埼京線は日本一多い電車として悪名をとどろかせているが、実は女装子(女装した男)チカンのメッカであることはあまり知られていない。女装子チカン?つまり触られたい女装野郎が自発的に乗り込み、それを変態男が狙っているという図式だ。あんなギューギュー電車で好き放題されるなんてどんな気分なんだろう。木曜日の夕方6時30分。
OL風に変装したノリ子(俺)は、帰りを急ぐ人々でごった返す埼京線、新宿駅のホームに降り立った。事前に得た情報によれば、最も多いとされる列車は3・4番線ホーム下り通勤快速の、午後6時から8時までの時間帯に集中しているらしい。すでにホームは人だらけで、すぐ脇の階段から次々と新しい客が流れてくる。次の快速の発車は15分後。まだ先頭車両の停止位置あたりには、列車を待つ客の姿はない。JRの係員が立って「先頭車両付近は大変混み合いますので、なかほどまでお進みくださーい!」と、促しているおかげか、ほとんどの客がホーム奥へ進んでいくのだが、ポツりポツりと立ち止まる客がいる。
みな中年男性だ。パッと見は、ワイシャツのリーマン風や、私服の自営風などごく普通のオッサンたちばかりだが、この周辺での位置取りは明らかに不自然だ。チカンだろう。そろそろ俺も並ぶことにしよう。前から2番目の位置で、電車の到着を待つ。ふと横を見るとエレベータ付近にスカートをはいた細身の女が立っていた。
あれ?化粧がやけに濃いし、スカートから伸びた脚がたくましい。女装子だ。ノーメイクで手ぶらの俺と違って、彼女はバッチリ化粧もして、可愛らしいハンドバッグも抱えている。いよいよ電車が到着する直前になると、ホーム全体に人があふれ出し、オバサンや仕事帰りのOLのお姉さんなどもポツポツ混ざり始めた。
「電車が到着します!下がってください!下がってくださーい!」
係員のアナウンスと共に電車が到着。ドアが開き、車内の乗客がおりると、ホームにいた客が一斉に乗り込んでいく。
「ご乗車の際は、順番にお進みください! 押さないでください!」車内に足を踏み入れた瞬間、背後からグイグイ押されるようにして奥へ押し込まれていく。いて! いててて! ものすごい力だ。ギチギチの状態になってからも、さらに入り口側から圧力がかかってくる。うぅ、苦しい…。気が付けば完全にオッサンに囲まれ、両腕がピクリとも動かせないほどの状態に。前方に2人、背後からは誰かの膝が、脚の間にはさまれた状態だ。ドアが閉まり、電車が動き出した。
と、一瞬できた隙間を使って、白シャツとグレージャケットの2人が微妙にカラダの位置を変えてきた。グレーの右手があからさまに俺のチンコに向けて近づいてきて、白シャツの左手は俺の反応を確かめるように手の小指に微かに触れてきた。発車2分後には、グレーの右手がスカート越しにチンコの真上に移動。手の甲がジンワリと押し当てられる形になった。白シャツは、俺が小指のタッチを拒否しないと判断するや、しっかりと手を握りしめてきた。
さらに、膝の間に挟まっていた男の足がグイグイ動き、脚を左右に拡げようとしている。どうやらノリ子、3人に囲まれてしまったらしい。列車が最初の停車駅の池袋に到着し、数人の乗客が入れかわった。まわりに隙間ができたので、立ち位置を変えようと思ったが、白シャツとグレーに阻まれほとんど動けない。ドアが閉まると同時に、2人が再び動き出した。
白シャツが、握った俺の手を自分の股間に引っ張っていき、グイグイと押しつけてくる。勃起したチンコを触れと促しているのだ。仕方ないので指先でサワサワしてやると、フーフー鼻息が荒くなってきた。問題は、俺の股間に右手を移動させてきたグレージャケットだ。スカート越しにチンコをさわっていた手を、パンツの中に入れようとしている。
腰を引くにも引けず、両手もふさがっているので防ぎようがない。結局、直にチンコをムニムニされながら、右手は白シャツのチンコを触らされるという状態で、活動エリアの終着駅となる赤羽駅に到着。ようやく列車の外へ逃れることができた。
翌日、乱れたカツラをブローして、再び新宿駅へ向かった。今回は少し早めの6時ジャストに到着。同じ要領で、列車が到着する10分前に乗車口に並ぶと、思しきオッサンたちの姿を確認できた。列に並ばず壁際で携帯をいじり、列車が到着したら入り口に押しかけるつもりだろう。昨日とは別の女装子も1人いる。
「間もなく列車が到着します!危ないのでおさがりくださ〜い!」
快速列車がホームに入ると同時に、俺の横にオッサンたちがワラワラ集まってきた。囲まれながら車内へなだれ込み、ギチギチの状態でトビラが閉まる。並びは以下の通りだ。メガネは身体全体を押しつけてくるだけ、ポロシャツはいきなり固くなったチンコを押しつけた状態からのスタートだ。電車が動き出した直後に、メガネが俺の右手をつかみ自分の半勃ちの股間にグリグリしてきた。うわっ、ちょっと先っちょが湿ってる!
