頑張れる自信がある。 返信はないものの、年明けから元の   スーパーに復帰しているはずだし足を 運んでみよう。 いたいた。中野さん一人でサービス   カウンターに立っている。2023年 も変わらずきれいだ。さあ、どうす る? もし、返事が来ていない理由が『も   う関わらないでほしい』ということな ら、これ以上の深追いはまずい。ここ はさらりと挨拶をして様子を見てみる ことにしよう。 ビールを買い、レシートと駐車券を   持ってサービスカウンターに向かう。 「こんにちは」 「あっ、どうも。連絡できてなくてす いません」 「いえいえ、いきなりでしたもんね」 「いえ、会社のメールアドレスだった のでメールを送っていいのかと。携帯 も年末年始はご家族といらっしゃるだ ろうからさすがに掛けない方がいいか と思いまして」 なんや、そういうことだったのか。   ほっとしたよ。 「日中なら携帯に掛けてもらって大丈 夫ですよ。ショートメールでもいいですし」 「わかりました。じゃ、また連絡しま すね」 サービスカウンターでこれ以上の長   話はできない。ちょっとニヤけながら、 スーパーを後にした。早く連絡来ない かな。 分後、見たことのない携帯番号か   らショートメールが届いた。おっ、もし かして中野さんか?   こんなに早く? 『中野です。今ちょうど仕事が終わっ たところです。よろしくお願いします ね』 やったー!   った!! ついに中野さんと繋が   これからコミュニケーション   をどんどん深めていけるぞ。 『お疲れ様でした。仕事終わられたの なら、ちょっとだけ電話で話すことは できますか?』 『はい、今まだ店の前なので、ちょっ と離れてから電話しますね』   よっしゃー!!   車の中で電話を待つ。 めちゃくちゃ長く感じる2、3分が過 ぎ、着信が入った。 「もしもし中野です」 「あっ、もしもし。どうも」 「どうも。なんか緊張しますよね」 俺もそうだ。電話でこんなにドキド   キするなんていつ以来だろう。 緊張からか、何を話していいか話題   がなかなか出てこない。とりあえず、いつならお互いに連絡しやすい かなどを話して、名残惜しいが 通話を終えた。電話を切った後 もふわふわした気持ちが続いている。その後も、2日に1回くらいのショ   ートメールで、いつ話せるか確認した うえで 分から 分ほど電話で会話す るということを続けた。 さすがにお互いだいぶリラックスし   て話せるようになったが、やっぱりま だ少しドキドキしている。付き合い始 めの学生みたいだ。とっとと会ってす ぐにセックスしたオクミのときとは大 違いだ。 でも、やっぱり早くデートしたいな   ぁ。もう二人で会ってもおかしくない 関係なので、そろそろ食事にでも誘っ てみようか。 すると中野さんはこんなことを言っ てきた。 「そうですね。食事もいいんですけど、 ライブとかどうですか?」 そう言えば電話で「ボヘミアン・ラ   プソディ」きっかけでクイーンのファ ンになったって言ってたよな。それか ら古いロックとかを色々聴くようになったそうだ。 「恥ずかしいですけど、まだ一度もコ ンサートやライブって行ったことない んです。河内さんは音楽詳しいし、お 薦めのライブあったら一緒に行ってみ たいです。行ってみたいと思ってたけ ど、ひとりで行く自信がなくて」 なんて素敵な申し出だ。行く、行く。   行きましょう! ジャンルは全くこだわらない、お任   せしますということなので、俺が決め ることになった。 よし、これは絶対に中野さんのライ   ブ初体験が大満足になるようにセレク トしなければ。そして、高揚した気分 で帰りにキスまで持っていければ最高 だ。 落ち着いたオシャレなレストラン形   式のライブハウスもいいが、せっかく の初ライブ、スタンディングで盛り上 がれるライブがいいだろう。悩みに悩 んだ末に、キタのライブハウスで行わ れるKというアーティストのライブに 決めた。 「うわぁ、すごく楽しみです!   せっ かくなので、Kのことあえて予習せず にいこうかと思います」



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