気持ち悪っ!ズボンから染み出るなんて、どんだけ興奮してるんだ。変な病気にでもなったら怖いので、必死に手を引っ込めようとしたが、かなり強い力で押し返される。カンベンしてくれよ。一方、左からチンコを押しつけてきたポロシャツもやっかいなことに。右手を俺の尻へずりずりと移動させ、指をケツのワレ目へ侵入させようとしているのだ。必死に尻ほっぺに力を入れて、奥への侵入を拒む。アナルだけは死守せねば。
ようやく列車が池袋へ到着し、数人の客が降りたタイミングで身体をひねり、2人から逃れる…はずだったが、メガネが、ほぼ真正面の位置に来てしまった。結局、湿った股間をピッタリ押しつけられながら、赤羽駅まで我慢するハメに。やっとのことでホームに降りると、俺の後をポロシャツが付いてきた。なんだ、ホテルにでも誘うつもりか?試しに改札の近くまで階段を降りてみたが、一定の距離を保ったまま後をつけてくるだけで、声をかけてくるわけでもない。いったい何がしたいのだろう。上り列車のホームに戻ると、無言のままオレの隣りに立って一緒に電車を待ち、新宿へ戻る列車に乗り込んできた。
さらに、さほど混んでいない上り電車の中でも俺の隣りに立ち、股間へ手をのばして指先でサワサワしてくる。まだしたりないのか。まわりの乗客に見られても、まったくお構いなしだ。乗客もチラチラとこちらを盗み見るが、俺が女装子だからか完全にスルーされる。変態同士が好きで絡み合ってるようにしか見えないのだろう。結局、ポロシャツは途中の池袋駅でチンコを触っていた手を離し、俺の肩をポンポンと2回叩いて、降りて行った。19時5分、新宿駅。ホームの客の量は今までで一番多く、電車が着くころには、四方をオッサンに囲まれていた先頭車両に乗り込むと、係員が半ギレ気味に叫び声をあげる。
「これ以上は乗れません! 押さないでください!!おーさーなーいーでーくださーーい!!」完全に無視してグイグイ押し入ってくる。人数が増えたせいか圧迫感も2割増しだ。さて今回も、すぐに女装子狙いとわかるメンツに囲まれてしまった。右のデブはホカホカの身体全体を押しつけてきて、左の坊主メガネは、いきなり俺の股間付近に手を伸ばしてきた。さらに背後から誰かの手がのび、早くも尻をなではじめている。
こんな特殊な性癖の持ち主なんて、ごくわずかだと思っていたけど、東京という街には、こんなにもたくさんのホモがいるのか。この人たち、普段は何してるんだろう。今回、俺を取り囲んだ3人の動きは素早かった。デブは俺の手の甲をちょんちょん、と触って反応を確かめたかと思うと、次の瞬間には、大胆に手を握り、さらにズリズリと太股へ手を伸ばしてくる。
そのままチンコ、太股、またチンコ、とせわしなく動かすデブ。興奮して息が荒くなるのは仕方ないとしても、息が臭いのはツライ。最初からチンコへ手をのばしてきたメガネ坊主も、いつの間にやらスカートの中へ手を忍びませ、パンツを下げようとしている。この坊主の指先が、ささくれだっていて、カラダに触れると痛いのなんの。直のチンコタッチだけはなんとか避けようと尻を引くが、背後から第三の手が尻の穴めがけて攻めてくるので退路がない。痛い!
そのささくれ、マジで痛いよ!!5分後、ようやく池袋に到着したものの、誰も乗り降りしないのでポジションは変えられず。同じフォーメーションのまま、再び発車した。ここで右のデブが新たな動きを見せた。ブラウスの中に下から手を差し込み、ブラをズリあげようとしている。こいつ、乳首を狙ってやがるな。
しかも前からのささくれ指のせいで、背後の防御がおろそかになり、すでに尻穴の手前まで指が届いている。四方をビッチリ囲まれ腕をロックされてしまうと、どうあがいても防げないのだ。デブに乳首をはじかれながら、坊主にチンコをささくれ攻撃され、尻穴もグリグリ触られるという、怒濤の三点責めが続いた。これはヤバイぞ。
しかも軽く気持ちいいってのが、またヤバイぞ。 赤羽に到着し、ほうほうの体でホームへ。すると、すぐそばにシクシク泣きながら歩く地味な学生風の女の子がいた。可哀想に、されたんだろう。俺も泣いていいかな。
コメント 0